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五つの精霊
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――三日前、クリス婆さんから貰った手紙を頼りにクリスの家と二ビーチの中間を南に下った海岸に来た。そこで出会ったのは勇者の仲間で元戦士だったというギナと戦っていた。
「くっ、攻撃が読まれているのか」
「まあそうだが、坊主お前の武器はその片手剣だけか?」
「? ああそうだ」
「だからだよ、相手が片手剣って別れば大概の戦士は戦い方がわかっちまう」
「そうか……たしかに」
「しかもおめぇ、見たところ片手剣しかもってねぇ、それじゃあ片手剣でしか使わねぇって戦う前から言ってるようなもんだぜ。戦士としては未熟とも見られちまう」
「そうか」
「だからよ、やれることはやろうぜ坊主……」
――ロート・オーシャン号に乗って一日。シャルルとイコーナは炎の精霊イフリートと共に海へ出ていた。
「なあイコーナ、一体なにを教わったんだ?」
「フフッ、秘密ですよ」
「気になるな~……イフリート」
「ん、どうしたシャルル」
「いま、水の精霊がいる場所に向かってるんだよね?」
「そう言っただろ、水の精霊ならシンベル大陸の近くの海にいるさ」
イトが炎の精霊イフリートと分かってから、仲間の少ないシャルルにまず精霊を集めようと言ってきて最初は戸惑ったが近くの海ということで向かうことにしたのだった。
「どうして、イトみたいな子どもの姿になってたんだ?」
「それは水の精霊が『魔王がそちらに向かうのも時間の問題、だから逃げて』って言うもんだから地上に出たあと人間に化けたんだ」
「では、他の地や雷の精霊様も?」
「イコーナだったな、そうだ、おそらくはアタシ同様に人間に化けているかもしれない……まて」
イフリートは話しを中断し、水の精霊が近いと気づき交信するため念を飛ばしだした。
『アタシの声が聞こえるか水の精霊、水の精霊っ』
「あ、あれっ!」
イコーナが船首の先の海を指さすと渦が巻き、そこからゆっくりと両目を閉じた青い女性が現れた。
「あなたが水の精霊!」
またゆっくりと両目を見開いた。
「イフリート、交信を聞いてくれてありがとう」
「フッ、神殿内同士でなければ遠くまで交信ができないんだ。それほど重要だと感づいたまでだ」
「ワタシは水の精霊アクア」
「アクアさん、よかった無事で」
「あなたが勇者のシャルル……」
「はい、アクアさん他の雷と地の精霊様を知りませんか?」
――シャルルは今自分が仲間を探していると事を告げた。水の精霊アクアは魔王ディメントに気づかれない海の底に避難をしていたため場所はわからないと言う。
「……ですが今ここにワタシと火の精霊が揃ったことによってより強い交信が可能となるでしょう」
「そのとおりだ」
そう言うとすぐ二人で念を飛ばし雷と地の精霊を探すことにした。するとすぐ水と炎の精霊は目をハッと開くと驚きの表情をする。
「どうしたの二人とも!?」
「これはっ……誰だ!?」
「いま、雷と地、風の精霊が三人そろっています」
「しかしそれとは別の何かが、一人……人間ではない何かと、いる」
「人間じゃ無い何かって……なんだろう?」
「――あなたの言うとおりだった」
「ああ、どうやら向こうも水と炎の精霊を見つけたようじゃわい」
「……あなたは、行ってしまうのね」
三人の精霊を集めた者は彼女らを残し頷いて去っていった。
「訳ありのようじゃな」
「ええ、でも、とても悲しい眼をしていたわ」
「……じゃあはじめましょ」
三人互いを向き合い交信するために念を送り出す。
『……きこえるかしら、水に炎の精霊』
『お前は風の精霊、何故かは知らないがそこに三人そろっているようだな』
『ええ、そうよ』
『水の精霊アクア』
『その声は雷の精霊エクレール、あなたも無事だったのね』
『魔王に出会う前に何とか神殿を抜け出しましたから』
『世間話はそのへんでいいじゃろ、これからどうする?』
『まずは皆で、勇者シャルル元へ集まりましょう』
そう言って各精霊は頷き、シャルルの元に集まることにした……。
「くっ、攻撃が読まれているのか」
「まあそうだが、坊主お前の武器はその片手剣だけか?」
「? ああそうだ」
「だからだよ、相手が片手剣って別れば大概の戦士は戦い方がわかっちまう」
「そうか……たしかに」
「しかもおめぇ、見たところ片手剣しかもってねぇ、それじゃあ片手剣でしか使わねぇって戦う前から言ってるようなもんだぜ。戦士としては未熟とも見られちまう」
「そうか」
「だからよ、やれることはやろうぜ坊主……」
――ロート・オーシャン号に乗って一日。シャルルとイコーナは炎の精霊イフリートと共に海へ出ていた。
「なあイコーナ、一体なにを教わったんだ?」
「フフッ、秘密ですよ」
「気になるな~……イフリート」
「ん、どうしたシャルル」
「いま、水の精霊がいる場所に向かってるんだよね?」
「そう言っただろ、水の精霊ならシンベル大陸の近くの海にいるさ」
イトが炎の精霊イフリートと分かってから、仲間の少ないシャルルにまず精霊を集めようと言ってきて最初は戸惑ったが近くの海ということで向かうことにしたのだった。
「どうして、イトみたいな子どもの姿になってたんだ?」
「それは水の精霊が『魔王がそちらに向かうのも時間の問題、だから逃げて』って言うもんだから地上に出たあと人間に化けたんだ」
「では、他の地や雷の精霊様も?」
「イコーナだったな、そうだ、おそらくはアタシ同様に人間に化けているかもしれない……まて」
イフリートは話しを中断し、水の精霊が近いと気づき交信するため念を飛ばしだした。
『アタシの声が聞こえるか水の精霊、水の精霊っ』
「あ、あれっ!」
イコーナが船首の先の海を指さすと渦が巻き、そこからゆっくりと両目を閉じた青い女性が現れた。
「あなたが水の精霊!」
またゆっくりと両目を見開いた。
「イフリート、交信を聞いてくれてありがとう」
「フッ、神殿内同士でなければ遠くまで交信ができないんだ。それほど重要だと感づいたまでだ」
「ワタシは水の精霊アクア」
「アクアさん、よかった無事で」
「あなたが勇者のシャルル……」
「はい、アクアさん他の雷と地の精霊様を知りませんか?」
――シャルルは今自分が仲間を探していると事を告げた。水の精霊アクアは魔王ディメントに気づかれない海の底に避難をしていたため場所はわからないと言う。
「……ですが今ここにワタシと火の精霊が揃ったことによってより強い交信が可能となるでしょう」
「そのとおりだ」
そう言うとすぐ二人で念を飛ばし雷と地の精霊を探すことにした。するとすぐ水と炎の精霊は目をハッと開くと驚きの表情をする。
「どうしたの二人とも!?」
「これはっ……誰だ!?」
「いま、雷と地、風の精霊が三人そろっています」
「しかしそれとは別の何かが、一人……人間ではない何かと、いる」
「人間じゃ無い何かって……なんだろう?」
「――あなたの言うとおりだった」
「ああ、どうやら向こうも水と炎の精霊を見つけたようじゃわい」
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「訳ありのようじゃな」
「ええ、でも、とても悲しい眼をしていたわ」
「……じゃあはじめましょ」
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『……きこえるかしら、水に炎の精霊』
『お前は風の精霊、何故かは知らないがそこに三人そろっているようだな』
『ええ、そうよ』
『水の精霊アクア』
『その声は雷の精霊エクレール、あなたも無事だったのね』
『魔王に出会う前に何とか神殿を抜け出しましたから』
『世間話はそのへんでいいじゃろ、これからどうする?』
『まずは皆で、勇者シャルル元へ集まりましょう』
そう言って各精霊は頷き、シャルルの元に集まることにした……。
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