ロボット先生

ヒムネ

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試み

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 2040年4月5日、この時期学校では様々な状況が変わるものである。そんな中、とある高等学校で実験的な試みが行われた······。

「――というわけで、皆明日から授業が始まるわけですが、ここで三年生の皆さんに新しい先生を紹介します」

「新しい先生? 科目ごとに先生変わるんだし意味なくね」
「イケメンの先生だったりして」
「美人の先生だったら最高だな~」
「どうでもいいし」

「お静かに、では先生お入りください」
 扉を開けると、更にざわつく。

「えー! 何あれ、ロボット?」

「皆さん初めまして、TPR01です。TはティーチャーT、PはプロジェクトのP、RはロボットのR、01はその1号機という意味です。え~、私は他の先生が忙しい時や風邪などで休んだ時などに代行して先生をやらせていただきます。何か質問はありますか?」

 生徒が困惑する中、

「はいっ!」っと手を上げた女の子。

「はい、そこの······木村 秋さん」

「あの~······えっ、あたしの名前?」
「フフッ、私はロボットですよ、皆さんのお名前の情報は入ってますよ」
 ロボット先生は四角いテレビのモニターで笑顔で答えると、秋は顔を真っ赤になり恥ずかしくなったのか目をそらしながら、
「しょく、食事はどうしてるんですか?」
 すると周りの生徒が、
「バカか、ロボットだぞっ、食事何かする分けねえじゃん」
 周りの生徒はクスクスと笑っていた。しかしロボット先生は落ち着いて、
「私の食事は電気です。私の右足のふくらはぎの裏側にコンセントがありそれで充電します。最大で24時間充電しなくても大丈夫ですが、極力は充電しておきたいですね。分かってもらえましたか?」
 先生の話で秋は、
「あ、はいっ!」
 恥ずかしさが吹っ飛んだ。

「ではもういいかな? というわけでロボット先生に授業をして貰います。それとこれは実験ということもありまして1ヶ月程度、大井先生にもついてもらいますが何か質問はありますか?」
 「······ないならこれで終了とさせていただきます、ではロボット先生」
「はい、起立······ありがとうございました」
「ありがとうございました!」
 サクラ咲く中、驚くようなそして入学式は終わった――。

「はぁ、もう皆に笑われて最悪」
 秋は学校の帰り道、友達の高弘にグチる。
「仕方ねえじゃん。お前が変な質問するんだから」
「変な質問?」
「だってロボットなんだから電気に決まってんじゃん。良く考えなくても分かると思うけど」
「う~ん、それは」
 実はあの時勢いで手を上げていたのだ。
「そんなことより······」
 そう言いながらポケットからスマホをだしゲームをやりだした。
「ちょっとっ! 歩きスマホはダメよ」

「見つからなきゃいいんだよ、皆だって大人だってやってんだから」
 堂々とスマホを見ながら言う高弘。

「人に当たっても知らないから」
 秋がそう言うのも束の間、二人の先にロングヘアーで金髪、グラサンをかけてタバコをくわえている柄の悪い女子高生が歩きスマホをしている。気づいた高弘が避けてまた歩きスマホをすると相手も横に動いて当たってしまう。

「痛っ、すいま」
「いてーなっケンカ売ってんのかっ!」
「す、すいません」
「ちょっと」
 秋も止めに入り、
「なんだっ、てめえは······」

「あんたは、九美······」
「えっ? 本当だ!」

「ふんっ!」
 九美は言葉を交わすことなく行ってしまう。

「なんだよアイツ」
「九美、昔は大人しい子だったのに」
「たしかにな」
 秋は少し寂しい顔をして二人は家に帰って行った――。

 ぶつかったあと歩きスマホしていた九美が学校を通りかかると、

「遠藤 九美さんですね」

「あん、なに?」

「初めまして、ロボット先生です」
 日が沈むくらいの時にロボット先生は学校の校庭をほうきで掃き、
「なんだロボ先か」
「はい、遠藤さんは学校に来てないようですね」
「はんっ、だから?」
「学校に来てください」

「はあ? そんなの嫌に決まってるだろ、ふんっ」

 そう言って学校を後にする。
「それとタバコとサングラスと金髪はダメですよ~、待ってますね~」
 九美は振り向くことなく行ってしまった。

 こうして、三年の生徒達とAiのロボット先生による喜怒哀楽な一年間が始まる······。
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