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本編
私、逆ハーは諦めたのですが
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幸せ一色の私の前には、必ずアーヴィンがいる。私はこのまま、アーヴィンと幸せになるのだと、信じて疑わなかったのだけど、それだと困る人がいるなんて、誰が予想しただろう。
そして、その困惑に私はまんまと引っかかってしまうのだった。
アーヴィンといると、何故だかアーヴィン以外の攻略対象と二人きりになれないのが、アーヴィンと、婚約してからはなくなった。
アーヴィンが私から離れた途端、見計らったようにサイラスが私の周りを彷徨くようになった。
「ご婚約おめでとう。アーヴィンをよろしくね。」
サイラスは怪しげな笑みを浮かべている。色気が少し増したようだ。
だけど、今の私にはアーヴィンしか魅力的に感じないので、スルー。
「ありがとうございます。」
お礼を言うが、何とも気まずい空気が流れて、離れようとしたら、目の前に見たことのある物が現れた。
それは、ゲームでサイラスを攻略した時に貰える懐中時計。
あれ?確かにもらえて嬉しいけれど、しかもサイラスに貰ったけれど、どうして?
私はサイラスを落としていないのに、どうして攻略のアイテムを貰えたの?
私はサイラスの微笑みに違和感を覚える。なのに、貰えたことが嬉しくてそれ以上追及しなかった。それがどんな意味を持つのかも知らずに。
サイラスと別れて、アーヴィンと合流する。サイラスの懐中時計を見て、驚いているようだったので、説明をする。
「ルビー様に頂いたの。婚約祝いだとおっしゃって。」
余りにも凝視しているアーヴィンに釣られて少し申し訳なくなる。
「もらわない方が良かった?」
「ああ、そうだな。」
「では、返してきます。」
私は踵を返して部屋を出ようとした。すかさずアーヴィンが、私を抱きしめる。
「いや。俺が突っ返してくるよ。」
嫉妬で怒っているのかと、見上げた彼の顔は、怒っていると言うよりはどこか不安気で、微笑みはない。
私は懐中時計をもらう事で、アーヴィンを傷つけてしまったと深く反省した。
アーヴィンは、アリシアを送り届けたあと、ある場所に来ていた。
「どう言うつもりだ。」
そこには、面白いものを見たとケラケラ笑うサイラスがいた。
「どう言うつもり、ってもう分かってるんでしょう?いつもと同じだよ。彼女の元の望みを叶えてあげるんだ。だって、彼女の望みは逆ハーだったじゃない?だから、私も攻略した後だと思わせたかったんだ。」
「こんなことして、何になる?」
「君にそっくり返すよ、その言葉。君さえ邪魔しなければ、今頃にはすでに決着は付いているはずだったんだ。君が余計な事さえしなければね。」
「これは返すよ。」ごとりと、懐中時計を置くと、アーヴィンの眼光は鋭くなった。
「彼女は今までの子たちとは違う。」
サイラスは返事をせず、ただ曖昧に微笑んだ。
そして、その困惑に私はまんまと引っかかってしまうのだった。
アーヴィンといると、何故だかアーヴィン以外の攻略対象と二人きりになれないのが、アーヴィンと、婚約してからはなくなった。
アーヴィンが私から離れた途端、見計らったようにサイラスが私の周りを彷徨くようになった。
「ご婚約おめでとう。アーヴィンをよろしくね。」
サイラスは怪しげな笑みを浮かべている。色気が少し増したようだ。
だけど、今の私にはアーヴィンしか魅力的に感じないので、スルー。
「ありがとうございます。」
お礼を言うが、何とも気まずい空気が流れて、離れようとしたら、目の前に見たことのある物が現れた。
それは、ゲームでサイラスを攻略した時に貰える懐中時計。
あれ?確かにもらえて嬉しいけれど、しかもサイラスに貰ったけれど、どうして?
私はサイラスを落としていないのに、どうして攻略のアイテムを貰えたの?
私はサイラスの微笑みに違和感を覚える。なのに、貰えたことが嬉しくてそれ以上追及しなかった。それがどんな意味を持つのかも知らずに。
サイラスと別れて、アーヴィンと合流する。サイラスの懐中時計を見て、驚いているようだったので、説明をする。
「ルビー様に頂いたの。婚約祝いだとおっしゃって。」
余りにも凝視しているアーヴィンに釣られて少し申し訳なくなる。
「もらわない方が良かった?」
「ああ、そうだな。」
「では、返してきます。」
私は踵を返して部屋を出ようとした。すかさずアーヴィンが、私を抱きしめる。
「いや。俺が突っ返してくるよ。」
嫉妬で怒っているのかと、見上げた彼の顔は、怒っていると言うよりはどこか不安気で、微笑みはない。
私は懐中時計をもらう事で、アーヴィンを傷つけてしまったと深く反省した。
アーヴィンは、アリシアを送り届けたあと、ある場所に来ていた。
「どう言うつもりだ。」
そこには、面白いものを見たとケラケラ笑うサイラスがいた。
「どう言うつもり、ってもう分かってるんでしょう?いつもと同じだよ。彼女の元の望みを叶えてあげるんだ。だって、彼女の望みは逆ハーだったじゃない?だから、私も攻略した後だと思わせたかったんだ。」
「こんなことして、何になる?」
「君にそっくり返すよ、その言葉。君さえ邪魔しなければ、今頃にはすでに決着は付いているはずだったんだ。君が余計な事さえしなければね。」
「これは返すよ。」ごとりと、懐中時計を置くと、アーヴィンの眼光は鋭くなった。
「彼女は今までの子たちとは違う。」
サイラスは返事をせず、ただ曖昧に微笑んだ。
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