ロボット先生

ヒムネ

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友と友

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 7月、梅雨の時期が続き皆傘や送り迎えの学生も見かけるようになり、また夏休みも近づいて活気を感じる生徒達。

「先輩」
「九美!」
 昼休みの時間に九美が秋に声をかけてきた。
 あれから少しずつ学校に通い金髪もやめ、解き放たれたように6月の下旬から普通の時間に高校を通い始めたのだ。

「すごいわね、あっという間に通えちゃうんだもん」  
 そう言うと彼女は照れながら、
「そんなことないよ、先輩とロボット先生のおかげ」
「それと、あたしに勉強してないって言ってたけどしてたし」
「ごめんなさい、あの時はまさかこうなると思ってなかったから、実は勉強好きで」
 不良だった九美は親に内緒で好きな勉強を隠れたしていた。
「へ~、やっぱり~」
 自然に笑顔で和気あいあいと話している二人。
 しかしその二人を複雑な気持ちで見ていたのは、
「アッキー······」パールだった。

 その雰囲気を何となく九美も気付いてるのかパールが話しかけると、
「アッキー、ナニシテマス?」
「パール、今ね九美と······」

「先輩、じゃあ、あたし戻るわ」

「え、うん」という感じで二人はぎくしゃくしていたのだ。
 そこに板挟みのになっている秋はロボット先生に相談する。

「――仕方ないですね。パールさんは1度九美さんから怖い目にあってますからね」
 ハッキリと言うロボット先生。
 確かに普通に考えればいじめてきた相手と仲良くとは簡単にはいかない。九美が変わってもパールにとってはまだ怖い不良のまま。このあともいい案は浮かばず······。

 さらに二人はまるで交代で秋と話すように、パールと話した次の日は九美と、そしてまた次の日はパールというふうな調子で気づけば終業式に······。

 ――終業式が終わったあと秋は、
「ロボット先生~」
「明日から夏休みですね。一学期お疲れ様でした」
「先生あれからさ~、二人の距離が全然縮まらなくて~」
 職員室はエアコンが効いていてリラックスしながら話せる。

「そうですか~、では今月の花火大会に誘ってみてはどうですか?」

「花火大会······う~ん、そうしてみよっかな~、ロボット先生ありがとっ」
 花火大会のにぎやかで楽しい雰囲気なら上手くいくかもしれないと思いすぐ帰った。

「フフッ、無邪気ですね。どの子も」
 いつもアクティブな彼女に頼もしく感じたロボット先生――。
 
 家に着き早速LINEする秋。
「ねぇ、九美7月29日花火大会一緒に行かない?」
 すると、
「いいですよ」
 『よしっ』と思ったあと続きが、
「でもパールさんも誘うならアタシいない方が」
 やっぱりそう来たかとすぐ返す、
「パールは誘わない二人だよ」
「じゃ行きます」
 ということで返信は終わる。
「やっぱりダメか~二人とは~······だったら」
 次に高弘にLINEする事に、
「7月29日花火大会行ける?」
 3分後に返事が来た。
「いいけど」

「じゃあ高弘はパール誘って」
 二人の関係を知っている高弘も止めた方が良い返ってくるが、仲良くしてほしいという気持ちで何とか都合を合わせて花火大会の日を向かえる――。
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