【完結】大好きな先輩に恋人ができたと知った夜、俺は大嫌いな先輩の親友に何故か抱かれていました。

赤牙

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送別会 ③

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「俺……その人のこと好きなんでしょうか……?」
「好きに決まってるじゃん! てか、好きだから一緒にいるんでしょ?」

好き………。
俺……苳也先輩が………好き……。

そう意識し出すと胸が張り裂けそうなくらいドキドキして顔が燃えるように熱くなる。
ど、ど、どうしよう! 
俺……俺……苳也先輩を本当に好きになっちゃったんだ!

「望しぇんぱい優香しぇんぱいぃぃ……俺……どうしたらいいんすかぁ~」
「こりゃ告白あるのみだよ千景くん!」
「うんうん! ハッピーエンドはすぐ目の前だよ!」

二人は大きく頷きながら俺に『告白』だと言ってくるが……告白なんて俺にできるだろうか……。

「こ、告白……。俺……ちゃんと好きって……いえるかな……」
「言えるよ! 不安なら告白の練習付き合うよ!」
「え! いいんすか!」
「うん! どんとこい!」

望先輩がそう言ってくれるので、体を起こして正座して先輩と向き合う。
なんだが気恥ずかしいけど、本番はもっと恥ずかしいんだから我慢しなきゃ……。

照れながら望先輩の手を取り見つめながら告白の練習をする。

「先輩……あの……好きです……」
「くっ……。いいね千景くん。その恥じらう姿と潤んだ瞳……。最高!」
「あ~望だけずる~い。私も私も~!」

優香先輩も練習させてくれるようで、今度は優香先輩の手を取って……

「先輩……俺、先輩のこと大好……」



「おい。千景……」

優香先輩に告白の練習していると、すんごい不機嫌な声が頭上でして、後を振り向けば眉間に皺を寄せ、とんでもなく不機嫌顔の苳也先輩の顔が見える。
突然現れた大好きな人にボンと顔が熱くなる。

「せ、せ、先輩もうバイト終わったんれすか? ラストまでじゃ……」
「直史がラスト変わってくれたんだよ……。お前、何やってんだよ……」
「何って……あっ……」

優香先輩の手を握りしめていたのを思い出し、そっと手を引っ込める。
無言で圧をかけてくるので俺と望先輩達は正座したまま小さくなっていると、バカデカなため息を苳也先輩が吐く。

「千景……。お前酒飲んだだろ……」
「は、はいっ!」

バカ正直にビシッと手を上げ酒を飲んだことを告白すると、苳也先輩の眉間の皺が深くなる。

「ハァァ……。ったく、また変なことする前に帰るぞ」
「へ、変なことなんてしてないです!」
「そうよそうよ! 私達は千景くんと恋バナしてただけだもん!」
「恋……バナ……?」

苳也先輩の鋭い視線が俺に向けられる。

う……。
もしかして俺が先輩のこと好きってことバレたのかな……?

恥ずかしくて目を逸らすと、苳也先輩は頭をガシガシと掻き手荒く俺の腕を掴む。

「わりーけど千景は連れて帰るから」
「「えぇっ!?」」
「あ、ちょ……苳也先輩……」

呆然とする望先輩達を置いて、苳也先輩に手を引かれ俺は送別会を後にした……。
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