25 / 25
次の物語へ
新しい恐怖の幕開け
しおりを挟む
空の青さは日に日に色濃くなり、夏の足音がすぐそこまで迫った平日の正午過ぎ。
とある高校の昼休み。食堂に向かう者、自分の席で弁当を広げる者、グループで机を寄せて話す者、皆が皆思い思いに過ごす騒がしい教室。
教室の後ろの窓際に二つの机を向かい合わせにして座る二人の女子高生がいる。二人は広げた弁当に手をつけずスマホを見ながら話をしている。
「ねえ知ってる? また新しい怖い話が流行り出してるんだってー」
「なにそれ、最近多くない? 今度はどんな話?」
「今度はね、ビデオ通話だって」
「へー怖い話も時代の流れに乗るんだ。それでそれで?」
「それがさ、ビデオ通話中に急に変な雑音が入る時あるじゃん」
「たまにあるね、それ」
「そんな時、もし自分の後ろから女の人の声みたいなのが聞こえたら絶対に振り向いたら駄目なんだって」
「なんで?」
「後ろに真っ黒の服を着た女の人が立ってるから」
「えー、何それ」
「通話相手の人は画面越しに見えるらしいよその女の人が。どこを見てるかわからないけど、寂しそうな顔をしてるんだって」
「嘘、そんなにはっきり顔が見えるもんなの?」
「見えるらしいよ。でねでね、その女の人が写ったスクショが広まってるんだって」
「え、まじ? こわっ」
「ねー。私はまだその画像を見てないけど、画像を見た人はその後不幸になるんだって。やばくない?」
「やばすぎでしょ。絶対そんな画像見たくない」
「えー。私は少し見てみたいかも」
「嘘、それまじで言ってるそれ?」
「本気本気。今はまだマイナーだけどこの話もかなり広がる気がする」
「嫌だなー、怖い話ばっかり広がるの」
「そう? 私は楽しいけど」
「あんたってほんと……あ、そういえば次の英語の宿題するの忘れてた。宿題やった?」
「やったやった。後でノート貸してあげる」
「まじ? たすかるー」
「私たちからしたら怖い話なんかよりも先生に怒られる方が怖いよねー」
「ねー本当」
この二人の顔が恐怖に歪むのはもう少し先の話。
とある高校の昼休み。食堂に向かう者、自分の席で弁当を広げる者、グループで机を寄せて話す者、皆が皆思い思いに過ごす騒がしい教室。
教室の後ろの窓際に二つの机を向かい合わせにして座る二人の女子高生がいる。二人は広げた弁当に手をつけずスマホを見ながら話をしている。
「ねえ知ってる? また新しい怖い話が流行り出してるんだってー」
「なにそれ、最近多くない? 今度はどんな話?」
「今度はね、ビデオ通話だって」
「へー怖い話も時代の流れに乗るんだ。それでそれで?」
「それがさ、ビデオ通話中に急に変な雑音が入る時あるじゃん」
「たまにあるね、それ」
「そんな時、もし自分の後ろから女の人の声みたいなのが聞こえたら絶対に振り向いたら駄目なんだって」
「なんで?」
「後ろに真っ黒の服を着た女の人が立ってるから」
「えー、何それ」
「通話相手の人は画面越しに見えるらしいよその女の人が。どこを見てるかわからないけど、寂しそうな顔をしてるんだって」
「嘘、そんなにはっきり顔が見えるもんなの?」
「見えるらしいよ。でねでね、その女の人が写ったスクショが広まってるんだって」
「え、まじ? こわっ」
「ねー。私はまだその画像を見てないけど、画像を見た人はその後不幸になるんだって。やばくない?」
「やばすぎでしょ。絶対そんな画像見たくない」
「えー。私は少し見てみたいかも」
「嘘、それまじで言ってるそれ?」
「本気本気。今はまだマイナーだけどこの話もかなり広がる気がする」
「嫌だなー、怖い話ばっかり広がるの」
「そう? 私は楽しいけど」
「あんたってほんと……あ、そういえば次の英語の宿題するの忘れてた。宿題やった?」
「やったやった。後でノート貸してあげる」
「まじ? たすかるー」
「私たちからしたら怖い話なんかよりも先生に怒られる方が怖いよねー」
「ねー本当」
この二人の顔が恐怖に歪むのはもう少し先の話。
0
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(2件)
あなたにおすすめの小説
どうしてそこにトリックアートを設置したんですか?
鞠目
ホラー
N県の某ショッピングモールには、エントランスホールやエレベーター付近など、色んなところにトリックアートが設置されている。
先日、そのトリックアートについて設置場所がおかしいものがあると聞いた私は、わかる範囲で調べてみることにした。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
それなりに怖い話。
只野誠
ホラー
これは創作です。
実際に起きた出来事はございません。創作です。事実ではございません。創作です創作です創作です。
本当に、実際に起きた話ではございません。
なので、安心して読むことができます。
オムニバス形式なので、どの章から読んでも問題ありません。
不定期に章を追加していきます。
2025/12/15:『ちいさなむし』の章を追加。2025/12/22の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/14:『さむいしゃわー』の章を追加。2025/12/21の朝8時頃より公開開始予定。
2025/12/13:『ものおと』の章を追加。2025/12/20の朝8時頃より公開開始予定。
2025/12/12:『つえ』の章を追加。2025/12/19の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/11:『にく』の章を追加。2025/12/18の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/10:『うでどけい』の章を追加。2025/12/17の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/9:『ひかるかお』の章を追加。2025/12/16の朝4時頃より公開開始予定。
※こちらの作品は、小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで同時に掲載しています。
視える僕らのシェアハウス
橘しづき
ホラー
安藤花音は、ごく普通のOLだった。だが25歳の誕生日を境に、急におかしなものが見え始める。
電車に飛び込んでバラバラになる男性、やせ細った子供の姿、どれもこの世のものではない者たち。家の中にまで入ってくるそれらに、花音は仕事にも行けず追い詰められていた。
ある日、駅のホームで電車を待っていると、霊に引き込まれそうになってしまう。そこを、見知らぬ男性が間一髪で救ってくれる。彼は花音の話を聞いて名刺を一枚手渡す。
『月乃庭 管理人 竜崎奏多』
不思議なルームシェアが、始まる。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
各話の文字量、読みやすくバランスが良くて、ついついページをめくってしまいます!
でも怖かったので「聞いた人」の章でとまってしまっている私を許して!! ←さすがホラー!!
起こり得そうな出来事なのがまた、ゾワワワ感、すさまじいです。
感想の返信が遅くなり申し訳ございません
つい先程感想に返信ができることを知りました(・_・;
ご感想くださりありがとうございます!
私自身が怖がりなので
「こんなことが起きたら怖いな」
と思うことを詰め込んでいます
お褒めの言葉嬉しいです!
何回読んでも怖い((( ;゚Д゚)))
こう、どっかにありそうな日常の中に突如ぶっこまれる恐ろしく不条理な世界観!
感想の返信が遅くなり申し訳ございません
つい先程感想に返信ができることを知りました(・_・;
ご感想くださりありがとうございます!
火のないところに煙が立たないように、都市伝説にも生まれるきっかけがあると思うんです
これはそんなことをふと考えた時に思いついたお話です
引き続き楽しんでいただけるように頑張ります!