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新しい服
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リリーが朝起きてはじめにした事は、体のサイズを測る事だった。
リリーが持っていたのは、逃げた時の服一枚だけ。
エマは、裁縫が得意らしく、動きやすく、可愛い服を作ってくれるつもりだった。
見たこともない色鮮やかな布地にリリーは心を奪われる。
「選んでいいよ。」
布地の絵が何かわからないものも一つずつ教えて貰いながらリリーは選び終えた。
その他、いくつかの布地をエマが選び、
「これは、あとのお楽しみ」と笑顔になった。
「先に朝ごはんだね。」
ルーカスは今日も学校らしく、朝からガチャガチャしていた。
「リリーと遊んでたいな。」
といいながら、きちんと行く用意をする。
ジェームズはもう仕事に行ったらしく、一緒に朝ごはんを食べることは出来なかった。
「今日は忙しいよ。手伝ってくれるかい?」いたずらっ子のような笑顔のエマにリリーは大きく頷いた。
ルーカスを送り出す。
後ろ髪を引かれるようにしていたが、
「すぐに帰ってくるからな。」
と言って、案外楽しそうに学校へ向かった。
「じゃあ、まずは洗濯だね。」さっきまで寝ていたベッドのシーツを丁寧に剥ぎ取り、洗濯機へ入れる。新しいシーツをベッドにセットする。エマがほとんどやり、届きにくいところを小柄なリリーが入り込んで、綺麗にした。
「やっぱり2人でやると、楽だね。ありがとう。」
リリーは嬉しくなって、他のお手伝いも頑張った。
はじめてのことが、楽しかった。
床を雑巾掛けしたり、布巾でテーブルを拭いたり、大したことは出来なかったけれど、リリーはとても楽しかった。
お昼ごはんを2人で食べる。
用意も片付けも楽しい。
誰かと食べるご飯は美味しい。
これは昨日までは知らなかったことだ。
お昼ごはんのあと、ウトウトしていると、ソファーにエマが連れて行ってくれ、タオルケットをかけられる。窓から入る風が心地よい。
隣でエマが、じっと何かをしていたが、睡魔に負けてしまった。
スースーと寝息を立て始めたリリーの髪を撫でながら、エマは先程選んだ布地でいくつか服を作ろうとしていた。
ミシンは音が大きく、起きてしまうので、とりあえず小物は手縫いで、大物は起きてから作ろうと型紙を作る。
エマの息子はルーカス一人だが、本当は女の子も欲しかった。念願の女の子の服が作れる、とウッキウキだった。
リリーが目覚めたときには、髪を括るゴムにリボンがついた物と、髪を留めるクリップにレースがついた物が出来上がっていた。
エマがリリーを前に座らせ、髪を結ってゴムをつけてくれる。
顔周りがスッキリして輪郭が露わになった。
「やっぱり、可愛い。」
満足そうにエマは呟いて、服を作るために、奥の部屋に入って行った。
リリーは何度も鏡を見て、自分の今の顔を自分に慣れさせようとした。
なぜかムズムズした。
これをルーカスに見て欲しくて、
早く帰ってこないかな、と意識を飛ばした。
ルーカスが帰ってくる少し前、リリーのワンピースが2枚出来上がっていた。両方着て、おかしい所がないか見る。
シンプルなワンピースだったが、リリーはあまりの可愛さに驚いた。
「これでルーカスをびっくりさせてやろう。」エマが笑い、リリーも驚くルーカスを想像して、自然と笑顔になった。
ルーカスが帰ってくる頃、エマとリリーはソワソワしていた。
ガタガタと、扉が開く音がした。
「リリー!」
ルーカスが固まった。
「え?リリー?」
キョトンとした顔で固まっていたと思ったら、ルーカスの顔がみるみる赤くなった。エマは、吹き出した。
「あっはっはっはっ、はぁ、おかしい。」
ルーカスは、苦々しい顔をしてエマを睨んだあと、リリーに駆け寄り、
「リリー、凄く可愛いよ!」と抱きしめてくれた。
ルーカスは胡座をかいて、その上にリリーを座らせ、今日学校であったことを話していた。
その姿は兄と妹のようだった。
リリーが持っていたのは、逃げた時の服一枚だけ。
エマは、裁縫が得意らしく、動きやすく、可愛い服を作ってくれるつもりだった。
見たこともない色鮮やかな布地にリリーは心を奪われる。
「選んでいいよ。」
布地の絵が何かわからないものも一つずつ教えて貰いながらリリーは選び終えた。
その他、いくつかの布地をエマが選び、
「これは、あとのお楽しみ」と笑顔になった。
「先に朝ごはんだね。」
ルーカスは今日も学校らしく、朝からガチャガチャしていた。
「リリーと遊んでたいな。」
といいながら、きちんと行く用意をする。
ジェームズはもう仕事に行ったらしく、一緒に朝ごはんを食べることは出来なかった。
「今日は忙しいよ。手伝ってくれるかい?」いたずらっ子のような笑顔のエマにリリーは大きく頷いた。
ルーカスを送り出す。
後ろ髪を引かれるようにしていたが、
「すぐに帰ってくるからな。」
と言って、案外楽しそうに学校へ向かった。
「じゃあ、まずは洗濯だね。」さっきまで寝ていたベッドのシーツを丁寧に剥ぎ取り、洗濯機へ入れる。新しいシーツをベッドにセットする。エマがほとんどやり、届きにくいところを小柄なリリーが入り込んで、綺麗にした。
「やっぱり2人でやると、楽だね。ありがとう。」
リリーは嬉しくなって、他のお手伝いも頑張った。
はじめてのことが、楽しかった。
床を雑巾掛けしたり、布巾でテーブルを拭いたり、大したことは出来なかったけれど、リリーはとても楽しかった。
お昼ごはんを2人で食べる。
用意も片付けも楽しい。
誰かと食べるご飯は美味しい。
これは昨日までは知らなかったことだ。
お昼ごはんのあと、ウトウトしていると、ソファーにエマが連れて行ってくれ、タオルケットをかけられる。窓から入る風が心地よい。
隣でエマが、じっと何かをしていたが、睡魔に負けてしまった。
スースーと寝息を立て始めたリリーの髪を撫でながら、エマは先程選んだ布地でいくつか服を作ろうとしていた。
ミシンは音が大きく、起きてしまうので、とりあえず小物は手縫いで、大物は起きてから作ろうと型紙を作る。
エマの息子はルーカス一人だが、本当は女の子も欲しかった。念願の女の子の服が作れる、とウッキウキだった。
リリーが目覚めたときには、髪を括るゴムにリボンがついた物と、髪を留めるクリップにレースがついた物が出来上がっていた。
エマがリリーを前に座らせ、髪を結ってゴムをつけてくれる。
顔周りがスッキリして輪郭が露わになった。
「やっぱり、可愛い。」
満足そうにエマは呟いて、服を作るために、奥の部屋に入って行った。
リリーは何度も鏡を見て、自分の今の顔を自分に慣れさせようとした。
なぜかムズムズした。
これをルーカスに見て欲しくて、
早く帰ってこないかな、と意識を飛ばした。
ルーカスが帰ってくる少し前、リリーのワンピースが2枚出来上がっていた。両方着て、おかしい所がないか見る。
シンプルなワンピースだったが、リリーはあまりの可愛さに驚いた。
「これでルーカスをびっくりさせてやろう。」エマが笑い、リリーも驚くルーカスを想像して、自然と笑顔になった。
ルーカスが帰ってくる頃、エマとリリーはソワソワしていた。
ガタガタと、扉が開く音がした。
「リリー!」
ルーカスが固まった。
「え?リリー?」
キョトンとした顔で固まっていたと思ったら、ルーカスの顔がみるみる赤くなった。エマは、吹き出した。
「あっはっはっはっ、はぁ、おかしい。」
ルーカスは、苦々しい顔をしてエマを睨んだあと、リリーに駆け寄り、
「リリー、凄く可愛いよ!」と抱きしめてくれた。
ルーカスは胡座をかいて、その上にリリーを座らせ、今日学校であったことを話していた。
その姿は兄と妹のようだった。
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