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うっかりやさん
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じ~っ。
「やはりしばらく読まない本の上には埃がたまってますね~、ふぅ~……ゴホッゴホッ」
「一花~、息吹きかければ埃が舞うに決まってるだろ」
お父さんに注意された私、今日は家族で自宅のお掃除をすることにしました。たまにはの親孝行も良いことだと思って私も手伝うことにしたのです。
早速始めるも、家の中を見ていくとどこから手を付けていいか分からず、まずはお父さんの言われるとおりに高い所からやり始めました。
「どうして上からなの?」
「下からやってしまうと机や棚を掃除したときに地面に落ちちゃうだろ。だからさ」
なるほどと私は毛羽焚きで埃を払っていきました。お父さんはなにやら窓を何かの道具で拭いています。
「お父さん……それは?」
「ん? ああ、これは窓拭き用の道具スクイジーだ」
「窓拭き用?」
「じゃあ一花にやり方を見せるか」
「うん」
やり方は、まず水に着けて絞った雑巾で拭いた後、窓に残る濡れ残った水分をスクイジーという物でキュキュキュキュッと拭いていくと、水滴が一滴も残らず窓が透き通るように綺麗になりました。
「へ~、お父さんこんなこと出来たのね」
「月1くらいでやってたぞぉ~、一花が見てないだけ~」
目を上にむけて思い出すとたしかにお父さんがお掃除してる時とかはお母さんと買い物、勉強してたりするし、そんな時にやっててもちゃんと目を通してなかったなあ。
「フフッ、その顔」
「なに?」
「一花を見てるとホントッ、学生だったお母さんとそっくりだ」
「へっ? わたしはお母さんみたいに常に元気っ、じゃないと思うけど」
お母さんを見てみるとルンルンル~ンって歌いながら物を分別していました。どう見ても、私はあんな感じじゃありません。
「今は元気なお母さんだけど、学生の頃は一花とおん~なじで、どこか抜けてる感じだったんだぞ」
「わたしと同じ、どこか抜けてる……ってお父さん酷い、今わたしの悪口言った」
「だってホントなんだもーん」
「わたし、どこも抜けてない……と思う」
「2人とも、ちゃんとやって~、じゃないとお米半分よーっ」
「「はーいっ」」
お母さんにご飯を少なくされるのは困るから、またお掃除を開始です。でもこの時にちょっと私の中で似ているという昔のお母さんについてお父さんに聞いてみたくなりました……。
「――お父さん」
「ん、一花から話しかけるのもめずらしいな、どうした?」
お昼を食べ終わりお母さんは30分くらいの昼寝をしている間にスマホを見ていたお父さんに話しかけました。
「あの、実は昔のお母さんについて知りたいの、教えて」
「ああ、その話か、いいよ」
これは21年前の、まだ地球が亡くなるという政府からのメッセージのなかったお話し。
大学生の二人が同じ授業を受けて終わった時のこと。一人の生徒が帰り際にボールペンを落としてしまいました。それを拾ったのが私の父の後光倉仁でした。
「灯田さんっ、これっ、落としましたよ」
「あら~、後光さん」
その女性は私の母で旧姓の灯田美代。彼女は笑顔で挨拶していつもありがとうと、倉仁さんの事を知っていました。
「ボールペンですか、この前はたしか、授業の時間を間違えてましたよね」
「そうでした。お恥ずかしい~」
倉仁さんは、いつも何かボーッとしいるような美代さんと出会っては心配しているうちに自然と彼女の顔が頭の中で浮んでくる様になっていったのです。そんな日々が続いた時に、また美代さんは今度はスマホをどこに置いたか忘れてしまいました。
「どっ、どうしよう~……」
「どうしました、今度もなにか忘れ物ですか?」
「はい、実はスマートフォンを……」
事象を説明するとしょうがないなと倉仁さんは美代さんが辿った道を聞いて一緒に探すことにしました。
「――こちらですか?」
「あっ、そうですありがとうございますっ!」
「お客様の忘れ物と思い預かっておりました」
美代さんが通うカフェにスマートフォンがありました。ホッと安心した美代さんはそのあと倉仁さんに感謝しました。
その後も美代さんのうっかりがたまにあると倉仁さんに頼り、いつの間にか彼女は惚れていきお付き合いすることになったのです……。
「――へ~っ、お母さんってそんなうっかりさんだったんだ」
「うん、買い物してカゴ忘れるとか、お会計忘れるとか、財布とか」
「なっ、なんか別の意味で心配になっちゃうな~」
「そんなお母さんを見てられなくて、お父さんがお母さんとお付き合いすることにしたんだ」
「お父さんから…告白、したの?」
「まっ、まあね、その頃はうっかりお母さんで可哀想と思ってね、はははっ」
お母さんはうっかりさんでお父さんが選んでくれたから今の私が居る。めでたしめでたし……って思えなくて、いつも元気なお母さんは一歩引いてるようなお父さんに告白されて嬉しかったのかな。私はなんかもっと話を聞きたくなってしまって、そう思ってるとお母さんが起きました。
「う~ん、ふぁ~あ~、そうだお父さん、牛乳とホットケーキ・ミックス買ってきてくれない」
「はーい」
「あ~、きっちょうな睡眠時間~……ん、どうしたの一花?」
「あのね……」
私はお母さんからも聞くことにしたのです……。
「やはりしばらく読まない本の上には埃がたまってますね~、ふぅ~……ゴホッゴホッ」
「一花~、息吹きかければ埃が舞うに決まってるだろ」
お父さんに注意された私、今日は家族で自宅のお掃除をすることにしました。たまにはの親孝行も良いことだと思って私も手伝うことにしたのです。
早速始めるも、家の中を見ていくとどこから手を付けていいか分からず、まずはお父さんの言われるとおりに高い所からやり始めました。
「どうして上からなの?」
「下からやってしまうと机や棚を掃除したときに地面に落ちちゃうだろ。だからさ」
なるほどと私は毛羽焚きで埃を払っていきました。お父さんはなにやら窓を何かの道具で拭いています。
「お父さん……それは?」
「ん? ああ、これは窓拭き用の道具スクイジーだ」
「窓拭き用?」
「じゃあ一花にやり方を見せるか」
「うん」
やり方は、まず水に着けて絞った雑巾で拭いた後、窓に残る濡れ残った水分をスクイジーという物でキュキュキュキュッと拭いていくと、水滴が一滴も残らず窓が透き通るように綺麗になりました。
「へ~、お父さんこんなこと出来たのね」
「月1くらいでやってたぞぉ~、一花が見てないだけ~」
目を上にむけて思い出すとたしかにお父さんがお掃除してる時とかはお母さんと買い物、勉強してたりするし、そんな時にやっててもちゃんと目を通してなかったなあ。
「フフッ、その顔」
「なに?」
「一花を見てるとホントッ、学生だったお母さんとそっくりだ」
「へっ? わたしはお母さんみたいに常に元気っ、じゃないと思うけど」
お母さんを見てみるとルンルンル~ンって歌いながら物を分別していました。どう見ても、私はあんな感じじゃありません。
「今は元気なお母さんだけど、学生の頃は一花とおん~なじで、どこか抜けてる感じだったんだぞ」
「わたしと同じ、どこか抜けてる……ってお父さん酷い、今わたしの悪口言った」
「だってホントなんだもーん」
「わたし、どこも抜けてない……と思う」
「2人とも、ちゃんとやって~、じゃないとお米半分よーっ」
「「はーいっ」」
お母さんにご飯を少なくされるのは困るから、またお掃除を開始です。でもこの時にちょっと私の中で似ているという昔のお母さんについてお父さんに聞いてみたくなりました……。
「――お父さん」
「ん、一花から話しかけるのもめずらしいな、どうした?」
お昼を食べ終わりお母さんは30分くらいの昼寝をしている間にスマホを見ていたお父さんに話しかけました。
「あの、実は昔のお母さんについて知りたいの、教えて」
「ああ、その話か、いいよ」
これは21年前の、まだ地球が亡くなるという政府からのメッセージのなかったお話し。
大学生の二人が同じ授業を受けて終わった時のこと。一人の生徒が帰り際にボールペンを落としてしまいました。それを拾ったのが私の父の後光倉仁でした。
「灯田さんっ、これっ、落としましたよ」
「あら~、後光さん」
その女性は私の母で旧姓の灯田美代。彼女は笑顔で挨拶していつもありがとうと、倉仁さんの事を知っていました。
「ボールペンですか、この前はたしか、授業の時間を間違えてましたよね」
「そうでした。お恥ずかしい~」
倉仁さんは、いつも何かボーッとしいるような美代さんと出会っては心配しているうちに自然と彼女の顔が頭の中で浮んでくる様になっていったのです。そんな日々が続いた時に、また美代さんは今度はスマホをどこに置いたか忘れてしまいました。
「どっ、どうしよう~……」
「どうしました、今度もなにか忘れ物ですか?」
「はい、実はスマートフォンを……」
事象を説明するとしょうがないなと倉仁さんは美代さんが辿った道を聞いて一緒に探すことにしました。
「――こちらですか?」
「あっ、そうですありがとうございますっ!」
「お客様の忘れ物と思い預かっておりました」
美代さんが通うカフェにスマートフォンがありました。ホッと安心した美代さんはそのあと倉仁さんに感謝しました。
その後も美代さんのうっかりがたまにあると倉仁さんに頼り、いつの間にか彼女は惚れていきお付き合いすることになったのです……。
「――へ~っ、お母さんってそんなうっかりさんだったんだ」
「うん、買い物してカゴ忘れるとか、お会計忘れるとか、財布とか」
「なっ、なんか別の意味で心配になっちゃうな~」
「そんなお母さんを見てられなくて、お父さんがお母さんとお付き合いすることにしたんだ」
「お父さんから…告白、したの?」
「まっ、まあね、その頃はうっかりお母さんで可哀想と思ってね、はははっ」
お母さんはうっかりさんでお父さんが選んでくれたから今の私が居る。めでたしめでたし……って思えなくて、いつも元気なお母さんは一歩引いてるようなお父さんに告白されて嬉しかったのかな。私はなんかもっと話を聞きたくなってしまって、そう思ってるとお母さんが起きました。
「う~ん、ふぁ~あ~、そうだお父さん、牛乳とホットケーキ・ミックス買ってきてくれない」
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