逆ハーENDは封じられました

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本編

アーヴィンに勝てない

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アーヴィンは残念ながらあの懐中時計を返してしまった。ゲームの信奉者としては、若干勿体なかったかなぁと思うものの、今の私には必要のないものだと、諦める。

アーヴィンは、端正な顔を惜しげもなく晒して私を、釘付けにする。やっぱりアーヴィンが一番好きな顔だわ。今後、この顔だけ見て暮らせるなんて幸せすぎる。

婚約をして、結婚までにはあと二年あるから、二年間は恋人気分を味わえる。アーヴィンは脳筋だけど、今までの態度から察するに、釣った魚に餌をやらないタイプではない。むしろ、あげすぎて、太らせちゃうようなタイプだと思う。

太りたくはないけれど、安心して幸せになれそう。私は前世の記憶があるから、特に貧乏についても、貴族の位についても、あまり気にしない。特に贅沢をしたいとは思わないし、綺麗に着飾ったところで、それだけが幸せとは思えない。

私はアーヴィンとずっと仲良くできて、慎ましく暮らせたら良い。結婚前に体は許さないのは、こちらの世界でなくても守るつもりだけど。一緒に眠るだけなら文句は言われないだろうか。

アーヴィンに包まれて眠りたい、というと、はしたないと叱られてしまうだろうか。

「アーヴィン、あの、お願いがあるの。」
上目遣い、好きでしょ?

なるべく、頑張ってお願いしてみる。

「どうしたの?」
体格差があるから仕方ないけれど、アーヴィンの覗きこんでくる顔が好き。

精一杯手を伸ばして、首にぶら下がると、キスを求めているみたいになって恥ずかしい。

私がフラフラしていたら、さっと抱えてくれるアーヴィンの腕が逞しくて鼻血出そう。神様に感謝した。アーヴィンを作ってくれてありがとうって。

「あの、はしたないって言われるかもしれないけど、一緒に寝てくれない?」
いわゆる、腕枕って言うの?あれ、やってみたいのよ。

膝枕もいいけれど、それは逆に私がやってあげたいじゃない?だから、アーヴィンにやってほしいのは、腕枕なの。

アーヴィンはやっぱりはしたないと思ったのか、少し固まってしまった。

「駄目?」
アーヴィンの喉が分かりやすく、唾を飲み込んだ。

「駄目だ。」
抑揚のない、言い方で身も蓋もない。

「どうして?」
ちょっと粘ってみた。

「どうしても。」

ムスッとした私に近づいて相変わらず良い声で耳元で囁く。

「腕枕で、終われないからね?」

色気が駄々漏れなんですが?
私はしてやられた感じがした。

アーヴィンに勝てそうにないのはどうしてだろう。惚れた弱みとかそう言うもの?

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