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元ヒロインの男爵夫人
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娘が妹のところへ行った。妹セリーヌは隣国の公爵家に嫁入りし、それから私とは会わなくなった。全く冴えない伯爵家の次女だったあの子は、地味な癖に男に色目を使うのが得意だったようで、私を狙っていた公爵様を掠め取っていった。
第一王子がまさか一代限りの男爵になるなんて思わないじゃない。今は男爵となって働いてはいるけれど、王子じゃなくなった彼には昔ほどの煌めきはない。
だから、私はいまだにチヤホヤしてくれる昔の友人達に会いに行っていたのに。ある日帰宅したら、娘が荷物ごと居なくなっていた。侍女のナディアが言うには隣国の妹のところに行儀見習いに行ったらしい。
ナディアは私の侍女として伯爵家から連れて来たのだけど、元は確か同じ伯爵家の娘だったのよね。可哀想に婚約破棄の憂き目にあって、嫁の貰い手がなくなったらしくて、侍女として生きる、と言っていた。
私がいない間、勝手に夫人面していたのはわかっている。私のお古で良いならあげるわよ。私はニヤニヤを隠せない。ナディアは顔は似ていないのに、偶に妹みたいに見える時がある。
侍女の癖に憎たらしい。モテない癖に此方をバカにするあの妹にナディアは似ている。
「本当に変わりませんね、羨ましいわ。」
いつまで経っても娘の頃と変わらない体型を褒められて得意になる。一緒のテーブルにいるのはすでに何人も妊娠して体型が崩れてしまったおばさんばかり。
モニカを産んだ後、確かに体型は変わってしまったけれど若いからか戻りは早かった。
「愛されている女はいつまでも美しい」誰に言われた言葉かはわからないけれど、確かに私は愛されているわ。貴女達の旦那様に。
彼女達は私にマウントを取っているつもりでいる。男爵夫人に成り下がった私を上から見下ろすことで自分が上に立ったみたいに思っている。だけどね?愛されているのは私なの。
敵だらけの茶会で、モニカを連れて来られないのは残念だ。そろそろ適齢期だからお見せしようとしていたのに。
クラウド侯爵夫人が難しい顔をしている。ダメだわ。このニヤニヤを隠さないと不敬になるわ。彼女がモニカの姿を見たらどう思うかしら。愛する男にそっくりなモニカの姿を見て、絶望を味わえば良い。
モニカは上手くやったようで隣国の公爵家の養子になったみたい。妹の娘や息子も妹によく似て愚鈍なんでしょうから、取り込むなんて簡単だったでしょうね。
ナディアはモニカが心配なら隣国へ行くように勧めてくる。どうせその間に夫との仲を深めようとかそう言う魂胆に違いない。だけど、そうね。乗ってあげても良いわ。久しぶりの姉妹の再会よ、妹も喜ぶに違いないわ。
妹からの手紙にはモニカの養子先について書かれていた。どうやらセリーヌが嫁いだ先じゃないらしい。モニカを見そめた第四王子がぜひにと寄子の家を紹介したという。ナディアに聞けば、モニカを見そめた王子様はとてつもない美丈夫でいくらでもお金を持っているから安心だとのこと。
そう言う男って、きっと何か欠点があるはずよ。王子に見そめられたのは流石私の娘、だけど、第四王子がわざわざ平民の娘に求婚するというのはちょっと安心できないわ。他に女がいる、とかなら厄介だけど、別に想定内。嫌なのはそれ以外の何かがある場合。正直私の手を離れた娘の将来まで関わりたいとは思っていない。
だけどこれで何もない場合、私だけが貧乏くじを引いたみたいじゃない?それは悔しいわ。
だから娘の幸せを見届けなきゃ。女好きで娘が好きなら娘より魅力的は私に惹かれない筈はないもの。
ナディアに言付けて家を出る。あくまでもモニカに会いに行く体で私も見そめられないかと期待して。
第一王子がまさか一代限りの男爵になるなんて思わないじゃない。今は男爵となって働いてはいるけれど、王子じゃなくなった彼には昔ほどの煌めきはない。
だから、私はいまだにチヤホヤしてくれる昔の友人達に会いに行っていたのに。ある日帰宅したら、娘が荷物ごと居なくなっていた。侍女のナディアが言うには隣国の妹のところに行儀見習いに行ったらしい。
ナディアは私の侍女として伯爵家から連れて来たのだけど、元は確か同じ伯爵家の娘だったのよね。可哀想に婚約破棄の憂き目にあって、嫁の貰い手がなくなったらしくて、侍女として生きる、と言っていた。
私がいない間、勝手に夫人面していたのはわかっている。私のお古で良いならあげるわよ。私はニヤニヤを隠せない。ナディアは顔は似ていないのに、偶に妹みたいに見える時がある。
侍女の癖に憎たらしい。モテない癖に此方をバカにするあの妹にナディアは似ている。
「本当に変わりませんね、羨ましいわ。」
いつまで経っても娘の頃と変わらない体型を褒められて得意になる。一緒のテーブルにいるのはすでに何人も妊娠して体型が崩れてしまったおばさんばかり。
モニカを産んだ後、確かに体型は変わってしまったけれど若いからか戻りは早かった。
「愛されている女はいつまでも美しい」誰に言われた言葉かはわからないけれど、確かに私は愛されているわ。貴女達の旦那様に。
彼女達は私にマウントを取っているつもりでいる。男爵夫人に成り下がった私を上から見下ろすことで自分が上に立ったみたいに思っている。だけどね?愛されているのは私なの。
敵だらけの茶会で、モニカを連れて来られないのは残念だ。そろそろ適齢期だからお見せしようとしていたのに。
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モニカは上手くやったようで隣国の公爵家の養子になったみたい。妹の娘や息子も妹によく似て愚鈍なんでしょうから、取り込むなんて簡単だったでしょうね。
ナディアはモニカが心配なら隣国へ行くように勧めてくる。どうせその間に夫との仲を深めようとかそう言う魂胆に違いない。だけど、そうね。乗ってあげても良いわ。久しぶりの姉妹の再会よ、妹も喜ぶに違いないわ。
妹からの手紙にはモニカの養子先について書かれていた。どうやらセリーヌが嫁いだ先じゃないらしい。モニカを見そめた第四王子がぜひにと寄子の家を紹介したという。ナディアに聞けば、モニカを見そめた王子様はとてつもない美丈夫でいくらでもお金を持っているから安心だとのこと。
そう言う男って、きっと何か欠点があるはずよ。王子に見そめられたのは流石私の娘、だけど、第四王子がわざわざ平民の娘に求婚するというのはちょっと安心できないわ。他に女がいる、とかなら厄介だけど、別に想定内。嫌なのはそれ以外の何かがある場合。正直私の手を離れた娘の将来まで関わりたいとは思っていない。
だけどこれで何もない場合、私だけが貧乏くじを引いたみたいじゃない?それは悔しいわ。
だから娘の幸せを見届けなきゃ。女好きで娘が好きなら娘より魅力的は私に惹かれない筈はないもの。
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