14 / 40
夢を信じて
しおりを挟む
闇商人デマンティーの依頼を達成したシャルル一行だったが、荒れていた。
「ふざけるなっ!」
「ぐあっ!」
「依頼の報酬がないだと!?」
「あ、あんたらが達成出来るとは正直思ってなくて、へへっ」
「貴様っ!」
「もういいっ、レイジッ!」
「もういいだとっ、じゃあどうするというんだシャルル」
「……」
「コイツはオレ達を利用した挙句、依頼の報酬を別の者から受け取るかも知れない」
「え、そうなのか? トレチ」
「まあ裏の世界なんて調べたら切りないけど、デマンティーが何かと繋がってるって言われても不思議じゃないし、疑われても仕方がない世界に生きてるんだからね」
「そこの姉さんの言う通りだ、言い返す言葉も見当たらねえ。でも聞いてくれ」
「なんだ、命乞いか?」
「オレも調べたがあんたらの言う通り船はどこも出せず、裏でもそれは同じだったんだ。そんな船乗りたちだが、奇妙な事を言ってたんだ『雨雲に包まれた船』ってな」
「えっ!? それって」
「まさかロート・オーシャン号!?」
「船の名前までは知らねえが、その船に近づくものは通さず、まるで何かを待っているようにそこに停泊してるって話しだ」
「嘘じゃないだろうな」
「ほ、本当だっ、こんな情報を言ってもあんたらには有益じゃねえと思ったんだ!」
「どうする、シャルル」
船を手に入れられると思ったシャルルだったが、まさかの振り出しに。だがもしその『雨雲に包まれた船』がロート・オーシャン号なら、キャプテン・ヴィルコは生きているかもしれないと考えた。
「だけどもし、ロート・オーシャン号だとしてもそこに行くまでの船はない」
「あの……」
「イコーナ」
「みなさん、ちょっと良いですか?」
珍しくイコーナから話してきて何か言いたいことがあるのか。とりあえず店を出ようと歩くも最後までレイジはデマンティーを睨んでいたようだった。
「――はぁ~っ、まいったな~、せっかくドラゴン2匹とも倒したってのに」
「やはりデマンティー締め上げる」
「ちょちょっとやめときなさいってっ」
「トレチ……うむ~」
「それでイコーナ、何か話したいことがあるなら聞くよ」
「はい、一週間くらい前のみなさんに助けられて宿に泊まった日のことです。あたし夢を見たんですキャプテンの夢を、それであたしを励ましてくれて、キャプテンも人の姿に戻ってて、カッコよかった」
「イコーナ……よかったね」
「はい、でもキャプテンは励ましてくれただけじゃなかったんです。キャプテンはあたしに、船長命令だ、その魂を背負ってくれって」
「へ~っ、そんなことを」
イコーナのその夢は夢ではなくキャプテン・ヴィルコの何かのメッセージなのではないかと考えていた。
「イコーナには悪いけど、私はそれはただの夢だと思うけど」
「……オレもそう思う」
「もう~エリイもレイジも夢がないわね~、ロマンチックじゃな~い」
トレチはイコーナに近づき頭をスリスリと撫でながら信じてみようと提案する。
「でもトレチ、あなたのいうことも分かるけど、船も無しにロート・オーシャン号までどうやって向かうのよ」
「それは~……わかんない」
「はぁ~っ、それじゃ意味ないじゃない」
「てへぺろっ」
「なあイコーナ」
「はい、シャルルさん」
「イコーナはみんなに夢の説明してくれたけど、イコーナ自身はどう思ってる?」
「……」
少しの沈黙をしてイコーナは考えた。エリイの言う通りただ自分がキャプテン・ヴィルコを強く思ったがゆえの夢にすぎないと、でも意味ある事だと信じたい自分がいる。
「あたしは……意味ある事だと、思いますシャルルさん!」
一週間前に内気で自分の意見を話すことが苦手そうだったイコーナ、でもそんなことはなく内には勇気と強さを持っていたんだとシャルルは感じて、決断をする。
「コハーカ港に戻ろう」
「コハーカ港はここから北東に向かえば行けるけど、なぜ?」
「そこがキャプテン・ヴィルコと離れて最初に着いた港だから、そこで何が出来るか分からないけど何かやれる事があるとすればコハーカ港だと思うんだ」
「シャルルさん!」
「どうすれば良いかは着いてから考えようイコーナ」
「はい!」
シャルルは夢が何かのメッセージだと言うイコーナを信じて、このサーキレ大陸の最初に訪れたコハーカ港に戻ることにした……。
「ふざけるなっ!」
「ぐあっ!」
「依頼の報酬がないだと!?」
「あ、あんたらが達成出来るとは正直思ってなくて、へへっ」
「貴様っ!」
「もういいっ、レイジッ!」
「もういいだとっ、じゃあどうするというんだシャルル」
「……」
「コイツはオレ達を利用した挙句、依頼の報酬を別の者から受け取るかも知れない」
「え、そうなのか? トレチ」
「まあ裏の世界なんて調べたら切りないけど、デマンティーが何かと繋がってるって言われても不思議じゃないし、疑われても仕方がない世界に生きてるんだからね」
「そこの姉さんの言う通りだ、言い返す言葉も見当たらねえ。でも聞いてくれ」
「なんだ、命乞いか?」
「オレも調べたがあんたらの言う通り船はどこも出せず、裏でもそれは同じだったんだ。そんな船乗りたちだが、奇妙な事を言ってたんだ『雨雲に包まれた船』ってな」
「えっ!? それって」
「まさかロート・オーシャン号!?」
「船の名前までは知らねえが、その船に近づくものは通さず、まるで何かを待っているようにそこに停泊してるって話しだ」
「嘘じゃないだろうな」
「ほ、本当だっ、こんな情報を言ってもあんたらには有益じゃねえと思ったんだ!」
「どうする、シャルル」
船を手に入れられると思ったシャルルだったが、まさかの振り出しに。だがもしその『雨雲に包まれた船』がロート・オーシャン号なら、キャプテン・ヴィルコは生きているかもしれないと考えた。
「だけどもし、ロート・オーシャン号だとしてもそこに行くまでの船はない」
「あの……」
「イコーナ」
「みなさん、ちょっと良いですか?」
珍しくイコーナから話してきて何か言いたいことがあるのか。とりあえず店を出ようと歩くも最後までレイジはデマンティーを睨んでいたようだった。
「――はぁ~っ、まいったな~、せっかくドラゴン2匹とも倒したってのに」
「やはりデマンティー締め上げる」
「ちょちょっとやめときなさいってっ」
「トレチ……うむ~」
「それでイコーナ、何か話したいことがあるなら聞くよ」
「はい、一週間くらい前のみなさんに助けられて宿に泊まった日のことです。あたし夢を見たんですキャプテンの夢を、それであたしを励ましてくれて、キャプテンも人の姿に戻ってて、カッコよかった」
「イコーナ……よかったね」
「はい、でもキャプテンは励ましてくれただけじゃなかったんです。キャプテンはあたしに、船長命令だ、その魂を背負ってくれって」
「へ~っ、そんなことを」
イコーナのその夢は夢ではなくキャプテン・ヴィルコの何かのメッセージなのではないかと考えていた。
「イコーナには悪いけど、私はそれはただの夢だと思うけど」
「……オレもそう思う」
「もう~エリイもレイジも夢がないわね~、ロマンチックじゃな~い」
トレチはイコーナに近づき頭をスリスリと撫でながら信じてみようと提案する。
「でもトレチ、あなたのいうことも分かるけど、船も無しにロート・オーシャン号までどうやって向かうのよ」
「それは~……わかんない」
「はぁ~っ、それじゃ意味ないじゃない」
「てへぺろっ」
「なあイコーナ」
「はい、シャルルさん」
「イコーナはみんなに夢の説明してくれたけど、イコーナ自身はどう思ってる?」
「……」
少しの沈黙をしてイコーナは考えた。エリイの言う通りただ自分がキャプテン・ヴィルコを強く思ったがゆえの夢にすぎないと、でも意味ある事だと信じたい自分がいる。
「あたしは……意味ある事だと、思いますシャルルさん!」
一週間前に内気で自分の意見を話すことが苦手そうだったイコーナ、でもそんなことはなく内には勇気と強さを持っていたんだとシャルルは感じて、決断をする。
「コハーカ港に戻ろう」
「コハーカ港はここから北東に向かえば行けるけど、なぜ?」
「そこがキャプテン・ヴィルコと離れて最初に着いた港だから、そこで何が出来るか分からないけど何かやれる事があるとすればコハーカ港だと思うんだ」
「シャルルさん!」
「どうすれば良いかは着いてから考えようイコーナ」
「はい!」
シャルルは夢が何かのメッセージだと言うイコーナを信じて、このサーキレ大陸の最初に訪れたコハーカ港に戻ることにした……。
0
あなたにおすすめの小説
チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活
仙道
ファンタジー
リメイク先:「視線が合っただけで美少女が俺に溺れる。異世界で最強のハーレムを作って楽に暮らす」
ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。
彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。
勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。
克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度がカンスト!? ~追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と甘々ライフ~
月城 友麻
ファンタジー
『お前みたいな無能、最初から要らなかった』
恋人に裏切られ、仲間に陥れられ、家族に見捨てられた。
戦闘力ゼロの鑑定士レオンは、ある日全てを失った――――。
だが、絶望の底で覚醒したのは――未来が視える神スキル【運命鑑定】
導かれるまま向かった路地裏で出会ったのは、世界に見捨てられた四人の少女たち。
「……あんたも、どうせ私を利用するんでしょ」
「誰も本当の私なんて見てくれない」
「私の力は……人を傷つけるだけ」
「ボクは、誰かの『商品』なんかじゃない」
傷だらけで、誰にも才能を認められず、絶望していた彼女たち。
しかしレオンの【運命鑑定】は見抜いていた。
――彼女たちの潜在能力は、全員SSS級。
「君たちを、大陸最強にプロデュースする」
「「「「……はぁ!?」」」」
落ちこぼれ軍師と、訳あり美少女たちの逆転劇が始まる。
俺を捨てた奴らが土下座してきても――もう遅い。
◆爽快ざまぁ×美少女育成×成り上がりファンタジー、ここに開幕!
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
外れギフト魔石抜き取りの奇跡!〜スライムからの黄金ルート!婚約破棄されましたのでもうお貴族様は嫌です〜
KeyBow
ファンタジー
この世界では、数千年前に突如現れた魔物が人々の生活に脅威をもたらしている。中世を舞台にした典型的なファンタジー世界で、冒険者たちは剣と魔法を駆使してこれらの魔物と戦い、生計を立てている。
人々は15歳の誕生日に神々から加護を授かり、特別なギフトを受け取る。しかし、主人公ロイは【魔石操作】という、死んだ魔物から魔石を抜き取るという外れギフトを授かる。このギフトのために、彼は婚約者に見放され、父親に家を追放される。
運命に翻弄されながらも、ロイは冒険者ギルドの解体所部門で働き始める。そこで彼は、生きている魔物から魔石を抜き取る能力を発見し、これまでの外れギフトが実は隠された力を秘めていたことを知る。
ロイはこの新たな力を使い、自分の運命を切り開くことができるのか?外れギフトを当りギフトに変え、チートスキルを手に入れた彼の物語が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる