ロボット先生

ヒムネ

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和解

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「――高弘君とパールさんに今日放課後、残って貰いましたが」

「はい」「ハイ」
 彼女が隣に居ることで胸が張り裂けそうな気持ちの高弘、そんな中で話が始まった。
「パールさん、最近学校は楽しいですか?」

「エッ······」
 パールは言葉に詰まり下を向いて目が泳ぐ。
ロボット先生は話を続ける。

「実は、ここにいる高弘君が14日の午後2時頃、いじめられていたパールさんを目撃していたんです」
「ソウナンデスカ!」
 思いもよらない事に驚く、
「同級生くらいの女子3人ですね」

「ハイ、実ハ――」
 そしてパールは眉にしわを寄せゆっくり目をつぶり、いじめられていることを話し始めた。

 コンビニの帰り暴走族のような服装でサングラスを掛けた3人は彼女が自分達の学校の生徒と気づき目をつけ、
「おいお前」
「えっ」
「バレエが得意で周りにちやほやされてた奴だよなあ。生意気なんだよっ、ねえ」
 突然のことで恐怖するパール、更に相手は肩を押す。近づいてきた相手のサングラスから目が見えると蛇に睨まれたように震え財布からお金を5000円ほど渡してしまったことを打ち明けたのだ。
 すると、心の糸が切れパールが我慢していた気持ちが解き放たれたように涙が零れ落ちていく。

「うっうっ、ロボット先生ワタシ、日本ガスキジャナイデス」と語る。

 黙って聞いていた高弘は目を開けていられない。

「パールさん、勇気を出して話してくれてありがとうございます。次は高弘君の番ですね」
 教室の空気が暗い中ロボット先生は笑顔で言う。

 その笑顔で少し冷静になれた高弘は、

「パールさん、あの時逃げ出して······ごめんなさい。男なのにオレも怖かったんだ、だから素通りしちまって······ちくしょう」

 パールは複雑な気持ちだった。

「パールさん」パールはロボット先生の方を向く。

「高弘君、パールさんがいじめられているのをそのままにしていた事はよくありません」
「はい、すいません」
 彼もまた目を閉じる。
「パールさん、彼があなたに謝った勇気も分かってあげてくれませんか。傷ついたパールさんを素通りしてしまった高弘君も、同時に傷ついてしまったんです」

「······ハイ」
「それとパールさん、そういうことが起きたらすぐ私や他の先生に言ってください。パールさんは大切な生徒なんです」

「ハイ、スイマセン。アト、ウレシイデス」
 落ちてい優しく暖かく包み込むようなロボット先生の言葉にいつの間にか悲しみよりも笑顔になったパールだった。
「ではいじめてきた3人のことを教えてください」
「ハイ――」

 夕方、話が終わり教室の扉を高弘が閉めて、
「パールさん、本当にごめん」

「······知ランプリ悲シカッタケド、正直イッテクレタカラ、ウレシカッタ」

「良かった~、ねえっ、パールさん」
「ハイ」
「LINE交換しない?」
「イイデスヨ」
「ありがとう!」
「ワタシモ、ウレシイ、コレデ二人トモダチデキタ!

「二人目~、最初の人オレ知ってたりして」
 軽く冗談で言うと、

「アッキー!」
「パールっ!」

「マッテクレテ、アリガトウ!」
「うん、気になってさ――んっ、高弘、何やってんの?」

「アッキーって、秋のことかよ~」

「何よっ、パール大丈夫だった?」
「ウンッ、ダイジョウブダヨ!」
「そうっ、じゃあ帰ろっ!」
「yes!」
「ちょっと待てよ~」

 学校の校門まで歩いて、

「じゃあ、ここでお別れね。また明日ね」
「マタアシタネ」「またな」
 そして、3人は帰った――。

 このあと、ロボット先生や大井先生がパールをいじめた3人に話を聞くと、
『ムカついてやった』『お金が欲しかった』等いい加減な答えだったが、お金を返して厳重注意を受けた。
 その中には九美も······。

 この一連のいじめ問題は幕を閉じる。

「いじめはいつの時代も、本当になくなりませんね」
 大井先生が空を見上げながら言う、
「そうですねだからこそ私達が手をさしのべなければ······あ、大井先生」
「はい」

「恋ではありませんでしたね」

 ロボット先生が話すと、、
「そ、そうですね~、私も実は違うかと~、ホホホッ」
 勘違いで顔が赤くなる。

 大井 桜子23才、趣味 恋愛本······。
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