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子供のヒーロー
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「どんなご時世だろうとも、悪を栄えさせはしない」
「「マイティ·レディーッ!」」
マイティ·レディ、それは今ネットでやっている子どもたちのヒーローなんです。
女性ですけど。
私の幼稚園ではパソコンを付けると子どもたちはドタバタと集まってきて夢中になって観るんです。
その姿がなんともかわい~いんですよ~。
「ドローンッ」
高いビルからドローンにぶら下がり下降して、
「ガンウィップッ」
ピストルからですね、玉と思いきやムチが飛び出してその先のオートアンカーで捕まえるんです。もちろんムチでも戦いますー、今の時代すごいですね~と驚く次第です。
犯人が「くっそ~」と気づけば事件解決、そして犯罪者に一言、
「あなたは周りに傷ではなく、愛を残すことね」
そう言ってバイクにまたがり、飛行モードで空へと消えていくのです······。
「――はう~」最初はなんだヒーロー物かとナメていましたが、子どもたちと観ているうちに私もハマってしまったんですよ~。
「じゃあみんな、今度はお外で遊びましょうー」
「吉田先生も外でよ」
「でますよ~」
お部屋で番組を観たあとは元気にお外で遊ぶ、小さい子たちはホントに元気いっぱいで先生も負けてられません。ということでお外へゴーです。
わぁーっと外は子どもの黄色い声、遊具で遊ぶ子もいれば走り回る子と無我夢中です。でも先生は、
「せんせえ、アスムくんがあぶないことしてる」
「こらーっ、ジャングルジムで立ってはいけませーんっ」と走り出し、
「うえぇ~ん」と泣く声が聴こえればまた走る。子どもの数だけ問題が起きるのが幼稚園なんです、ですから開始10分くらいでもうクタクタで、
「おつかれさまです、吉田先生」
「はぁはぁ、知恵先生、おつかれさまです~」
ちょっと前に幼稚園に入ってこられました知恵 萌葱先生。
「子どもたち元気すぎですね」
「毎日まいにちホントに、あ、水出しっぱなしイサム君ちゃんと閉めましょう」
仕方ないと蛇口を閉めると、
「スププププッ!」隣の蛇口から水が私の耳に勢いよくかかってしまいました。
「あーっ、吉田先生っ、イサム君だめでしょ~」
「はひ~い~い~、内田先生ありがとうございます~」
男性の内田先生が気づいてくれて素早く蛇口を閉めていただき助かりました。しかしこういうイタズラも日常茶飯事、なので濡れた部分はハンカチで素早く拭いては他の子の面倒みに向かいます。
そうこうして時間も経ち午後2時に差し掛かりました······。
「――さぁみんな~、紙芝居ですよ~」
「「え~っ」」と不満そうな顔、私の幼稚園の子たちはみんな紙芝居があまり好きじゃないようなんです、時代ですかね~。
なのでなので、そう来るだろうと子どもたちに背を向け私は準備していた物があります、それは、
「ちょわっ、正義のヒーローですっ!」
私は赤いマスクに身を包みヒーローに変身したのです······。
な、なんでしょう、し、静かなような······。
「「わははははぁーっ!」」
な、ななんとっ、子どもの笑い声。
「み、みんなっ、な、なんか変ですか?」
「はははっ、先生それヒーローじゃないしっ」
「怪獣だよ」
「タコの怪獣みたい」
タコの怪獣······ガックシッ、ヒーローといえば赤かと思いまして赤マスクを百均で買ったのにそれがタコの怪獣なんて、はぁ~っ、子どもは時に残酷です。
「ははっ······吉田先生」
「あいかわらずですね」
なんか内田先生や知恵先生にも引かれていたような。しかしこうなったら仕方がないので、
「ガオーッ、タコの怪獣だぞー」怪獣として開き直るしかありません。
「「ギャハハハハハーッ」」
「まてーっ」
でもこういうとき必ず、
「うえ~ん、こわいよーっ」
「あーごめんなさいごめんなさい、よしよーし」
怖がる子もいるんです。
「せんせ~、マスクこわいよ~っ」
「あーはいはいマスクですね······はずしましたよ~」
子どもというのは十人十色なので正解はありませんね。まあ、かわいいから許しちゃうんですけど。
あれやこれやと時間を待っているとき、ガチャッ、内田先生と知恵先生が扉になぜか鍵を掛けました。
「「マイティ·レディーッ!」」
マイティ·レディ、それは今ネットでやっている子どもたちのヒーローなんです。
女性ですけど。
私の幼稚園ではパソコンを付けると子どもたちはドタバタと集まってきて夢中になって観るんです。
その姿がなんともかわい~いんですよ~。
「ドローンッ」
高いビルからドローンにぶら下がり下降して、
「ガンウィップッ」
ピストルからですね、玉と思いきやムチが飛び出してその先のオートアンカーで捕まえるんです。もちろんムチでも戦いますー、今の時代すごいですね~と驚く次第です。
犯人が「くっそ~」と気づけば事件解決、そして犯罪者に一言、
「あなたは周りに傷ではなく、愛を残すことね」
そう言ってバイクにまたがり、飛行モードで空へと消えていくのです······。
「――はう~」最初はなんだヒーロー物かとナメていましたが、子どもたちと観ているうちに私もハマってしまったんですよ~。
「じゃあみんな、今度はお外で遊びましょうー」
「吉田先生も外でよ」
「でますよ~」
お部屋で番組を観たあとは元気にお外で遊ぶ、小さい子たちはホントに元気いっぱいで先生も負けてられません。ということでお外へゴーです。
わぁーっと外は子どもの黄色い声、遊具で遊ぶ子もいれば走り回る子と無我夢中です。でも先生は、
「せんせえ、アスムくんがあぶないことしてる」
「こらーっ、ジャングルジムで立ってはいけませーんっ」と走り出し、
「うえぇ~ん」と泣く声が聴こえればまた走る。子どもの数だけ問題が起きるのが幼稚園なんです、ですから開始10分くらいでもうクタクタで、
「おつかれさまです、吉田先生」
「はぁはぁ、知恵先生、おつかれさまです~」
ちょっと前に幼稚園に入ってこられました知恵 萌葱先生。
「子どもたち元気すぎですね」
「毎日まいにちホントに、あ、水出しっぱなしイサム君ちゃんと閉めましょう」
仕方ないと蛇口を閉めると、
「スププププッ!」隣の蛇口から水が私の耳に勢いよくかかってしまいました。
「あーっ、吉田先生っ、イサム君だめでしょ~」
「はひ~い~い~、内田先生ありがとうございます~」
男性の内田先生が気づいてくれて素早く蛇口を閉めていただき助かりました。しかしこういうイタズラも日常茶飯事、なので濡れた部分はハンカチで素早く拭いては他の子の面倒みに向かいます。
そうこうして時間も経ち午後2時に差し掛かりました······。
「――さぁみんな~、紙芝居ですよ~」
「「え~っ」」と不満そうな顔、私の幼稚園の子たちはみんな紙芝居があまり好きじゃないようなんです、時代ですかね~。
なのでなので、そう来るだろうと子どもたちに背を向け私は準備していた物があります、それは、
「ちょわっ、正義のヒーローですっ!」
私は赤いマスクに身を包みヒーローに変身したのです······。
な、なんでしょう、し、静かなような······。
「「わははははぁーっ!」」
な、ななんとっ、子どもの笑い声。
「み、みんなっ、な、なんか変ですか?」
「はははっ、先生それヒーローじゃないしっ」
「怪獣だよ」
「タコの怪獣みたい」
タコの怪獣······ガックシッ、ヒーローといえば赤かと思いまして赤マスクを百均で買ったのにそれがタコの怪獣なんて、はぁ~っ、子どもは時に残酷です。
「ははっ······吉田先生」
「あいかわらずですね」
なんか内田先生や知恵先生にも引かれていたような。しかしこうなったら仕方がないので、
「ガオーッ、タコの怪獣だぞー」怪獣として開き直るしかありません。
「「ギャハハハハハーッ」」
「まてーっ」
でもこういうとき必ず、
「うえ~ん、こわいよーっ」
「あーごめんなさいごめんなさい、よしよーし」
怖がる子もいるんです。
「せんせ~、マスクこわいよ~っ」
「あーはいはいマスクですね······はずしましたよ~」
子どもというのは十人十色なので正解はありませんね。まあ、かわいいから許しちゃうんですけど。
あれやこれやと時間を待っているとき、ガチャッ、内田先生と知恵先生が扉になぜか鍵を掛けました。
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