なぜ妻は夫が自宅でゴロゴロすると不機嫌になるのか

浅野新

文字の大きさ
8 / 233

君は奴らを瞬殺できるか

しおりを挟む
今回はちょっと嫌な、読む人を選ぶ話をします。
エロか?(エロい、つまり下ネタ話)いいえ、違います。
グロか?(グロい話、つまりスプラッターな話)それも違います。

私の生涯で、ヤツらを好きだと公言する人間をいまだ聞いた事のない、「ゴキブリ」と「ムカデ」について話そうと思います。具体的には、「どうすればヤツらを発見した時に瞬殺できるのか」と言う事です。
はい、ここでヤツらの名前を聞くのも嫌な方はこの時点でページを閉じて下さい。

ではずばり本題に入りましょう。まず、「ゴキブリを瞬殺する方法」です。
経験上、殺傷能力は、軽くねじった新聞紙が1番、スリッパが次点と言ったところでしょうか。
まずは次点のスリッパから。これは、初めて家にゴキブリが出て、気が動転して思わず手に取ったものがスリッパだったと言うだけなのですが、振り上げる時にスリッパの足裏部分に独特のスナップが効くようで意外と攻撃力は高いです。2回ほどで昇天してくれます。しかしその後のスリッパを衛生上捨てなければいけないというデメリットが大きかったので、次はダメ元で新聞紙を使ってみました。・・・効きました。ええ、一撃で瞬殺できました。紙は量があると意外に強いです。捨てる時もあまりダメージはなく、実際かかるコストも少ないので新聞紙で叩く方法はお勧めです。

ここで具体的に新聞紙で一撃必殺する方法をお教えしましょう。
まず、ゴキブリを見つけた場合。大概、夜に電気をつけたら床などにいた、という事が多いと思います。急に明るくなると用心するのか、この瞬間ゴキブリはまず動こうとしません。ここがチャンスです。ここで恐怖心などから無駄にこちらが動くなどして相手を驚かせたら最悪です。動きだされると、足が早くてやっつける時に的が絞れず大変ですし、ゴキブリの動く姿は精神的にも結構ダメージを受けます。即、きびすを返して無言で足音を忍ばせつつすばやく新聞紙を取りに行ってください。古い新聞紙がベストですが、探す事に時間がかかりそうであれば今日の新聞を犠牲にしましょう。本日新聞が読めない事よりも、ゴキブリを見失ったダメージの方が断然大きいからです。

そうして一日分の新聞紙(2,3枚では威力が足りません)を軽くねじって忍び足で取って返したら、心の中で「一撃必殺!!」と念じながら、思い切りヤツの真上から真下に向ってぶっ叩いて下さい。大抵これで瞬殺できます。
ただし、恐怖で叩く力が弱かったり、変に斜め方向に叩くと一撃では死亡しない場合もあります。正直気分は最悪ですが鬼になって連打してください。「ここで1匹逃したら100匹に繁殖する」とヒッチコックも真っ青の将来像を思い浮かべながら作業すると、叩く力も自然に入ります。

「そんな事しなくても殺虫剤でいけるんじゃないの」と思った方。ゴキブリ専用の殺虫剤を使った事がないのでそれは分かりませんが、ゴキブリ用ではない殺虫剤(ハエや蚊レベルなど一般的によく買う物)を吹きかける事は、絶対にお勧めしません。それで私は大失敗しました。

段々、最強のツール、ねじった新聞紙で一発で仕留めるうちに心に余裕が生まれ、ある日1匹のゴキブリが出た時に「今までキ○チョールを試したことはなかったけど効くんだろうか」とうっかり探求心が出てきてしまったのです。それでキ○チョールと念のための新聞紙というスタイルでヤツににじり寄り殺虫剤をまいてみたんですが、地獄絵図でした。生命力が強いゴキブリは、キ○チョールレベルでは死んでくれず、しかし苦しい様でめちゃくちゃのたうちまわるんです。ゴキブリの姿形自体が直視したくないほど気味悪いですが、ひっくり返って足をバタつかせ全身でのたうちまわるヤツの姿は、反吐が出そうなほど気色が悪いものでした。何度キ○チョールをかけても死んでくれずその場で暴れまわるので、ようやく新聞紙で叩きましたが、既に気持ちがへっぴり腰になっていたのか、会心の一撃が出ないんです。虫は一層苦しむしこちらの精神的ダメージはきついし、あれは最悪でした。その後、対ゴキブリウェポンはねじった新聞紙一本に絞った事は言うまでもありません。

それにしてもゴキブリの姿を見た時のあの気持ちは何でしょうか。現実に突然現れたら恐れおののくでしょうが、CMや何かでうっかりその姿を見てしまった時に沸き上がるあの気持ち。恐怖心よりも明確に沸き上がる感情は「嫌悪感」。皆さんの場合もそうではないでしょうか。
なんせ、多くの漫画家がゴキブリが出現するシーンで、わざわざ虫にモザイクを掛ける事が多いくらいです。見ている我々に不快感を与えない為、もあるかもしれませんが、思い切り血しぶきをあげたり時に内蔵まで飛び出て人が殺されるグロテスクな描写は前面に押し出せても、たかだがゴキブリ1匹をリアルに描く事はできないと言うのもおかしい気がします。この不思議な現象はあれだと思うんです。漫画家や編集者が読者の気持ちを考慮している、と言うのは表向きの理由で、単に漫画家本人が描くのが嫌なんだろうと。
昆虫好きでもゴキブリが好きな人は聞いた事がありませんし、並み居る虫の中でもダントツに忌み嫌われているのは圧倒的にゴキブリが多いと思います。これはもう遺伝子レベルで人類に植え付けられているんじゃないかと思うほどです。

個人的推測ですが、ゴキブリは恐竜が生きていた時代には既に存在していたと言いますから(しかも恐ろしい事に当時の姿は巨大だったらしい)、人類が生まれた時から奴らと食料を巡って争っていたのではないでしょうか。奴らに遭遇してヒグマに出くわした時のような恐怖心を抱く人は少なく、思わず顔をしかめる嫌悪を感じる人が大半だと言う事を鑑みるに、古代でも人の命を奪うほどの攻撃性のある虫ではなかったと思うんです。恐らく食料を巡って、それを食ったり食われたり、当時の人間が「くっそー腹立つ!!」と地団太を踏む事が多かったんじゃないかなと。その悔しかったり腹を立てたりした古代人のDNAが我々に組み込まれていて、ゴキブリを見ると思わず嫌悪感が出る、という遺伝的自動システムになっているんじゃないかと私は思っています。

では次にムカデに話を移しましょう。その点、ムカデはいかにも「悪」な感じがかっこよく写るのか、リアルに描く漫画家もいますね。気色悪い事に変わりませんが、それは足が多すぎる=人間の二本足からかけ離れているという事で、蜘蛛などもそうですが、多足類に感じる人間の自然的な違和感反応ではないでしょうか。我々がゴキブリに抱く嫌悪感とはまた種類が違うような気がします。

さて、本題のムカデの退治方法ですが、これは効果的+こちらも精神的ダメージが少ない良い方法がありましたら教えて欲しいです。やっつけな方法ではなく、あくまで「一瞬で葬り去れる方法」です。
ヤツらは体を覆う殻がゴキブリよりかなり頑丈なのか、ねじった新聞紙でも1回ではやっつけられないのです。今のところ他の良い方法を知らないため、ねじった新聞紙で叩きつけていますが、1回でお陀仏しない分、長い体をくねらせ多すぎる足でもがき、のたうちまわるヤツらを何度も叩き付けるのはこちらの神経も地味に削られます。一応、ねじった新聞紙で葬り去れます。が、時間は多少かかります。

と言う訳で少々未消化感がぬぐえず、申し訳ないのですが、ゴキブリやムカデが突然出てきてパニック、専用殺虫剤も何もないよ!という時にはぜひ新聞紙でご対応ください。なんとかなります。
余談ですが、男子及び男性の皆さん、女子及び女性にモテたかったら1番簡単な方法があります。
ヤツらが出たら決して逃げず(最悪なパターンは代わりに女性に退治してもらう事です)、無言で新聞紙でどん!とやって下さい。あなたへの女性陣からの好感度は確実にアップします。下がる事は絶対ありませんので新聞紙を握りしめてレッツトライ。


しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

痩せたがりの姫言(ひめごと)

エフ=宝泉薫
青春
ヒロインは痩せ姫。 姫自身、あるいは周囲の人たちが密かな本音をつぶやきます。 だから「姫言」と書いてひめごと。 別サイト(カクヨム)で書いている「隠し部屋のシルフィーたち」もテイストが似ているので、混ぜることにしました。 語り手も、語られる対象も、作品ごとに異なります。

処理中です...