23 / 35
大切な人はいますか?
しおりを挟む
「はっ、はい」
「九美さんにとって大切な人はいますか?」
「ええっ!」
彼女は恥ずかしくなり顔が赤くなる。
「え、えっと~······迷惑をかけたお母さんとお父さん、あとは秋先輩とかパール先輩、義理で高弘先輩で、不良の······いやいや最近出来た唯安と千里――あとロボット先生とか」
「そうですか」
「こんな感じでいいですか?」
「はい、ありがとう九美さん」
「はっ、はいー」
九美は羞恥心で頭がいっぱいになり職員室からそそくさと小走りで出ると、
「く、九美さん」
「えっ?」振り向くと扉の横にひょっこりと、
「ゆ、唯安どうしたの?」
「九美さんを待ってたの」
「そ、そうなんだ、じゃあ一緒に帰ろうか」
「うん!」二人は学校を後にする――。
帰り道、唯安は何を話せばいいか分からず無言で歩いてたら九美が、
「どうして職員室に?」
「ご、ごめんなさい」
「別に悪いって言ってないし」
「その、九美さんいつも熱心だから――気になって」
その言葉を聞いて『えっ』と感じた。
「······もしかして~、話聞こえてた?」
「うん、私も大切な人の中に入ってて嬉しい」
そのとたん九美は再び顔が真っ赤になってその場を耐えられず、
「もっ、もう知らないっ!」と言って走る。
「まっ、待ってよ~」と追いかける唯安はしばらく走り続けたのだった······。
九美の答えを聞いたロボット先生、仕事をしながらもそのこと考える。
「大切な人······」
その言葉が機械の身体に時折出てきて、
「ふーっ」初めてため息のようなことをして教師は大変なのだと感じた気がした――。
そのあとも、ロボット先生は他の生徒に、
「大変な人はいますか?」の質問を時々するようになる。自らの答えを探すように······。
1月28日、三年生の大変なセンター試験が終わりロボット先生は秋にも質問をしてみる。
「――大切な人ですか!」
「はい、お母さんにお父さん、パールと高弘と九美、それとロボット先生に大井先生かなぁ、あたしにとっては」
彼女は少しも顔を赤くするもしっかりと答えた。
「でも、どうしてですか?」
「それは――気になっただけです」
ロボット先生の笑顔に、
「ふ~ん、そうなんだ、ねぇ先生」
「はい?」
「勝手に居なくなったりしないですよね」
秋はここ最近の勉強ずくしでスパートをかけていたためロボット先生と余り話せずちょっと不安になっていたのだ。
「どうしてですか?」
「ほら、先生ロボットだから、何か特別なのかなって、フと思って」
「そうですか」
「じゃあ、あたし帰ります。さようなら」
「はい、試験お疲れさまでした。さようなら」
彼女が扉を閉じて帰ると大井先生が、
「どうですか?」
「大井先生、あれが女の子の勘ですか?」
「はい、そうですよ」にこやかに答える。
そして、
「もう良いんじゃないですか、生徒に訊くのは」
「······そうですね、訊き過ぎた感じがします」
そう言って席を立ち、向かおうとするという、
「私も行きます」
大井先生も一緒に校長室に行くことに。
「九美さんにとって大切な人はいますか?」
「ええっ!」
彼女は恥ずかしくなり顔が赤くなる。
「え、えっと~······迷惑をかけたお母さんとお父さん、あとは秋先輩とかパール先輩、義理で高弘先輩で、不良の······いやいや最近出来た唯安と千里――あとロボット先生とか」
「そうですか」
「こんな感じでいいですか?」
「はい、ありがとう九美さん」
「はっ、はいー」
九美は羞恥心で頭がいっぱいになり職員室からそそくさと小走りで出ると、
「く、九美さん」
「えっ?」振り向くと扉の横にひょっこりと、
「ゆ、唯安どうしたの?」
「九美さんを待ってたの」
「そ、そうなんだ、じゃあ一緒に帰ろうか」
「うん!」二人は学校を後にする――。
帰り道、唯安は何を話せばいいか分からず無言で歩いてたら九美が、
「どうして職員室に?」
「ご、ごめんなさい」
「別に悪いって言ってないし」
「その、九美さんいつも熱心だから――気になって」
その言葉を聞いて『えっ』と感じた。
「······もしかして~、話聞こえてた?」
「うん、私も大切な人の中に入ってて嬉しい」
そのとたん九美は再び顔が真っ赤になってその場を耐えられず、
「もっ、もう知らないっ!」と言って走る。
「まっ、待ってよ~」と追いかける唯安はしばらく走り続けたのだった······。
九美の答えを聞いたロボット先生、仕事をしながらもそのこと考える。
「大切な人······」
その言葉が機械の身体に時折出てきて、
「ふーっ」初めてため息のようなことをして教師は大変なのだと感じた気がした――。
そのあとも、ロボット先生は他の生徒に、
「大変な人はいますか?」の質問を時々するようになる。自らの答えを探すように······。
1月28日、三年生の大変なセンター試験が終わりロボット先生は秋にも質問をしてみる。
「――大切な人ですか!」
「はい、お母さんにお父さん、パールと高弘と九美、それとロボット先生に大井先生かなぁ、あたしにとっては」
彼女は少しも顔を赤くするもしっかりと答えた。
「でも、どうしてですか?」
「それは――気になっただけです」
ロボット先生の笑顔に、
「ふ~ん、そうなんだ、ねぇ先生」
「はい?」
「勝手に居なくなったりしないですよね」
秋はここ最近の勉強ずくしでスパートをかけていたためロボット先生と余り話せずちょっと不安になっていたのだ。
「どうしてですか?」
「ほら、先生ロボットだから、何か特別なのかなって、フと思って」
「そうですか」
「じゃあ、あたし帰ります。さようなら」
「はい、試験お疲れさまでした。さようなら」
彼女が扉を閉じて帰ると大井先生が、
「どうですか?」
「大井先生、あれが女の子の勘ですか?」
「はい、そうですよ」にこやかに答える。
そして、
「もう良いんじゃないですか、生徒に訊くのは」
「······そうですね、訊き過ぎた感じがします」
そう言って席を立ち、向かおうとするという、
「私も行きます」
大井先生も一緒に校長室に行くことに。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる