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2 裏世界
盗賊
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ガシャーンと鍛冶場の方から、大きな音。続いて俊の声。
「やめてー」
四人は、外に飛び出した。
鍛冶場を見ると、ボロ布を纏った五人の男がいた。
「俊ちゃん!」
「私は平気」
ナミリアの後ろに隠れるように俊がいる。その傍らに、気絶した男が一人。
加勢しようと、真希乃が一歩踏み出す。それを、手で遮る麗美が首を横に振る。
ナミリアが、麗美を見る。
「レイミ!スグルを頼めるかい」
「任せて」
麗美は、親指を立てる。
ナミリアは、左手のひらを右拳で叩くと、一際大きなハンマーを手に取り、握る手に、ぷっと、唾を吐きかける。
「人んちの店で、暴れられたら商売上がったりなんだよ。こっちに来な」
ズシリと、重いハンマーを肩に担ぐと、少し広い場所に移動するナミリア。
男たちも、腰に下げた剣を抜くとナミリアを囲むように五人が立つ。
「いい度胸してんじゃねえか、おっさん!」
あちゃあと、顔を覆う麗美。
「お、お、おっさん?」
ピクピクと、眉を動かすナミリア。
「おっさんだから、おっさんて、言ったんだ。何か、変なこと言ったか?」
他の四人を見ると、揃ってケラケラと笑った。
怒涛の如くナミリアが吠える。
「誰が、おっさんだ!」
持ったハンマーを、地面に叩きつける。あまりの衝撃に男たちの足元が揺れる。
「俺は、女だ!」
突進するなり、怯んだ男の顔面をぶん殴った。鈍く何かが砕ける音がして、男は宙を舞った。ドサッと、落ちたまま、ピクリともしない。
残された四人は、縮み上がった。
「次は、誰だい?」
麗美が睨みを効かせる。
怯えつつも、一人の男が剣を振りかぶった。
「舐めんじゃねえ」
ナミリアは、振り下ろされた剣を左腕の鋼板で作られた腕輪で受け、右拳にはめたナックルで、剣の横腹を殴った。
パキンと、音を立てて剣は折れてしまった。
真希乃も驚いた。
「え!武器破壊?」
ほんの少し、当てただけに思えたが、最も容易く折れてしまったのだ。
驚き、たじろぐ男達。
「伊達に、鍛冶屋をやってないんでね。光の反射の歪みで、脆いところなんか、すぐにわかるんだよ」
「な、なんだと・・」
スタスタと、男に近づくナミリア。
「いいかい、こいつの場合は」
男の持った剣を見るなり、拳で叩いた。パキンと、音と共に剣は、あっさり折れてしまった。
「ほらな」
折れた剣を持ったまま、動揺する男。
「これでも、まだやるかい?」
ハンマーを肩に担ぐナミリア。
「くそ・・今日のところは」
渋々と、倒れた仲間を抱え、立ち去ろうとする。
男たちに声をかけるナミリア。
「おい。忘れもんだよ」
懐から取り出した袋を、男に投げ渡す。
手のひらに、小さな巾着袋。これを開けた男は驚いた。
「金?」
「そいつを換金すれば幾らかには、なるだろ」
どよめく、男たち。
「もう、他所様に迷惑かけんじゃないよ」
男は、袋を持ったまま拝むように
ナミリアに頭を下げた。
「面目ない」
「いいんだよ、苦しい時は、お互い様さ。それで、真っ当な仕事を見つけるんだね」
六人の男達は、ペコペコと頭を下げつつ引き上げて行った。
実に鮮やかであった。
「やめてー」
四人は、外に飛び出した。
鍛冶場を見ると、ボロ布を纏った五人の男がいた。
「俊ちゃん!」
「私は平気」
ナミリアの後ろに隠れるように俊がいる。その傍らに、気絶した男が一人。
加勢しようと、真希乃が一歩踏み出す。それを、手で遮る麗美が首を横に振る。
ナミリアが、麗美を見る。
「レイミ!スグルを頼めるかい」
「任せて」
麗美は、親指を立てる。
ナミリアは、左手のひらを右拳で叩くと、一際大きなハンマーを手に取り、握る手に、ぷっと、唾を吐きかける。
「人んちの店で、暴れられたら商売上がったりなんだよ。こっちに来な」
ズシリと、重いハンマーを肩に担ぐと、少し広い場所に移動するナミリア。
男たちも、腰に下げた剣を抜くとナミリアを囲むように五人が立つ。
「いい度胸してんじゃねえか、おっさん!」
あちゃあと、顔を覆う麗美。
「お、お、おっさん?」
ピクピクと、眉を動かすナミリア。
「おっさんだから、おっさんて、言ったんだ。何か、変なこと言ったか?」
他の四人を見ると、揃ってケラケラと笑った。
怒涛の如くナミリアが吠える。
「誰が、おっさんだ!」
持ったハンマーを、地面に叩きつける。あまりの衝撃に男たちの足元が揺れる。
「俺は、女だ!」
突進するなり、怯んだ男の顔面をぶん殴った。鈍く何かが砕ける音がして、男は宙を舞った。ドサッと、落ちたまま、ピクリともしない。
残された四人は、縮み上がった。
「次は、誰だい?」
麗美が睨みを効かせる。
怯えつつも、一人の男が剣を振りかぶった。
「舐めんじゃねえ」
ナミリアは、振り下ろされた剣を左腕の鋼板で作られた腕輪で受け、右拳にはめたナックルで、剣の横腹を殴った。
パキンと、音を立てて剣は折れてしまった。
真希乃も驚いた。
「え!武器破壊?」
ほんの少し、当てただけに思えたが、最も容易く折れてしまったのだ。
驚き、たじろぐ男達。
「伊達に、鍛冶屋をやってないんでね。光の反射の歪みで、脆いところなんか、すぐにわかるんだよ」
「な、なんだと・・」
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「いいかい、こいつの場合は」
男の持った剣を見るなり、拳で叩いた。パキンと、音と共に剣は、あっさり折れてしまった。
「ほらな」
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「これでも、まだやるかい?」
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懐から取り出した袋を、男に投げ渡す。
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「金?」
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男は、袋を持ったまま拝むように
ナミリアに頭を下げた。
「面目ない」
「いいんだよ、苦しい時は、お互い様さ。それで、真っ当な仕事を見つけるんだね」
六人の男達は、ペコペコと頭を下げつつ引き上げて行った。
実に鮮やかであった。
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