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助けたい家族
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ヒューンッ、
はるか上空の雲の中で精霊バナナ·ガールのナナは何処かへとバナナ草を進んでいく。
珍しくマジ顔なのは森田家族のためで毎日お世話になっているし笑顔をなんとしても取り戻したい。
雲を抜けた先にはどうやって行くのか分からない精霊の世界が顔を出す。黄色なのかオレンジなのか見方によって変わる町に目的の場所目掛けてバナナ草を飛ばす。
キキキーンッ、
「とうちゃく~」
「おや、ナナちゃんやないか」
そこはシンプルな人1人分くらいの小さな木造のお店で窓からお婆ちゃんがヒョロッと顔を出している。
「ひさしぶり~、相変わらずのサンタ帽子ね」
「ひさしぶり、もう変えるのも面倒くさいんよ~、年はとりたくないもんだね~・・・あれ、まだ8月やぞ? こんな時期に帰ってくるなんて」
「帰ってきたわけじゃなくて」
「ほにゃ~・・・あーっ、ま~た変なところに住み着くことになったのね~」
あるときはアマゾンで部族と狩猟、
またあるときは猿たちと野生暮らし、
またまたあるときは人魚たちと・・・思い出す苦労の日々。
「なっはっはっんなことあったね~、でも今回は違うのよ」
「んん、なんか嬉しそうだね~」
「いい家族のところに住ませてもらってさ、その家族が今ちょっとぷちピンチって感じで」
「ほっほっほっ」
「とっても明るくて優しい家族なの、お父さんもお母さんも、男の子も女の子もさ、すんごい良い子・・・だからさ助けたくて、あるバナナがほしいんだけど」
「そないナナちゃんが嬉しいなんて初めてじゃな~・・・ああ、ええ~よ、持っていきんさい。それで、どんなバナナがほしいんだい?」
「それはね······」
――泣きつかれた末信ママがトイレに行こうと歩くとそこに丁度お腹すいたので冷蔵庫に向かおうとした末信パパも階段から降りてきた。
「あ、お父さん・・・ふんっ」
「お母、さん・・・へんっ」
二人はプイッとお互い無視してすれ違うと、
「覚悟は出来てるかしら?」
「そっちこ、こっちはいつでも・・・」
「ちょっとお父さんっ」
「母さんもやめろよ」
ホントは別れたくないくせに2人とも意地になって呆れる末信だが心の奥では少しの不安をいだき始めていた、もちろん千夏も。
暗い嫌な雰囲気の中に救いのインターホンが、
「はいはーい」
「開けてあけて~」
ナナの声に2人の子どもたちは安堵した。
ガチャン、
「チョモロハ~、帰ってきたわよ」
「ナナっ、はぁ~」
末信のテンションでボソッと、
「調子はどう?」
「全然ダメ、むしろこのままだとなに言い出すか」
「やっぱりね・・・千夏ちゃん、ちょっと」
千夏も呼び3人は円を組んでヒソヒソ話のヒソヒソ会議をした。
「――そんなわけだから、二人はパパっちのほう頼んだわよ」
「うんわかったよお姉ちゃん!」
「わかったけどよ~、ほんとうにこんなバナナで・・・いでででっ」
「ナマ言うなっ、大丈夫だって言ってるでしょうがっ」
こんなときにも愚痴グチとと耳を引っ張る。まったくもうと思っていると千夏はナナに、
「ナナお姉ちゃん、あたし・・・」
「フフッ、負けんな」
不安を吐くと意外な言葉に顔を上げた。
「たしかにこれはあたしの作戦だけど、千夏ちゃんや末信がパパママの雰囲気にのまれたら何にもならない」
ナナはマジ顔で千夏の頭を擦り、末信の眼を見つめ、
「だから笑顔で2人のパパママ大好きパワーをだして、説得してあげて。そうすればつうじるから」
「ナナお姉ちゃん」
「ナナ・・・そうだな、千夏、ナナの言うとおりだオレたちも父さんの目を覚ましてやろうぜ!」
「うん、あたしがんばるっ、だって別れてほしくないもん!」
「んじゃっ、パパママ仲直りラブリー作戦っ、行動開始だ・ぞっ!」
「いでっ」
背中を思いっきり叩いた。
「なんで叩くかな~······」
「お~い、ママっちママっち~」
「あ、ナナちゃん」
顔はゲッソリ骸骨の末信ママは明らかに精神的に苦しんでいる。でも、
「ねねっ、今日さっ、あたしとデートしようよ」
「え、ナナちゃんとデート? でも今はそんな気分じゃ・・・」
「気分悪いならさっ、なおさら行こっ、今日おもしろいバナナ仕入れたからさ、おねがいっ」
頭を下げ祈るようにお願いがするナナ、まあどうせ家に居ても気分が良くなるわけでもないしと、
「・・・うん、わかったデートしましょ」
「やった~、ありがとうママっちーっ!」
着替えを済ました末信ママと2人でデートにと外へ出ていった。
「よしっ、ナナはうまくいったみたいだな。千夏、今度はオレたちの番だ」
「うん、2階にいるお父さんだね」
そう言ってナナから貰ったバナナを手にする末信と千夏は素早く階段を上りお父さんと出掛けるように説得し外へ出る。
暑い8月上旬の夏休みにまさかまさかの予想だにしなかった森田家による命運をかけたミッションが開始する······。
はるか上空の雲の中で精霊バナナ·ガールのナナは何処かへとバナナ草を進んでいく。
珍しくマジ顔なのは森田家族のためで毎日お世話になっているし笑顔をなんとしても取り戻したい。
雲を抜けた先にはどうやって行くのか分からない精霊の世界が顔を出す。黄色なのかオレンジなのか見方によって変わる町に目的の場所目掛けてバナナ草を飛ばす。
キキキーンッ、
「とうちゃく~」
「おや、ナナちゃんやないか」
そこはシンプルな人1人分くらいの小さな木造のお店で窓からお婆ちゃんがヒョロッと顔を出している。
「ひさしぶり~、相変わらずのサンタ帽子ね」
「ひさしぶり、もう変えるのも面倒くさいんよ~、年はとりたくないもんだね~・・・あれ、まだ8月やぞ? こんな時期に帰ってくるなんて」
「帰ってきたわけじゃなくて」
「ほにゃ~・・・あーっ、ま~た変なところに住み着くことになったのね~」
あるときはアマゾンで部族と狩猟、
またあるときは猿たちと野生暮らし、
またまたあるときは人魚たちと・・・思い出す苦労の日々。
「なっはっはっんなことあったね~、でも今回は違うのよ」
「んん、なんか嬉しそうだね~」
「いい家族のところに住ませてもらってさ、その家族が今ちょっとぷちピンチって感じで」
「ほっほっほっ」
「とっても明るくて優しい家族なの、お父さんもお母さんも、男の子も女の子もさ、すんごい良い子・・・だからさ助けたくて、あるバナナがほしいんだけど」
「そないナナちゃんが嬉しいなんて初めてじゃな~・・・ああ、ええ~よ、持っていきんさい。それで、どんなバナナがほしいんだい?」
「それはね······」
――泣きつかれた末信ママがトイレに行こうと歩くとそこに丁度お腹すいたので冷蔵庫に向かおうとした末信パパも階段から降りてきた。
「あ、お父さん・・・ふんっ」
「お母、さん・・・へんっ」
二人はプイッとお互い無視してすれ違うと、
「覚悟は出来てるかしら?」
「そっちこ、こっちはいつでも・・・」
「ちょっとお父さんっ」
「母さんもやめろよ」
ホントは別れたくないくせに2人とも意地になって呆れる末信だが心の奥では少しの不安をいだき始めていた、もちろん千夏も。
暗い嫌な雰囲気の中に救いのインターホンが、
「はいはーい」
「開けてあけて~」
ナナの声に2人の子どもたちは安堵した。
ガチャン、
「チョモロハ~、帰ってきたわよ」
「ナナっ、はぁ~」
末信のテンションでボソッと、
「調子はどう?」
「全然ダメ、むしろこのままだとなに言い出すか」
「やっぱりね・・・千夏ちゃん、ちょっと」
千夏も呼び3人は円を組んでヒソヒソ話のヒソヒソ会議をした。
「――そんなわけだから、二人はパパっちのほう頼んだわよ」
「うんわかったよお姉ちゃん!」
「わかったけどよ~、ほんとうにこんなバナナで・・・いでででっ」
「ナマ言うなっ、大丈夫だって言ってるでしょうがっ」
こんなときにも愚痴グチとと耳を引っ張る。まったくもうと思っていると千夏はナナに、
「ナナお姉ちゃん、あたし・・・」
「フフッ、負けんな」
不安を吐くと意外な言葉に顔を上げた。
「たしかにこれはあたしの作戦だけど、千夏ちゃんや末信がパパママの雰囲気にのまれたら何にもならない」
ナナはマジ顔で千夏の頭を擦り、末信の眼を見つめ、
「だから笑顔で2人のパパママ大好きパワーをだして、説得してあげて。そうすればつうじるから」
「ナナお姉ちゃん」
「ナナ・・・そうだな、千夏、ナナの言うとおりだオレたちも父さんの目を覚ましてやろうぜ!」
「うん、あたしがんばるっ、だって別れてほしくないもん!」
「んじゃっ、パパママ仲直りラブリー作戦っ、行動開始だ・ぞっ!」
「いでっ」
背中を思いっきり叩いた。
「なんで叩くかな~······」
「お~い、ママっちママっち~」
「あ、ナナちゃん」
顔はゲッソリ骸骨の末信ママは明らかに精神的に苦しんでいる。でも、
「ねねっ、今日さっ、あたしとデートしようよ」
「え、ナナちゃんとデート? でも今はそんな気分じゃ・・・」
「気分悪いならさっ、なおさら行こっ、今日おもしろいバナナ仕入れたからさ、おねがいっ」
頭を下げ祈るようにお願いがするナナ、まあどうせ家に居ても気分が良くなるわけでもないしと、
「・・・うん、わかったデートしましょ」
「やった~、ありがとうママっちーっ!」
着替えを済ました末信ママと2人でデートにと外へ出ていった。
「よしっ、ナナはうまくいったみたいだな。千夏、今度はオレたちの番だ」
「うん、2階にいるお父さんだね」
そう言ってナナから貰ったバナナを手にする末信と千夏は素早く階段を上りお父さんと出掛けるように説得し外へ出る。
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