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湖
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「――はい後光ちゃん、ショートケーキ、食べて」
「ありがとうございます、アムッ」
午後の少し遅れての昼食にショートケーキというなんと贅沢な日。しかもたくさんの人が来て大変だったから、休憩のショーケーキがたまらなく美味しい。
「どう? うちのお姉ちゃんのケーキは」
「柔らかくて甘すぎずとても美味しいですよ」
「よかったわ」
「はぁ~、しかしあんなにお客さんが来るとはね~」
「はい、私も驚きました」
黄華さんが助けにドアを開けば部屋いっぱいにお客さんが入って猫メイドはいいからと急いでレジのお手伝いをすることになったのでした。おかげでチョコレートケーキは完売、他の商品も半分は無くなるという異常事態と黄華さんは言ってました。
「お姉ちゃん後光さんには午後も出てもらうの」
「そうね、今日はすごい売り上げだから逃したくないし。あたしは調理場でケーキ作るからレジは茉莉、お願い」
「えっ、あたしがレジやるの!?」
「わかりました」
食べ終わればまた猫メイドになって外に出て売り込みをしなくてはいけません。茉莉さんに大丈夫と心配されましたが楽しいので平気と答えました。
「メモワールのお店のケーキいかがですか~……あっ、ニャン♡」
気を抜くと猫語を忘れてしまいます。集中して猫メイドにならなくてはなりません。少し外に出ると再び人が賑わってきました。
「みなさんちゃんと並んでくださいニャン」
人が多くなればちゃんと道路の邪魔にならないように並んでもらわなければなりません。私は猫メイド姿で呼びかけていました。すると一人のおばあちゃんが悩んでいるのを見つけました。
「どうしましたニャン」
「ああ、可愛いメイドさん、この行列はなに?」
「これはメモワールのお店のお客様です」
「あら、こんなに人気なのねメモワール」
「はいニャン♡」
眉尻を下げてその場で止まって何だか並びたそうなおばあちゃん。そこで閃いた私はおばあちゃんにそこで少し待ってもらうことにしてお店の中へ戻りました。
中に戻るとレジ対応で茉莉さんに呼びかける暇もありません。仕方ないと私は調理場に入りました。そのには真剣な眼差しでケーキを作る職人の黄華さんの姿がありました。
「黄華さん、お願いがあります!」
「えっ、なに?」
「試食分のケーキをください――」
私はどうしても、迷っているおばあちゃんにケーキを食べてほしく試食を提案しました。すると黄華さんが笑顔で許しをもらえたので試食分のケーキを切って箱に入れて外へ出ました。
「おばあちゃん、はい、試食のケーキ食べてみますかニャン?」
「えっ、良いのかい?」
「はい」
ホークで刺したケーキを食べたおばあちゃんは頬が上がり満面の笑顔で美味しいと言って、その後に列並んでくれました……。
このあとも行列は夕方まで続いて6時前にはとうとう材料が尽きてお店を閉じることになりました。
「――今日はありがとうっ、後光さんっ!」
「いえいえ」
「やっぱりあたしの眼に狂いはなかったわっ」
「茉莉さんや黄華さんが頑張ったからですよ」
「そんなことないわよ後光ちゃん、あたしからもお礼言わせてもらうわ、ありがとう!」
そう言って給料を手渡してくれた黄華さん。ラーメン屋さんといい二日続けての給料を貰って何だか達成感があります。
「じゃあ、私はこれで、ホントにありがとうございま……」
「ちょっと待って後光さん!」
まだ用があるのか茉莉さんが私を止めて黄華さんを見ました。
「お姉ちゃん後光さんを連れて行ってみない」
「別にいいけど」
「やったーっ!」
「後光ちゃん、悪いけどもう少しこの子に付き合ってくれる?」
「はい、良いですよ」
私は黄華さんが出した車に乗って15分くらいでしょうか、着いた場所には木々に囲まれた大きな湖のある場所でした。
「見てみてっ、後光さんっ」
「キレイ……このオレンジの灯りは」
車を降りて歩いた先に行くと、木と木の間には線で繋がれた提灯がぶら下がっていてオレンジの灯りが湖を囲んでいました。その灯りは今は陽の光も沈んでいるため神秘的に光っていて気持ちの良い湖。
「後光さん……」
「はい」
「今日一日、あたしのわがままに付き合ってくれてありがとう」
「茉莉さん」
「あたしさ、高校入った時くらいからカメラを撮り始めたの。いろいろな景色が……ほら、地球が無くなっちゃうじゃない。それがもったいない気がして、だから、なんか写真を撮ってみたくなって……」
「なんか、わかる気がします。私も色々周ってみて、こうやって茉莉さんや黄華さんに出会って、こう……地球が無くなっても思い残すことがないようにって、今は頑張ってる気がしますから」
「地球が無くなる……か……それって本当なのかな。意外と、なーんも起きなくて生きていたりしてね、あたしたち」
「ふふっ、そうですね」
「そしたら、また手伝ってよ、お姉ちゃんのお店」
「はい、喜んで」
「ありがとう、ニャン」
「こちらこそ、ありがとうニャン♡」
「いい顔」
パシャッ。
私たちは顔を見合わせて笑顔で笑いました。たしかに地球が無くなるのは哀しい、でも私は先のことよりも今をこうして茉莉さんと出会って笑っていることが何よりも楽しく感じていました。
茉莉さん黄華さん、私と出会ってくれて二人ともありがとう……。残りは23日。
――とある家に聞こえる鳴き声。
「うっうっ……もう終わりよ……」
「ありがとうございます、アムッ」
午後の少し遅れての昼食にショートケーキというなんと贅沢な日。しかもたくさんの人が来て大変だったから、休憩のショーケーキがたまらなく美味しい。
「どう? うちのお姉ちゃんのケーキは」
「柔らかくて甘すぎずとても美味しいですよ」
「よかったわ」
「はぁ~、しかしあんなにお客さんが来るとはね~」
「はい、私も驚きました」
黄華さんが助けにドアを開けば部屋いっぱいにお客さんが入って猫メイドはいいからと急いでレジのお手伝いをすることになったのでした。おかげでチョコレートケーキは完売、他の商品も半分は無くなるという異常事態と黄華さんは言ってました。
「お姉ちゃん後光さんには午後も出てもらうの」
「そうね、今日はすごい売り上げだから逃したくないし。あたしは調理場でケーキ作るからレジは茉莉、お願い」
「えっ、あたしがレジやるの!?」
「わかりました」
食べ終わればまた猫メイドになって外に出て売り込みをしなくてはいけません。茉莉さんに大丈夫と心配されましたが楽しいので平気と答えました。
「メモワールのお店のケーキいかがですか~……あっ、ニャン♡」
気を抜くと猫語を忘れてしまいます。集中して猫メイドにならなくてはなりません。少し外に出ると再び人が賑わってきました。
「みなさんちゃんと並んでくださいニャン」
人が多くなればちゃんと道路の邪魔にならないように並んでもらわなければなりません。私は猫メイド姿で呼びかけていました。すると一人のおばあちゃんが悩んでいるのを見つけました。
「どうしましたニャン」
「ああ、可愛いメイドさん、この行列はなに?」
「これはメモワールのお店のお客様です」
「あら、こんなに人気なのねメモワール」
「はいニャン♡」
眉尻を下げてその場で止まって何だか並びたそうなおばあちゃん。そこで閃いた私はおばあちゃんにそこで少し待ってもらうことにしてお店の中へ戻りました。
中に戻るとレジ対応で茉莉さんに呼びかける暇もありません。仕方ないと私は調理場に入りました。そのには真剣な眼差しでケーキを作る職人の黄華さんの姿がありました。
「黄華さん、お願いがあります!」
「えっ、なに?」
「試食分のケーキをください――」
私はどうしても、迷っているおばあちゃんにケーキを食べてほしく試食を提案しました。すると黄華さんが笑顔で許しをもらえたので試食分のケーキを切って箱に入れて外へ出ました。
「おばあちゃん、はい、試食のケーキ食べてみますかニャン?」
「えっ、良いのかい?」
「はい」
ホークで刺したケーキを食べたおばあちゃんは頬が上がり満面の笑顔で美味しいと言って、その後に列並んでくれました……。
このあとも行列は夕方まで続いて6時前にはとうとう材料が尽きてお店を閉じることになりました。
「――今日はありがとうっ、後光さんっ!」
「いえいえ」
「やっぱりあたしの眼に狂いはなかったわっ」
「茉莉さんや黄華さんが頑張ったからですよ」
「そんなことないわよ後光ちゃん、あたしからもお礼言わせてもらうわ、ありがとう!」
そう言って給料を手渡してくれた黄華さん。ラーメン屋さんといい二日続けての給料を貰って何だか達成感があります。
「じゃあ、私はこれで、ホントにありがとうございま……」
「ちょっと待って後光さん!」
まだ用があるのか茉莉さんが私を止めて黄華さんを見ました。
「お姉ちゃん後光さんを連れて行ってみない」
「別にいいけど」
「やったーっ!」
「後光ちゃん、悪いけどもう少しこの子に付き合ってくれる?」
「はい、良いですよ」
私は黄華さんが出した車に乗って15分くらいでしょうか、着いた場所には木々に囲まれた大きな湖のある場所でした。
「見てみてっ、後光さんっ」
「キレイ……このオレンジの灯りは」
車を降りて歩いた先に行くと、木と木の間には線で繋がれた提灯がぶら下がっていてオレンジの灯りが湖を囲んでいました。その灯りは今は陽の光も沈んでいるため神秘的に光っていて気持ちの良い湖。
「後光さん……」
「はい」
「今日一日、あたしのわがままに付き合ってくれてありがとう」
「茉莉さん」
「あたしさ、高校入った時くらいからカメラを撮り始めたの。いろいろな景色が……ほら、地球が無くなっちゃうじゃない。それがもったいない気がして、だから、なんか写真を撮ってみたくなって……」
「なんか、わかる気がします。私も色々周ってみて、こうやって茉莉さんや黄華さんに出会って、こう……地球が無くなっても思い残すことがないようにって、今は頑張ってる気がしますから」
「地球が無くなる……か……それって本当なのかな。意外と、なーんも起きなくて生きていたりしてね、あたしたち」
「ふふっ、そうですね」
「そしたら、また手伝ってよ、お姉ちゃんのお店」
「はい、喜んで」
「ありがとう、ニャン」
「こちらこそ、ありがとうニャン♡」
「いい顔」
パシャッ。
私たちは顔を見合わせて笑顔で笑いました。たしかに地球が無くなるのは哀しい、でも私は先のことよりも今をこうして茉莉さんと出会って笑っていることが何よりも楽しく感じていました。
茉莉さん黄華さん、私と出会ってくれて二人ともありがとう……。残りは23日。
――とある家に聞こえる鳴き声。
「うっうっ……もう終わりよ……」
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