ロボット先生

ヒムネ

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ロボットで先生

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 ――学校の帰り、秋とパールが大井先生のことを話していたら、九美も合流、3人で話す。
「大井先生にも色々あるんじゃないの? 彼氏に振られたとか」
「ソウダネ」
「うん、九美の言う通りね」と、特に深く考えることなく3人は帰った······。

 しかし、1週間、2週間たっても大井先生は元気がなく、他の生徒が話しかけても、
「ごめんね」や、
「別の先生に聞いてみて」など今までの大井先生ではありえない答えばかりで······。
 大井先生の不調、そこで秋達三年生が大変な時期だからと、九美がロボット先生に大井先生のことを訊いてみた。

「ここ2週間位、大井先生の元気がなくて、ロボット先生何か知りませんか?」
「そうですか、分かりませんねえ」
「やっぱりプライベートかな~」
「すいませんね」
「いえっ、じゃあ······」

 学校の帰り、
「秋先輩」
「何かわかった?」
「いえ何も、ロボット先生も知らないみたいで」
「そう~」

「ただ別なことなんたけど、あたしロボット先生ならいつもみたいに何かアドバイスしてくれると思ったんだけど、何も言ってくれなかったな~」
「······そう、確かに珍しいわね」

「あっ、先輩はセンター試験があるんだし、そっちに集中して」

「ありがとう九美」
 なので先輩を心配させないようにと思う九美だった――。

 放課後、

「ロボット先生、本当に良かったんですか······」
「大井先生、もう決まった事ですよ」

「あの子達が悲しみます、それでも良いとおっしゃるんですかっ?」
 黙るロボット先生、


「ロボット先生は、3月の卒業式で処分されてしまうんですよっ!」


 そう言われると、窓から帰っていく生徒達を観て、
「彼らに何も言わないのは、苦しいですが······」
「御自分のことは良いんですか、死ぬのが怖くないんですかっ?」
 大井先生が感情を込めて言うが、
「何故ですか? 私はロボットです。人の為に生まれて――処分が決まれば壊されます。それがロボットです」
 大井先生は椅子に座り、下を向く、

「······確かにロボット先生はロボットです。でも、あなたはロボットであると同時に先生でもあるんですっ!」

「大井先生······」

「ロボット先生が消えたあと、先生を好きな生徒がどういう思いをするか、ちゃんと考えて下さい」

「どういう思いをするか······」
 正論を言っているはずの自分、なのに何故か寂しく冷たいような気がしてならなかった。
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