夏にバナナから出てきたヤツは『2ヶ月間すませてください』と言うギャルの精霊バナナ·ガールだった。

ヒムネ

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ギャ龍・ドラゴン

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「――ファイヤー·ブレス注文が入りやしたーっ」

「あいよーっ!」


 真夏の暑い中でもお店の中は負けじと大きな炎が上げながら作る料理人と接客たちがいた。そんなお店にも彼らはやってきた。


 チリンチリン、


「「いらっしゃいやせーっ!」」


「ここがギャ龍·ドラゴン」

「あ、女の子のギャルがいっぱい」

「あんたなに下心出してんのよ」

「はぁあっ? べ、別にいつ下心なんか」


 ナナが末信すえのぶにあきれている一方、末信パパを守るように末信ママの後ろに隠れる。


「あ、若い女の子」

「お父さん・・・」

「はい、ママ」


 決して逆らわない末信パパを含めてみんなでお座席にてメニューを開いた。


「ふむふむ、なんか独特の名前ね」


 『龍の絡み』は焼きそば、『龍爪』は唐揚げ、『ファイヤー·ブレス』は激辛焼きそばと他にも龍に関係するメニューと隣に商品の写真が貼ってあったりなかなか面白そうと思いながら皆も注文していった······。



 ズズズッ、とストローで飲みほす音とともにワイングラスの中身が減っていく、


「う~ん、美味しいわ」

「ナナお姉ちゃん、その赤いのは・・・」

「ウフフ、よ、~!」


 アセロラジュースを血と言って千夏たちを驚かすナナ、唐揚げを食べる末信は、


「アムッ、ナナ嘘つくなよ・・・母さんそれは?」

「龍のお髭よ~」


 龍の髭というメニューはどうやらスパゲティーのようだ。夫婦二人で仲良く食べている、ホントに仲の良い夫婦。


「そういうあんたはなに頼んだよ?」

「あ~オレは~、唐揚げ」

「『龍爪』って言いなさいよ」

「べーつにいいーだろ~、名前なんか~」

「ノリの悪いお子ちゃまなんだから、チョベリバ」


 いまいちノリが悪い末信に説教をたれるナナも竜爪という名の唐揚げを食べながら終わりまでアドバイスをしていたらレジで、


「チョモロハ、さっきは凄かったですねそこのギャル姐さん」


 サングラスをかけた店員ギャルは外して軽くお辞儀をした。


「私はミミ、ここの店員です。やっぱりあなたは『ライオン♡ギャルそば』に来てくださったという方ですね!」


「あーっ、そこの方? チョモロハ」


「いえ、私ではなくギャル連合で話題にってまして『真夏に仕事をするギャルにスポーツ·ドリンクとバナナを置いていった流離いのギャル』という話で」


 あまりにもカッコの良いそのギャルに他のギャルがスマホで撮っていたという。言葉を残して振り返ることなく去っていった幻のギャルとして。

「この写真です!」


 ナナが後ろを向いて光と共に去るようなギャルであり一人の強い女性という闘気を醸し出すような写真。


「う~ん、たしかにそうだけど~、フフッ、罪な世の中になったものね」

「はあ? なんだよその『幻のギャル』って」

「フッ、男の高校生には、まだ早いわよ」


 妙にカッコつけたナナのこと、どうせまた誰かと戦ってぶっ倒したとかだろうと想像につく。


「まあいいわ、ホラッ」


 パチンッとスポーツ·ドリンクと八本バナナを出すと、


「マジッ、すごっ・・・マジック、ですか?」

「そんなようなもん、あんたたちも大変だろうから受け取りなさい」

「そっ、そんなっ、そんなつもりじゃっ」


「波って大変で、強いときもあれば弱いときもある、それは人生のようにね」


 気分をよくしたのかサングラスを掛け出し言葉をたれると、黙ってギャ龍·ドラゴンのギャルたち全員が真剣に聞いていた。


「私はあんたたちを応援してるわ。だから受け取って、そして試練が訪れたときも決して諦めないでお客さんに最高の料理をしてほしいっ」


まぼギャルさん・・・」


「説教臭いからもういくわ、じゃあガンバって」


 サングラスから覗く眼は希望という名の光に満ちていた気がしたギャルたち。



「あ、あのっ、名前は」


「・・・あたしはナナ、流離さすらいのギャル、じゃあね」



 チリンチリンッ、


 お店の鈴が鳴り流離いのギャルとそのお供は去っていった、


 明るい未来という道を信じて······。



「お前なにカッコつけてんだよ」

「カッコじゃないの、道標よ道しるべ」


 髪をなびかせキザっぽく言っているナナにアホかと思っていたら、


「す、すいません、ナナさん!」


 ギャ龍·ドラゴンから慌てて追ってきたギャルが、


「あらミミちやん、どうしたの? 何か忘れ物?」


「いえ、あの、にぜひ来てほしくて、それを言おうと思ってたのに」


「夜のパレード?」

「はい!」


 それを隣で聞こえていたお年頃の末信はボソッと、


「よ、夜のパレードっ! て、まさか・・・」


 ドキッドキッ、


『いやーん、末信く~ん~』『末信くんいやらしい~』あれやこれやと18禁な想像をしてデヘヘな顔になった末信は絶対に行きたいとおも・・・、



 バシンッ、



 ナナによる強烈な裏手がクリーンヒット、


「んなわけねーだろ、こんのスケベェガキが」


 家族も自業自得と呆れため息······。
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