蜃気楼の向こう側

貴林

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9 提灯洞

男と女

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目が覚めると、腕の中で彩花が寝息を立てていた。
すぐそこに顔がある。
以前なら恥ずかしくて、こんなに近づくことすら出来なかったのが、今では鼻と鼻を擦り合わすことがとても幸せに思えていた。
目を開ける彩花は、目が合うと目を細めて笑った。
腕から胸に頭を移してくる彩花。
少し、唇を伸ばせば届いてしまうところに彩花の唇があった。
キスをしない理由がない。
軽くキスをすると、彩花は腕も足も絡めてくる。裸の足が互いの足の間にあった。
彩花は、軽いキスでは物足りないと、深く唇を重ねてくる。
舌がもつれ合う。息が苦しくなるのと同時に興奮が湧き上がってきて、2人の体を熱くする。
彩花の上になる真希乃は、彩花の瞳の中に、自分の姿を見つける。
鼻と鼻をこすり合い、唇を重ね合うと彩花の腕が真希乃を引き寄せる。
耳元の髪をかき上げる真希乃の手は、彩花の体を首筋から肩へ、腕を伝って下部へと滑らせて行く。
彩花が仰け反り身悶えすると、熱い吐息を漏らした。
「真希乃・・・」
「彩花・・・」
名を呼び合うと互いに求め合った。
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