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感謝
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ーー放課後、教室に生徒がいなくなり、
「先生」
「お待たせしました。どうしました?」
「あの~っ、私自分の進路に迷ってて」
「最近元気がなかったのは、そう言うことでしたか」
「えっ」
「1週間前ぐらいですね、人だかりが出来て、秋さんに話せませんでしたからね」
「すいません」
「ははっ、秋さんのせいではないですよ。それで、どんなお仕事ですか?」
「はいっ、看護師、なんですが」
そう答え目線が下に下がる。
「ん、素晴らしいじゃないですか」
「それが、私がおじさんを助けてる時に二人の看護師の人達がカッコ良くてーーでも、あたしになれるのかなって思って······」
「ん~、どうでしょうかね~」
「はい?」
思いもよらぬロボット先生の言葉に、秋は低い声になる。
「無理じゃないですか~?」
ロボット先生は後ろを向いて言ったその言葉に、椅子に座っていた秋は両手で机を叩いて立ち上がり、
「やってみなくちゃ分からないじゃないですかっ!」
「はっはっは」
「何がおかしいんですかっ!」
「自分で言ってるじゃないですか」
「えっーーあっ」
ロボット先生は秋の方を向き、
「いや~、緊張しましたね~」
モニターの顔に汗が写っている。
「······ププッ、何っ、先生緊張すると汗が写るんだ、はははっ」
ついつい面白くて笑ってしまった。
「秋さんらしくなってきましたね。それでいいんですよ」
「先生」
「もちろん、しっかり勉強はしなくてはいけません。でもっ、やってみなくては分からないですよね」
珍しく考えすぎた秋、
「先生ありがとう。あたし、先ばかり見てたような気がします」
「先を見すぎると大変です。ですから、先を見すぎず自分の足で目の前のことを一つ一つ解決していく、千里の道も一歩から、ですよ」
「はい」
「秋さんに笑顔と目標が出来て、先生も嬉しいです」
「先生また何かあったらーー先生に相談します!」
「はい、いつでも良いですよ。ロボットですから」
そして、秋はカバンを持ち挨拶して帰って行った。人は誰しも迷う生き物、だからこそ人に先生にロボットに相談し歩みを進めていくのだ······。
ロボット先生が職員室に戻ると、
「お疲れ様です。どうでしたか秋さんは」
大井先生も少し気にしていた。
「もう大丈夫だと思います。きっと看護師の人達に憧れ過ぎて、不安がよぎってしまったのでしょう」
「はあ~、そうですか~」
「しかし本当に子供達は原石ですね」
ロボット先生にとっても秋との話し合いが、彼女の後ろ姿が宝石のように美しく輝いて見えていた······。
ーー家に帰った秋は決めたことを両親に話す、
「お父さん、お母さん。あたし看護師になるって決めた!」
「そうか~、やっぱりな~、お父さんはそうじゃないかと思ってたよ~」
「大変だと思うけど、お母さん応援するわ」
「ありがとう、あたし頑張る!」
「あ、そうそう秋」
「ん、なに?」
「あなたに電話するように言われてるの、はい」
お母さんは紙を渡し、書いてある番号に電話する。
「······もしもし」
「あ、あなたが秋さん?」
「はい、そうですが」
「温泉で、主人の命を救ってくれてありがとう。とても感謝しています」
「あっ、あの時のっ!」
助けたおじさんの奥さんだった。
「秋さんにはお礼を言っても言いきれないわ」
「いっ、いえ、旦那さんが無事で良かったです!」
家族で温泉に言って、思わぬ出来事が起きたけど、二人の看護師との出会いで見つかった目標。救った人達にも感謝され、起きたことポジティブに捉えてひた走る秋だったーー。
「先生」
「お待たせしました。どうしました?」
「あの~っ、私自分の進路に迷ってて」
「最近元気がなかったのは、そう言うことでしたか」
「えっ」
「1週間前ぐらいですね、人だかりが出来て、秋さんに話せませんでしたからね」
「すいません」
「ははっ、秋さんのせいではないですよ。それで、どんなお仕事ですか?」
「はいっ、看護師、なんですが」
そう答え目線が下に下がる。
「ん、素晴らしいじゃないですか」
「それが、私がおじさんを助けてる時に二人の看護師の人達がカッコ良くてーーでも、あたしになれるのかなって思って······」
「ん~、どうでしょうかね~」
「はい?」
思いもよらぬロボット先生の言葉に、秋は低い声になる。
「無理じゃないですか~?」
ロボット先生は後ろを向いて言ったその言葉に、椅子に座っていた秋は両手で机を叩いて立ち上がり、
「やってみなくちゃ分からないじゃないですかっ!」
「はっはっは」
「何がおかしいんですかっ!」
「自分で言ってるじゃないですか」
「えっーーあっ」
ロボット先生は秋の方を向き、
「いや~、緊張しましたね~」
モニターの顔に汗が写っている。
「······ププッ、何っ、先生緊張すると汗が写るんだ、はははっ」
ついつい面白くて笑ってしまった。
「秋さんらしくなってきましたね。それでいいんですよ」
「先生」
「もちろん、しっかり勉強はしなくてはいけません。でもっ、やってみなくては分からないですよね」
珍しく考えすぎた秋、
「先生ありがとう。あたし、先ばかり見てたような気がします」
「先を見すぎると大変です。ですから、先を見すぎず自分の足で目の前のことを一つ一つ解決していく、千里の道も一歩から、ですよ」
「はい」
「秋さんに笑顔と目標が出来て、先生も嬉しいです」
「先生また何かあったらーー先生に相談します!」
「はい、いつでも良いですよ。ロボットですから」
そして、秋はカバンを持ち挨拶して帰って行った。人は誰しも迷う生き物、だからこそ人に先生にロボットに相談し歩みを進めていくのだ······。
ロボット先生が職員室に戻ると、
「お疲れ様です。どうでしたか秋さんは」
大井先生も少し気にしていた。
「もう大丈夫だと思います。きっと看護師の人達に憧れ過ぎて、不安がよぎってしまったのでしょう」
「はあ~、そうですか~」
「しかし本当に子供達は原石ですね」
ロボット先生にとっても秋との話し合いが、彼女の後ろ姿が宝石のように美しく輝いて見えていた······。
ーー家に帰った秋は決めたことを両親に話す、
「お父さん、お母さん。あたし看護師になるって決めた!」
「そうか~、やっぱりな~、お父さんはそうじゃないかと思ってたよ~」
「大変だと思うけど、お母さん応援するわ」
「ありがとう、あたし頑張る!」
「あ、そうそう秋」
「ん、なに?」
「あなたに電話するように言われてるの、はい」
お母さんは紙を渡し、書いてある番号に電話する。
「······もしもし」
「あ、あなたが秋さん?」
「はい、そうですが」
「温泉で、主人の命を救ってくれてありがとう。とても感謝しています」
「あっ、あの時のっ!」
助けたおじさんの奥さんだった。
「秋さんにはお礼を言っても言いきれないわ」
「いっ、いえ、旦那さんが無事で良かったです!」
家族で温泉に言って、思わぬ出来事が起きたけど、二人の看護師との出会いで見つかった目標。救った人達にも感謝され、起きたことポジティブに捉えてひた走る秋だったーー。
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