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ふたたびの猫メイド☆
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「――いろんなケーキあるなあ、ね、秋夜」
「ん、ああ」
「どれが好き?」
「え、そうだな~……モンブランかな」
「フーン、メジャーじゃないやつか、あたしは~やっぱりチョコかな」
「楽しそうなカップルね、ふぁ~あ~あ……眠む」
「――いると思うけど、あ、お姉ちゃん!」
私たちはメモワールに入りました。すると眠そうな黄華さんと、やはり先ほどすれ違ったカップルっぽい人達がガラス越しのケーキを品定めしていました。
「う~ん、でもコレも食べてないし~」
「千暖、あっち」
大きい男の子が彼女に気づくようにこちらを指さしたので私たちも近づきました。
「あっ、あなた、さっきすれ違った人!」
「やっぱりっ、そうだったんですね~!」
お互いにどうしてか飛び跳ねるように嬉しくなりした……。
「あたしは玄武高校の保村千暖」
「オレも玄武高の水月秋夜です」
「それであたしたち、その、カップルなんです」
「ウフフッ、そんな感じがしてましたよ」
「えっ、そ、そうかな、なんかそう言われると恥ずかしい」
「私は、朱雀高校の後光一花です、よろしくお願いします千暖さん」
「はい、よろしくね後光……いえ、一花さん」
何だか千暖さんはとても良い人に感じました。それと眼鏡も丸くてやっぱり勉強が出来る人なんでしょうか。
そのあと茉莉さんと目がキラキラさせていた大桃さんが自己紹介をして、私はアノ話を聞いてみました。
「あの、それで、茉莉さんから聞いたんですけど、私に用があると……」
「はっ、はいっ、実は一昨日にネットで話題になってて『メモワールの可愛いキャット』って題で、それで一目見ようとこの街に来たんです」
「やっぱりネットですか」
「……でも、もう、やってないん、ですよね?」
「は、はい~、残念ながら」
さらにアレは一日限定みたいなものと伝えると大きなため息をついてガッカリ表情の千暖さんでした。
「そんな~、着てあげたら後光さん」
「え、茉莉さん~」
「そうですよ先輩、猫メイドの先輩を私も見たいです!」
「ええ、大桃さ~ん」
「お願いっ、一花さん、このとおり」
「「お願い!」」
もうこれ以上は断れる気がしなくなってきました……私はみんなの気持ちに負けてしぶしぶ茉莉さんの部屋で着替えることになりました、トホホ。
「――そんなわけで、後光さん改めっ、うちのメモワールの猫メイドの登場です」
進行する茉莉さんの言葉の後、部屋から出ると注目するみんなの視線に流石に恥ずかしく顔が赤くなりました。
「い、いらっしゃいませニャン」
「うわぁぁっ、メモワール・キャットだ、カワイイッ!」
恥ずかしがる私に茉莉さんは小声で指示が聞こえました。
「ホラッ、恥ずかしがってないで、ニャンって、ホラッ」
「きょっ、今日はお越しいただいてありがとニャン」
あ~ん恥ずかしいと心の中で叫んでいましたが、もちろん楽しんでる人達には心の叫びは聞こえません。私はこのあとも茉莉さんや千暖さんの言われるがままにニャンニャン言ってた気がします……。
「――あたしと秋夜は、中学からの付き合いなの」
「ま~っ!」
一段落して私はせっかく出会えた千暖さんと二人だけでお散歩させてもらいました。
「いいな~、ラブラブじゃないですか~」
「ラッ、ラブラブ……だった、というか」
「顔が真っ赤ですよ千暖さん」
「まっ、まあ喧嘩もちょっとあったけど高校に入っても……ラッ、ラブラブ? だった、か、かな」
上手く言葉が言えていない千暖さんを見て、とてもキュートな可愛いお人形さんのように見えます。
「でも実は……あたしから一度彼と別れたんだ」
「え……どうしてか、聞いていいですか?」
その後の千暖さんが眼鏡の奥に悲しい顔をしているのが分かりました。原因は、地球が亡くなるというのを自覚したときたと言います。この話の時に私は羽嵐先生の事を思い出していました。やはり、地球が亡くなるというのは人には欠かせないものだと、再確認したのです。
「……地球が亡くなるって、辛くて」
「でも、彼氏さんに救われたんでしょ?」
「あっ……あっ、なっ、何かさっ、付き合う時の頃を思い出したって言っててさ」
「へ~」
「あっ、あたしに……そのっ、こくっ、告っ、告白してくれたの」
「えぇぇっ、別れた彼氏から逆に告白、嬉しいじゃないですか~っ!!」
「う、うん……すごい、嬉しかった」
「それで、立ち直ったんですね」
「そう、なんだ……今のあたしがあるのは、秋夜の、彼のおかげなの」
「そうですね、彼のおかげでこうして私たちが会えたんですから、感謝です」
「……うんっ、次は一花さんのこと聞かせてよ!」
誰しもが一人で戦えるわけではありません。なのに私たちは何故か一人で抱え込んでしまうのはどうしてでしょう。でも、だからこそ、きっと千暖さんのように支えてくれる彼氏が助けてくれるのかもしれませんね。それが、ちょっと羨ましいです……。
「――今日はありがとう一花さん、無理言ってごめんね」
「猫メイドは~……ちょっと大変でしたが、千暖さんに会えてたから良かったです」
「あたしも、一花さんのような……何ていうのかな、華麗で可愛い人に会えてよかった!」
「まあ、褒めても何も出ませんよ」
「そっ、そんなつもりじゃないから」
「わかってます」
「じゃあね、一花さん」
「はい、また今度、ですね千暖さん」
「うん!」
――残りは21日、なんて楽しい毎日なんだろう。今は、そう思います……。
「ん、ああ」
「どれが好き?」
「え、そうだな~……モンブランかな」
「フーン、メジャーじゃないやつか、あたしは~やっぱりチョコかな」
「楽しそうなカップルね、ふぁ~あ~あ……眠む」
「――いると思うけど、あ、お姉ちゃん!」
私たちはメモワールに入りました。すると眠そうな黄華さんと、やはり先ほどすれ違ったカップルっぽい人達がガラス越しのケーキを品定めしていました。
「う~ん、でもコレも食べてないし~」
「千暖、あっち」
大きい男の子が彼女に気づくようにこちらを指さしたので私たちも近づきました。
「あっ、あなた、さっきすれ違った人!」
「やっぱりっ、そうだったんですね~!」
お互いにどうしてか飛び跳ねるように嬉しくなりした……。
「あたしは玄武高校の保村千暖」
「オレも玄武高の水月秋夜です」
「それであたしたち、その、カップルなんです」
「ウフフッ、そんな感じがしてましたよ」
「えっ、そ、そうかな、なんかそう言われると恥ずかしい」
「私は、朱雀高校の後光一花です、よろしくお願いします千暖さん」
「はい、よろしくね後光……いえ、一花さん」
何だか千暖さんはとても良い人に感じました。それと眼鏡も丸くてやっぱり勉強が出来る人なんでしょうか。
そのあと茉莉さんと目がキラキラさせていた大桃さんが自己紹介をして、私はアノ話を聞いてみました。
「あの、それで、茉莉さんから聞いたんですけど、私に用があると……」
「はっ、はいっ、実は一昨日にネットで話題になってて『メモワールの可愛いキャット』って題で、それで一目見ようとこの街に来たんです」
「やっぱりネットですか」
「……でも、もう、やってないん、ですよね?」
「は、はい~、残念ながら」
さらにアレは一日限定みたいなものと伝えると大きなため息をついてガッカリ表情の千暖さんでした。
「そんな~、着てあげたら後光さん」
「え、茉莉さん~」
「そうですよ先輩、猫メイドの先輩を私も見たいです!」
「ええ、大桃さ~ん」
「お願いっ、一花さん、このとおり」
「「お願い!」」
もうこれ以上は断れる気がしなくなってきました……私はみんなの気持ちに負けてしぶしぶ茉莉さんの部屋で着替えることになりました、トホホ。
「――そんなわけで、後光さん改めっ、うちのメモワールの猫メイドの登場です」
進行する茉莉さんの言葉の後、部屋から出ると注目するみんなの視線に流石に恥ずかしく顔が赤くなりました。
「い、いらっしゃいませニャン」
「うわぁぁっ、メモワール・キャットだ、カワイイッ!」
恥ずかしがる私に茉莉さんは小声で指示が聞こえました。
「ホラッ、恥ずかしがってないで、ニャンって、ホラッ」
「きょっ、今日はお越しいただいてありがとニャン」
あ~ん恥ずかしいと心の中で叫んでいましたが、もちろん楽しんでる人達には心の叫びは聞こえません。私はこのあとも茉莉さんや千暖さんの言われるがままにニャンニャン言ってた気がします……。
「――あたしと秋夜は、中学からの付き合いなの」
「ま~っ!」
一段落して私はせっかく出会えた千暖さんと二人だけでお散歩させてもらいました。
「いいな~、ラブラブじゃないですか~」
「ラッ、ラブラブ……だった、というか」
「顔が真っ赤ですよ千暖さん」
「まっ、まあ喧嘩もちょっとあったけど高校に入っても……ラッ、ラブラブ? だった、か、かな」
上手く言葉が言えていない千暖さんを見て、とてもキュートな可愛いお人形さんのように見えます。
「でも実は……あたしから一度彼と別れたんだ」
「え……どうしてか、聞いていいですか?」
その後の千暖さんが眼鏡の奥に悲しい顔をしているのが分かりました。原因は、地球が亡くなるというのを自覚したときたと言います。この話の時に私は羽嵐先生の事を思い出していました。やはり、地球が亡くなるというのは人には欠かせないものだと、再確認したのです。
「……地球が亡くなるって、辛くて」
「でも、彼氏さんに救われたんでしょ?」
「あっ……あっ、なっ、何かさっ、付き合う時の頃を思い出したって言っててさ」
「へ~」
「あっ、あたしに……そのっ、こくっ、告っ、告白してくれたの」
「えぇぇっ、別れた彼氏から逆に告白、嬉しいじゃないですか~っ!!」
「う、うん……すごい、嬉しかった」
「それで、立ち直ったんですね」
「そう、なんだ……今のあたしがあるのは、秋夜の、彼のおかげなの」
「そうですね、彼のおかげでこうして私たちが会えたんですから、感謝です」
「……うんっ、次は一花さんのこと聞かせてよ!」
誰しもが一人で戦えるわけではありません。なのに私たちは何故か一人で抱え込んでしまうのはどうしてでしょう。でも、だからこそ、きっと千暖さんのように支えてくれる彼氏が助けてくれるのかもしれませんね。それが、ちょっと羨ましいです……。
「――今日はありがとう一花さん、無理言ってごめんね」
「猫メイドは~……ちょっと大変でしたが、千暖さんに会えてたから良かったです」
「あたしも、一花さんのような……何ていうのかな、華麗で可愛い人に会えてよかった!」
「まあ、褒めても何も出ませんよ」
「そっ、そんなつもりじゃないから」
「わかってます」
「じゃあね、一花さん」
「はい、また今度、ですね千暖さん」
「うん!」
――残りは21日、なんて楽しい毎日なんだろう。今は、そう思います……。
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