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たまにの一人歩き
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「――あ~るけば~、なにかいいことあるかもね~」
今日はのりのり、いや、いつもノリノリの精霊バナナ·ガールことナナは末信ママにお使いを頼まれて一人歩いている最中だった。
『バナナオ・レッ!』とバナナ型の特殊スマホが鳴る。
「お、ママっちのメッセージ届いたかな」
早速お使いの物を確認すると、
「なになに・・・」
『お野菜はキャベツ、やっぱりレタス、う~んどうしようかな~、やっぱりキャベツで次はお肉、う~ん豚かしらん、それとも鳥? い~んや牛とか、んもうママこまっちゃ~う』
「な、なんだろこの文、音声入力かなんかかな~」
末信ママの悩んだ声がそのまま文として何故か送られてきた。あの性格ならストレスなんてないんだろうなあと長文を何とか材料だけを読み取り買い物を進める。
――読みながら歩いていると、ドンッと軽く人に当たってしまい、
「ごめんなさーい、よそ見してました~」
ついついやってしまった『ながらスマホ』をと急いで謝るナナ。
「いてーな、てめえ」
あちゃ~オマケにリーゼントで制服を開けたTシャツは赤、今時こんな子がと不思議とも思いつつもめんどくさそうな不良に当たってしまったと感じる。
「ホントにごめんなさい」
「ヘっへっ、カワイイじゃねえか」
「へ?」
「あ~あ~、いてーなー、どう責任とってくれるんだ、あん?」
はぁ~いるのよねこういう連中と肩がこるような溜息をする。
「んで、何がしてほしいわけ?」
「草加様の、女になれぇーっ!」
カーッ、カーッ、カーッ、カラスの声。
「きゃっか、じゃね」
振り向いて買い物の続きと歩いていくナナ。なんだあの間髪入れない態度はと次第に恥ずかしさと屈辱で怒りだす。
「まてゴラァーッ!」
ナナの腕を掴みにかかるが、
パチンッ☆
ドンッ、と背中から倒れた。
「いって、なんだよ、あん、バナナの皮?」
草加はバナナの皮で滑っ転び、なんでだと言う顔をするもナナは後ろを向いたままめんどくさそうに猫背になって歩いていく。
「ウッザッ」
「こ、コノヤローッ!」
パチンッ☆
「ホゲッ!」
また転ぶ。
「はぁあ? なんでまたバナナの皮なんだよっ!」
もう頭はふっとう状態で意地でも捕まえてやると何度も試すが、
パチンッ☆
「んがっ!」
パチンッ☆
「だーっ!」
転び過ぎて流石に身体中が痛みフラフラしていた。
「ま、だだ・・・オレはこれしきで」
「はぁ~」ナナの足が止まった。
これが最後のチャンスだと渾身の力を込めて草加は飛び込んだ。
「これで最後だぁーっ!」
見えるナナの背中はクルッと振り向き、
「ったく、女の子を襲うなんて超SSよ」
「わけのわからねぇことをー!」
ニヤリとしながら短パンのポッケから出したのは赤いマント、しっかり真ん中に黄色いバナナのマーク。
「なめるなぁーっ!」
「そーれぇぇーっ!」
バサッと草加はマントの中に入り、
「うわぁぁぁーっ!」
その場から消えた。
「――という事からして、この文は」
末信のクラスが国語の勉強をしていたとき、ドンッ、と大きな音がしたので和林先生が廊下を確認するためにドアを開いた。
「ん? 君は草加 柴希君」
「あ、あれ? ここって、学校じゃん」
「何をしてるんですか?」
目の前には和林先生、何がなんだか分からない草加はこのあと教師に捕まり授業を受けるはめに合う······。
「バナナ·イリュージョンなんちゃって」
決まったねと内心喜ぶが時間を食ってしまったので急いでお店に走る。
「しっかしいつの時代もああいう子がいるのね~、でもダサポンだけど」
変化の激しい世の中で見かけた旧時代の様な不良を思い返すと面白かったナナ。
その思い返された不良は、
「だから信じてくれよ~」
昼休み皆には「ワープしたんだ、ホントにっ!」と必死に伝えるも「どうせ嘘だろ」と信じて貰えなかった。
「ホントなんだってば~」
「――ただいま~、ママっち買ってきたよ~」
「あ~ら~、ありがとねナナちゃん。でもどうして精霊ちゃんの姿で?」
「あ~、ちょっと変なのに絡まれちゃったから、帰りはバナナ草で飛ばしてきたです~」
そうなのねと材料を受け取りナナも手伝いに入るだけでなく、今日のスマホの返信で音声入力の注意もしてあげた。何かと器用に何でもしてくれるナナは短い期間ですでに森田家には、特に末信ママにとっては欠かせない存在。
「――それでさ、ママっちの言葉が全部のってんの」
「あらやだナナちゃん、ママはずかしいわん」
パパっち・・・末信パパも早めに帰ってきてめずらしく家族とナナとで和気あいあいの夜食をしていた。
「へ~、不良が~、怪我しなくてよかったよ」
「まあ、おこちゃまがあたしに手を出そうなんてのがアマイわね、ナッハッハッハッハッ」
「ナナお姉ちゃんツエー」
「・・・あのさ、ナナ」
「ん? なによ末信」
「あとでオレの部屋に来てくれ」
「いいけど、いやらしことはダメよ、いくらアタシが魅力的だからって・・・」
「するかーっ!」
話を割って突如誘われたナナだが末信の真剣なただならぬ顔に皆どうしたんだろうという顔になる······。
言われたとおり夜食を終えたナナは末信の部屋にいくといきなり、
「神様仏様・・・ナナさまぁーっ、おねがいじますぅ~っ!」
末信の椅子に座るナナに土下座する末信だった。
「おいおい、ちょっと落ち着け」
「どうか、わたくしと桜子ちゃんの中を仲直りさせてはいただけないでしょうか~」
彼を全然許してくれない桜子は自分だけでは無理と判断しプライドを捨てナナに頼み込むことにしたのだ。
「どうかナナざま~」
「顔あげろ」
もう、頼みの綱はあなたしかいないという十代後半のキラキラした目に半笑いして、
「ふぅ~わかった、このナナ様が動きましょう」
「おおーっ、ナナざまー」
「様はやめい」
末信も桜子もナナにとってはカワイイ年下の兄弟みたいなもの。このままでは流石に可哀想で2人がギスギスしているのもほっとけない。
「さぁ~て、どうするかね······」
今日はのりのり、いや、いつもノリノリの精霊バナナ·ガールことナナは末信ママにお使いを頼まれて一人歩いている最中だった。
『バナナオ・レッ!』とバナナ型の特殊スマホが鳴る。
「お、ママっちのメッセージ届いたかな」
早速お使いの物を確認すると、
「なになに・・・」
『お野菜はキャベツ、やっぱりレタス、う~んどうしようかな~、やっぱりキャベツで次はお肉、う~ん豚かしらん、それとも鳥? い~んや牛とか、んもうママこまっちゃ~う』
「な、なんだろこの文、音声入力かなんかかな~」
末信ママの悩んだ声がそのまま文として何故か送られてきた。あの性格ならストレスなんてないんだろうなあと長文を何とか材料だけを読み取り買い物を進める。
――読みながら歩いていると、ドンッと軽く人に当たってしまい、
「ごめんなさーい、よそ見してました~」
ついついやってしまった『ながらスマホ』をと急いで謝るナナ。
「いてーな、てめえ」
あちゃ~オマケにリーゼントで制服を開けたTシャツは赤、今時こんな子がと不思議とも思いつつもめんどくさそうな不良に当たってしまったと感じる。
「ホントにごめんなさい」
「ヘっへっ、カワイイじゃねえか」
「へ?」
「あ~あ~、いてーなー、どう責任とってくれるんだ、あん?」
はぁ~いるのよねこういう連中と肩がこるような溜息をする。
「んで、何がしてほしいわけ?」
「草加様の、女になれぇーっ!」
カーッ、カーッ、カーッ、カラスの声。
「きゃっか、じゃね」
振り向いて買い物の続きと歩いていくナナ。なんだあの間髪入れない態度はと次第に恥ずかしさと屈辱で怒りだす。
「まてゴラァーッ!」
ナナの腕を掴みにかかるが、
パチンッ☆
ドンッ、と背中から倒れた。
「いって、なんだよ、あん、バナナの皮?」
草加はバナナの皮で滑っ転び、なんでだと言う顔をするもナナは後ろを向いたままめんどくさそうに猫背になって歩いていく。
「ウッザッ」
「こ、コノヤローッ!」
パチンッ☆
「ホゲッ!」
また転ぶ。
「はぁあ? なんでまたバナナの皮なんだよっ!」
もう頭はふっとう状態で意地でも捕まえてやると何度も試すが、
パチンッ☆
「んがっ!」
パチンッ☆
「だーっ!」
転び過ぎて流石に身体中が痛みフラフラしていた。
「ま、だだ・・・オレはこれしきで」
「はぁ~」ナナの足が止まった。
これが最後のチャンスだと渾身の力を込めて草加は飛び込んだ。
「これで最後だぁーっ!」
見えるナナの背中はクルッと振り向き、
「ったく、女の子を襲うなんて超SSよ」
「わけのわからねぇことをー!」
ニヤリとしながら短パンのポッケから出したのは赤いマント、しっかり真ん中に黄色いバナナのマーク。
「なめるなぁーっ!」
「そーれぇぇーっ!」
バサッと草加はマントの中に入り、
「うわぁぁぁーっ!」
その場から消えた。
「――という事からして、この文は」
末信のクラスが国語の勉強をしていたとき、ドンッ、と大きな音がしたので和林先生が廊下を確認するためにドアを開いた。
「ん? 君は草加 柴希君」
「あ、あれ? ここって、学校じゃん」
「何をしてるんですか?」
目の前には和林先生、何がなんだか分からない草加はこのあと教師に捕まり授業を受けるはめに合う······。
「バナナ·イリュージョンなんちゃって」
決まったねと内心喜ぶが時間を食ってしまったので急いでお店に走る。
「しっかしいつの時代もああいう子がいるのね~、でもダサポンだけど」
変化の激しい世の中で見かけた旧時代の様な不良を思い返すと面白かったナナ。
その思い返された不良は、
「だから信じてくれよ~」
昼休み皆には「ワープしたんだ、ホントにっ!」と必死に伝えるも「どうせ嘘だろ」と信じて貰えなかった。
「ホントなんだってば~」
「――ただいま~、ママっち買ってきたよ~」
「あ~ら~、ありがとねナナちゃん。でもどうして精霊ちゃんの姿で?」
「あ~、ちょっと変なのに絡まれちゃったから、帰りはバナナ草で飛ばしてきたです~」
そうなのねと材料を受け取りナナも手伝いに入るだけでなく、今日のスマホの返信で音声入力の注意もしてあげた。何かと器用に何でもしてくれるナナは短い期間ですでに森田家には、特に末信ママにとっては欠かせない存在。
「――それでさ、ママっちの言葉が全部のってんの」
「あらやだナナちゃん、ママはずかしいわん」
パパっち・・・末信パパも早めに帰ってきてめずらしく家族とナナとで和気あいあいの夜食をしていた。
「へ~、不良が~、怪我しなくてよかったよ」
「まあ、おこちゃまがあたしに手を出そうなんてのがアマイわね、ナッハッハッハッハッ」
「ナナお姉ちゃんツエー」
「・・・あのさ、ナナ」
「ん? なによ末信」
「あとでオレの部屋に来てくれ」
「いいけど、いやらしことはダメよ、いくらアタシが魅力的だからって・・・」
「するかーっ!」
話を割って突如誘われたナナだが末信の真剣なただならぬ顔に皆どうしたんだろうという顔になる······。
言われたとおり夜食を終えたナナは末信の部屋にいくといきなり、
「神様仏様・・・ナナさまぁーっ、おねがいじますぅ~っ!」
末信の椅子に座るナナに土下座する末信だった。
「おいおい、ちょっと落ち着け」
「どうか、わたくしと桜子ちゃんの中を仲直りさせてはいただけないでしょうか~」
彼を全然許してくれない桜子は自分だけでは無理と判断しプライドを捨てナナに頼み込むことにしたのだ。
「どうかナナざま~」
「顔あげろ」
もう、頼みの綱はあなたしかいないという十代後半のキラキラした目に半笑いして、
「ふぅ~わかった、このナナ様が動きましょう」
「おおーっ、ナナざまー」
「様はやめい」
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