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教師とは
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翌朝、昨日の事で元気が無くなる大井先生は何とか頭を切り替え、
「子供達が傷つかない方法······」
悩みながら廊下を歩いたら、
「大井先生、おはようございます」
「おはようございます······ロボット先生」
「大井先生、昨日の事でお話が」
「えっ、まさかもう」
「はい、ではお昼休みに」
大井先生は驚いたが人間のように睡眠を取らなくていいロボット先生は1日休むことなく考えていたのだ――。
「来ましたが、どうするんですか?」
扉を開くなりすぐ問いただす大井先生、
「生徒達に話そうと思います」
「え、しかしそれはダメです!」
「ただし、私が処分されるというのは言わずに」
彼が言うのは、卒業という形で学校から一度戻るということにするようで、
「そう、ですか」
「校長先生に許可を貰いしだい、すぐ生徒達に伝えようと思います」
早速校長室に向かおうとすると大井先生が、
「······やはり私が辞表を出して訴えて」
彼女は辞表をかけてロボット先生の処分反対を訴えようと考えていた。だが彼は大井先生の目を見て、
「そういうことは止めましょう、きつい言い方ですが大井先生のような若い方が辞めても何も変わりません」
「でもやっぱり、これでは」
目を閉じてロボット先生は言う、
「それでもし事が大きくなれば、生徒達の耳に入ったら、どうなると思いますか?」
「え?」
「皆いい子です。私のためにと動いてくれるかもしれません。そうして長引けば、生徒達の大切な時間を奪ってしまい、様々な将来を壊しかねません」
「それは······」
「私は生徒達の為に生まれたロボットです。そして私達は教師、『奪う』のではなく生徒の『未来』を守りましょう」
その通りだと想った。。自分達は未来ある生徒達を導くのが仕事、時にはアドバイスし、時には褒め、時には叱る、そうして少しでもより良い人生を送ってもらうための教師なのだ。大切な『時期』に関わる教師こそが彼等の人生を左右すると言っても過言ではないのだから。
「ではっ」
ロボット先生は扉を開き校長の元に向かう。感動と悲しみが交差し見守ることしか出来ないと思う大井先生だった。
その後、校長から許可を貰ったロボット先生は明日から生徒達に言うことに······。
2月6日、
「ふう~っ」
勉強疲れが出ている秋の元に、
「アッキー、今日モ疲レテルネ」
最近ちょっぴり心配していたパール。
「うん、疲れた~」
家に帰れば食事やお風呂などをすぐ終わらせ気合いを入れて夜中まで勉強したつけが回ったのだ。
扉の開く音とともに皆席に着きロボット先生が教室に入り中央に立って、
「え~っ、授業を始める前に私から皆さんに言わなければならない事があります」
皆なんだなんだという顔で教室がざわつく。
「え~っ、私ことロボット先生は、皆さんと同じくこの学校を卒業します」
再びざわめくと、
「何?」
「卒業?」
「どういうこと?」
生徒達は戸惑う、勿論その中には秋も。
「え~つまりこの学校から、去るということです」
「どうしてですか?」
誰よりも早くロボット先生に質問をする秋の顔は不安げ、でも彼は振り向き、
「私はこの高校に来て、皆さんから人ということを学びました。喜怒哀楽の四文字熟語がありますが、それ以上に様々なことを教えてくれました。なのでAiの私は1度戻ります」
その答えに、
「先生の意思、ってことですか」
「······はい、そうです」
納得したのか下を向き、
「······分かりました」
そう言って無言になったのでいつも通りの授業が始まる。
「子供達が傷つかない方法······」
悩みながら廊下を歩いたら、
「大井先生、おはようございます」
「おはようございます······ロボット先生」
「大井先生、昨日の事でお話が」
「えっ、まさかもう」
「はい、ではお昼休みに」
大井先生は驚いたが人間のように睡眠を取らなくていいロボット先生は1日休むことなく考えていたのだ――。
「来ましたが、どうするんですか?」
扉を開くなりすぐ問いただす大井先生、
「生徒達に話そうと思います」
「え、しかしそれはダメです!」
「ただし、私が処分されるというのは言わずに」
彼が言うのは、卒業という形で学校から一度戻るということにするようで、
「そう、ですか」
「校長先生に許可を貰いしだい、すぐ生徒達に伝えようと思います」
早速校長室に向かおうとすると大井先生が、
「······やはり私が辞表を出して訴えて」
彼女は辞表をかけてロボット先生の処分反対を訴えようと考えていた。だが彼は大井先生の目を見て、
「そういうことは止めましょう、きつい言い方ですが大井先生のような若い方が辞めても何も変わりません」
「でもやっぱり、これでは」
目を閉じてロボット先生は言う、
「それでもし事が大きくなれば、生徒達の耳に入ったら、どうなると思いますか?」
「え?」
「皆いい子です。私のためにと動いてくれるかもしれません。そうして長引けば、生徒達の大切な時間を奪ってしまい、様々な将来を壊しかねません」
「それは······」
「私は生徒達の為に生まれたロボットです。そして私達は教師、『奪う』のではなく生徒の『未来』を守りましょう」
その通りだと想った。。自分達は未来ある生徒達を導くのが仕事、時にはアドバイスし、時には褒め、時には叱る、そうして少しでもより良い人生を送ってもらうための教師なのだ。大切な『時期』に関わる教師こそが彼等の人生を左右すると言っても過言ではないのだから。
「ではっ」
ロボット先生は扉を開き校長の元に向かう。感動と悲しみが交差し見守ることしか出来ないと思う大井先生だった。
その後、校長から許可を貰ったロボット先生は明日から生徒達に言うことに······。
2月6日、
「ふう~っ」
勉強疲れが出ている秋の元に、
「アッキー、今日モ疲レテルネ」
最近ちょっぴり心配していたパール。
「うん、疲れた~」
家に帰れば食事やお風呂などをすぐ終わらせ気合いを入れて夜中まで勉強したつけが回ったのだ。
扉の開く音とともに皆席に着きロボット先生が教室に入り中央に立って、
「え~っ、授業を始める前に私から皆さんに言わなければならない事があります」
皆なんだなんだという顔で教室がざわつく。
「え~っ、私ことロボット先生は、皆さんと同じくこの学校を卒業します」
再びざわめくと、
「何?」
「卒業?」
「どういうこと?」
生徒達は戸惑う、勿論その中には秋も。
「え~つまりこの学校から、去るということです」
「どうしてですか?」
誰よりも早くロボット先生に質問をする秋の顔は不安げ、でも彼は振り向き、
「私はこの高校に来て、皆さんから人ということを学びました。喜怒哀楽の四文字熟語がありますが、それ以上に様々なことを教えてくれました。なのでAiの私は1度戻ります」
その答えに、
「先生の意思、ってことですか」
「······はい、そうです」
納得したのか下を向き、
「······分かりました」
そう言って無言になったのでいつも通りの授業が始まる。
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