62 / 63
お願いします
しおりを挟む
「――う~ん」
目が覚め、起き上がる。
「おはよう」
「生月先生、何時もすいません」
「いいわ、私の仕事だし、それよりも調子はどうなの?」
「はい、大丈夫······あのっ、お腹の子は」
「大丈夫、なんだけど」
「何ですか?」
「あなたがここに運ばれて来た時に診たんどけど、お腹の子、何か疲れてる感じだったわ」
「え!」
「だから、これ以上の無理はその子にも影響あるんだから気を付けて」
「はいー······」
そうよね、心域の時に何度も助けてくれたのがこの子だとしたら。
「あ、あと徹は?」
「徹君は仕事、あと目が覚めたら――」
社長室に向かう。
「失礼します」
「目が覚めたか」
「はい、ああ、徹~」
どうやら徹も呼ばれたみたい。
「良かった、目覚めたんだね未来」
「徹も大丈夫みたいね」
「うん」
「フフッ」
二人で話し合ってたら、
「コホンッ!」
私達は気付き、すぐ姿勢を正す。
「では昨夜の事を話してくれ」
「はい――」
私が経験した中で一番大変で不思議な一日だったの、その全てをを話す······。
「――以上です」
「相変わらずの信じ難い出来事だ。二匹の気候獣は男と女、突如として発生した台風による気候獣の正体はその赤ん坊」
「はい」
「それと気絶したお前さんを救ったのは、もう一人の私と小さな子供――分からない事だらけだなぁーご苦労。お腹の子は大丈夫か?」
「え? はい、さっき診て貰ってこの子も疲れたみたいです」
「そうか」
「あのーっ」
「······なんだ?」
ここは言うチャンスと目を光らせて、
「あの、私と徹の婚約を認めて頂けないでしょうか~、お願いします!」
頭を下げたその横で笑顔の徹に、
「ちょっと徹も下げなさいよ、ホラッ」
「え、うん、お願いします」
「お前もしつこい奴だ······そんなに徹が好きか?」
「はい、せ、世界で一番愛してます!」
「み、未来」
これでダメだったらもう······だって、もう十一月だから台風は来ないし、いや来ない方がいいんだけど······でも、もう私に他に取り柄ないし、赤ちゃんだって生まれるし······。
様々な事を考えて頭にちらほら、
「フッ······わかった、認めよう」
「え······ほん、とう······ですか?」
「ああ、本当さっ」
「やったね、未来」
「うっうっ······うわぁーん!」
感極まり膝を崩し泣いたの。
辛くない日はなかった。いつもいつも不安で怖くて、でもやらなければ何も変わらないと思って。
毎日自分をポジティブにと言い聞かせ、だから今は、本当に頑張ってきて良かったと想った······。
「ホラ、未来、まだ終わってないよ。立って」
「ぐすっ、うん」
「······それと、未来」
「はいっ、ぐすっ」
「本日を持ってテストパイロットは、終了だ」
「ええっ、ぐすっ――」
突然、私の仕事も終了したの――。
目が覚め、起き上がる。
「おはよう」
「生月先生、何時もすいません」
「いいわ、私の仕事だし、それよりも調子はどうなの?」
「はい、大丈夫······あのっ、お腹の子は」
「大丈夫、なんだけど」
「何ですか?」
「あなたがここに運ばれて来た時に診たんどけど、お腹の子、何か疲れてる感じだったわ」
「え!」
「だから、これ以上の無理はその子にも影響あるんだから気を付けて」
「はいー······」
そうよね、心域の時に何度も助けてくれたのがこの子だとしたら。
「あ、あと徹は?」
「徹君は仕事、あと目が覚めたら――」
社長室に向かう。
「失礼します」
「目が覚めたか」
「はい、ああ、徹~」
どうやら徹も呼ばれたみたい。
「良かった、目覚めたんだね未来」
「徹も大丈夫みたいね」
「うん」
「フフッ」
二人で話し合ってたら、
「コホンッ!」
私達は気付き、すぐ姿勢を正す。
「では昨夜の事を話してくれ」
「はい――」
私が経験した中で一番大変で不思議な一日だったの、その全てをを話す······。
「――以上です」
「相変わらずの信じ難い出来事だ。二匹の気候獣は男と女、突如として発生した台風による気候獣の正体はその赤ん坊」
「はい」
「それと気絶したお前さんを救ったのは、もう一人の私と小さな子供――分からない事だらけだなぁーご苦労。お腹の子は大丈夫か?」
「え? はい、さっき診て貰ってこの子も疲れたみたいです」
「そうか」
「あのーっ」
「······なんだ?」
ここは言うチャンスと目を光らせて、
「あの、私と徹の婚約を認めて頂けないでしょうか~、お願いします!」
頭を下げたその横で笑顔の徹に、
「ちょっと徹も下げなさいよ、ホラッ」
「え、うん、お願いします」
「お前もしつこい奴だ······そんなに徹が好きか?」
「はい、せ、世界で一番愛してます!」
「み、未来」
これでダメだったらもう······だって、もう十一月だから台風は来ないし、いや来ない方がいいんだけど······でも、もう私に他に取り柄ないし、赤ちゃんだって生まれるし······。
様々な事を考えて頭にちらほら、
「フッ······わかった、認めよう」
「え······ほん、とう······ですか?」
「ああ、本当さっ」
「やったね、未来」
「うっうっ······うわぁーん!」
感極まり膝を崩し泣いたの。
辛くない日はなかった。いつもいつも不安で怖くて、でもやらなければ何も変わらないと思って。
毎日自分をポジティブにと言い聞かせ、だから今は、本当に頑張ってきて良かったと想った······。
「ホラ、未来、まだ終わってないよ。立って」
「ぐすっ、うん」
「······それと、未来」
「はいっ、ぐすっ」
「本日を持ってテストパイロットは、終了だ」
「ええっ、ぐすっ――」
突然、私の仕事も終了したの――。
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
エリート警察官の溺愛は甘く切ない
日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。
両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる