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お母さんの代わり
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「――うっ……朝ごはん、ようい、しな、きゃ」
「お母さん、おはよう」
「いち、か……?」
早朝、私はエプロン姿で朝ご飯の用意をしていました。昨日、エイジ病に掛かってしまったお母さんはあれからずっと泣いていましたが、そのあと疲れて寝てしまいました。帰ってきたお父さんと相談して私がお母さんの代わりをすることに決めたんです。
「朝食用意したから食べよっ、お母さん」
「うん」
「一花、お母さんを頼む」
「うん、お父さん、いってらっしゃーい」
お父さんは一足先に食べて仕事、お母さんを心配してるけどそれは私が何とかすると言ってお仕事を優先してもらいました。
朝食はパンに目玉焼き、トマトにレタスです。パン以外全て冷蔵庫の中にあったので卵はフライパンで、トマトとレタスを包丁で切りお皿に出しました。
「お母さんどう? いつもの目玉焼きかな~?」
「……おいしい、いつものお母さんの目玉焼きよりも一花の目玉焼きは……おい、しい」
「お母さん!?」
「うっ、うっ……」
お母さんはまた涙を流して泣いてしまいました。
「……くやしい、ぐすっ」
お母さんが『くやしい』と口にする理由を分からなかった私は昨夜お父さんから聞きました。お母さんは、家族で脱出する方法はないかとほぼ毎日空いた時間にスマートフォンで調べてはお父さんと話し合ってたみたい。そこまでしてくれていたなんて……。
「お母さん」
「一花……」
「まずはご飯、パンですけど全部食べたから泣こうよ、ね?」
「一花、一花っ……うん」
涙をぬぐってガンバッてお母さんは朝食を食べ終えました。でも、食べ終わるとまた考え込んで泣きそうになってきました。なのでそうなる前にと、私はお母さんをゲームには誘いました。
「お母さん、テニスゲームやろ」
「えっ、ゲーム? どうして……」
「だって、こうしてちゃんとお母さんとゲームやるの久しぶりでしょっ、だから、やろ?」
「うん」
私はテレビゲームの協力プレイでお母さんとダブルスを組んで始めます。最初は難易度を普通にしてやり方を慣らしていきました。
「これは、ラケット振るの?」
「そうそう、これで必殺技だよ」
やっていくうちにお母さんはゲームに集中してきて良い顔になってきました。そこで慣れたからとこの勢いで難易度を高く設定、私とお母さんは緊張しながらの集中。しかし、難易度を上げると必殺技を多用するなど苦戦して点数は6ゲーム取った方の勝ちですが相手は4ゲーム、私たちは2ゲームとなるとお母さんがストップしました。
「一花、もう無理よ……ゴメン」
「お母さん、まだ行けるよ、頑張ろうよ」
「でも、ゴメンね……一花」
「お母さん、私を信じてる?」
「えっ、あたりまえじゃない!」
「じゃあ、やって」
「えっ……」
「これはただのゲームだよ、でも私とお母さんが力を合わせて今闘ってる……だったらまだ諦めたくない。だって家族がダブルス組んでるんだもん、諦めないで挑もうよ」
「でも~……」
「ねっ!」
「……厳しい娘なんだから」
そう言ってコントローラーを持ってゲームを再開してくれたお母さん。
「――お母さんっ、とどいてぇぇーっ!」
「うあぁぁぁっ!」
最後のテニスボールをお母さんのキャラクターがダイビングして届いたボールはロブとなり相手のコートに入ってゲームセット、6対4でなんと私とお母さんの逆転勝利です。
「やったーっ、お母さん勝てると思わなかったから嬉しーわっ!」
「諦めなくてよかったでしょ」
「うん、よかったっ!」
本当にピンチだったのもあって二人で集中してやっていたので時間はあっという間に昼に、それにしてもお母さんの満面の笑みは久しぶり。
「じゃあお昼にするね」
「あっ、お母さんやるわよ?」
「お母さんは病気なんだから今日一日ゆっくりしててよ」
「う~ん……大変だと思うけど~……」
ボソッとお母さんが何かを言っていましたが、このあと私はお昼の材料が不足で買い物、うっかりしてご飯の炊き忘れと大変でした。
「ハァ…ハァ……はい、お母さんお昼」
「ありがとう一花……大丈夫?」
「うん、あっ、洗濯せんたく~!」
洗濯物も溜まっていてお昼だったので急いで洗濯して干さないと乾きません。そのあと掃除機をして床をペーパーで拭いて、トイレをお掃除、お風呂掃除して……。
「つかれたー」
私はテーブルにバタンキュー。
「お母さんはこんなことを毎日~、やっぱり大変だった~」
「お疲れ様一花」
「……お母さん、疲れてたんだね」
「え?」
「だってこんな家庭のことを毎日して……調べものして……」
「な、なに言ってるのよ……大事な、娘のためだもん」
「ん」
お母さんは私のおでこを人差し指で優しく触ってくるくるしていました。なんか疲れてるからか気持ちいいです……。
「お母さん、おはよう」
「いち、か……?」
早朝、私はエプロン姿で朝ご飯の用意をしていました。昨日、エイジ病に掛かってしまったお母さんはあれからずっと泣いていましたが、そのあと疲れて寝てしまいました。帰ってきたお父さんと相談して私がお母さんの代わりをすることに決めたんです。
「朝食用意したから食べよっ、お母さん」
「うん」
「一花、お母さんを頼む」
「うん、お父さん、いってらっしゃーい」
お父さんは一足先に食べて仕事、お母さんを心配してるけどそれは私が何とかすると言ってお仕事を優先してもらいました。
朝食はパンに目玉焼き、トマトにレタスです。パン以外全て冷蔵庫の中にあったので卵はフライパンで、トマトとレタスを包丁で切りお皿に出しました。
「お母さんどう? いつもの目玉焼きかな~?」
「……おいしい、いつものお母さんの目玉焼きよりも一花の目玉焼きは……おい、しい」
「お母さん!?」
「うっ、うっ……」
お母さんはまた涙を流して泣いてしまいました。
「……くやしい、ぐすっ」
お母さんが『くやしい』と口にする理由を分からなかった私は昨夜お父さんから聞きました。お母さんは、家族で脱出する方法はないかとほぼ毎日空いた時間にスマートフォンで調べてはお父さんと話し合ってたみたい。そこまでしてくれていたなんて……。
「お母さん」
「一花……」
「まずはご飯、パンですけど全部食べたから泣こうよ、ね?」
「一花、一花っ……うん」
涙をぬぐってガンバッてお母さんは朝食を食べ終えました。でも、食べ終わるとまた考え込んで泣きそうになってきました。なのでそうなる前にと、私はお母さんをゲームには誘いました。
「お母さん、テニスゲームやろ」
「えっ、ゲーム? どうして……」
「だって、こうしてちゃんとお母さんとゲームやるの久しぶりでしょっ、だから、やろ?」
「うん」
私はテレビゲームの協力プレイでお母さんとダブルスを組んで始めます。最初は難易度を普通にしてやり方を慣らしていきました。
「これは、ラケット振るの?」
「そうそう、これで必殺技だよ」
やっていくうちにお母さんはゲームに集中してきて良い顔になってきました。そこで慣れたからとこの勢いで難易度を高く設定、私とお母さんは緊張しながらの集中。しかし、難易度を上げると必殺技を多用するなど苦戦して点数は6ゲーム取った方の勝ちですが相手は4ゲーム、私たちは2ゲームとなるとお母さんがストップしました。
「一花、もう無理よ……ゴメン」
「お母さん、まだ行けるよ、頑張ろうよ」
「でも、ゴメンね……一花」
「お母さん、私を信じてる?」
「えっ、あたりまえじゃない!」
「じゃあ、やって」
「えっ……」
「これはただのゲームだよ、でも私とお母さんが力を合わせて今闘ってる……だったらまだ諦めたくない。だって家族がダブルス組んでるんだもん、諦めないで挑もうよ」
「でも~……」
「ねっ!」
「……厳しい娘なんだから」
そう言ってコントローラーを持ってゲームを再開してくれたお母さん。
「――お母さんっ、とどいてぇぇーっ!」
「うあぁぁぁっ!」
最後のテニスボールをお母さんのキャラクターがダイビングして届いたボールはロブとなり相手のコートに入ってゲームセット、6対4でなんと私とお母さんの逆転勝利です。
「やったーっ、お母さん勝てると思わなかったから嬉しーわっ!」
「諦めなくてよかったでしょ」
「うん、よかったっ!」
本当にピンチだったのもあって二人で集中してやっていたので時間はあっという間に昼に、それにしてもお母さんの満面の笑みは久しぶり。
「じゃあお昼にするね」
「あっ、お母さんやるわよ?」
「お母さんは病気なんだから今日一日ゆっくりしててよ」
「う~ん……大変だと思うけど~……」
ボソッとお母さんが何かを言っていましたが、このあと私はお昼の材料が不足で買い物、うっかりしてご飯の炊き忘れと大変でした。
「ハァ…ハァ……はい、お母さんお昼」
「ありがとう一花……大丈夫?」
「うん、あっ、洗濯せんたく~!」
洗濯物も溜まっていてお昼だったので急いで洗濯して干さないと乾きません。そのあと掃除機をして床をペーパーで拭いて、トイレをお掃除、お風呂掃除して……。
「つかれたー」
私はテーブルにバタンキュー。
「お母さんはこんなことを毎日~、やっぱり大変だった~」
「お疲れ様一花」
「……お母さん、疲れてたんだね」
「え?」
「だってこんな家庭のことを毎日して……調べものして……」
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