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2章
初夜準備
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結婚式が終わり、参列者の方々も帰宅を始め……足が少し踊り過ぎて疲れたかな? うーん。おでこに結婚印が出てしまうという失敗もしたけど、無事に終わって良かった。
休憩室で足を伸ばして「んーっ」と、体を解しているとアーデルカさんとメイドさん達が来て、「帰りましょう」と促される。
「イクスがまだみたいなんですけど……」
「良いのですよ。花婿は最後までお客様を送り届ける義務がありますので、花嫁は先に家に帰り、花婿を出迎える準備がありますからね」
「そうなんですか? お見送りなら私もするのに……」
「リト様、少しでも体を休ませておきませんと、体が持ちませんよ?」
「はーい」
ここで駄々をこねてもメイドさん達の手を煩わせる事になるので大人しく、公爵家の馬車に乗ってお屋敷に帰ることにした。
花婿を出迎える準備って、普通に一緒に帰った方が良い気もするんだけどね。
馬車を往復させるのも大変な気がするんだけど……
お屋敷に戻って、ウエディングドレスを脱がせてもらって、アップした髪も飾りを取って前髪がおでこに掛かると、何とか結婚印は隠れる範囲で、少しだけホッとした。
まぁ、イクシオンの妻になったのだから、堂々と見せても良いのだけど、おでこを人に一番初めに見られそうで……それはそれで恥ずかしいなーって、思う。
大浴場に行ってメイドさん達になすがまま、洗われるがままの私は、式で踊りつかれていたのもあって、お風呂上りに全身マッサージでオイルを塗られている間に寝落ちしてしまい、揺り動かされて目を覚ました時には、とてもいい香りの私が出来上がっていた。
「なんだか、お花みたいなお菓子みたいな、甘くていい香りがしますね?」
「リト様の番特有の香りですわ」
「番特有の香りですか?」
「はい。こちらの香油を体に塗り込みますと、番のフェロモンを倍増させる事が出来ます」
そう言ってメイミーさんが見せてくれたのは、パールピンクの丸いガラス瓶で、蓋を開けて貰ったけど、特に匂いがするわけじゃないようだ。
フェロモン……メスがオスを呼んだりする匂いだよねぇ?
うーん。エッチな響きだ。
「リト様、私達は本日から数日、お暇させて頂きますので、後はイクシオン殿下と仲良くお過ごしくださいませ」
「え? 皆さん、どこか行っちゃうんですか?」
「数日ですが、休暇を頂きましたので。デンやボンスケもビブロースが連れて行っておりますから、ご安心くださいませ」
「え? ええ? そうなんですか?」
ゲッちゃん達まで連れて休暇とは申し訳ない様な……でも結婚式が日程が早まったのもあって、皆ここ数日寝ずに準備しててくれたしね。うん。仕方がないか―……
「お食事はキッチンにウィリアムが作り置きしていますが、全部、イクシオン殿下がご用意して下さると思います。では、わたくし達はこの辺で」
「リト様、頑張って下さいませ」
「はい。皆さんも休暇をゆっくり過ごしてください」
部屋から出ていくメイドさん達を見送り、自分の体から香る甘い香りにフンフンと鼻を動かす。
そして、ようやく気付いた……
獣人の人は鼻がいいイコール番のフェロモンをここまでさせていたら、かなりのアピールをしてしまっているのではないかと……っ!?
いや、確かに式が終わったから、男女のする事は一つだけど、こんなアピールしまくりの状態って……
「ど、どうしよ……?」
もう一度お風呂に入って流しちゃう? でも、折角メイドさん達が香油を塗ったのを無下にしてもいいのかなぁ?
って、待って!!
私の恰好が……透けたベビードールに透けた紐パンツなんだけど!?
ちょっ!! これは駄目! 流石に無理ぃぃ~っ!!
せめて自分で準備した下着とかに穿き替えよう。
「あれ? この部屋、どこ?」
寝落ちしたまま運ばれてたから、頭がぼやーんとしてたけど、この部屋は屋敷のどこー!?
随分大きな部屋で、ベッドも大きいし、キングサイズかな? 寝室なのは間違いないだろうけど、私はこのお屋敷の人が風邪の時に、各部屋をシーツ交換で走り回ったから、ここまで豪華な寝室は見逃してないはず……なんだけどなぁ。
でも三年前の記憶だし……
こっちでは三ヶ月だけど、三ヶ月の間に部屋を増やしたとか?
ウロウロと部屋を見て回り、バタンと扉の音がしてメイドさん達の声が小さく聞こえ、再び扉が閉まる音がした。
メイドさん達が旅行カバンを持って出掛けていく姿が見えて、ここが一階だという事がわかる。
「皆、楽しそう……」
久々の休暇かもしれないし、ゆっくり休んできてくれたら良いな。
でも数日って何日くらいなんだろう? 少し濁した感じで言われた気もしないでもない。
「あ、それより、着替えなきゃ」
扉を開けて出ていこうと、扉に手をかけた時、外側に手が引っ張られ「わっわっ!」と声を出して、慌てれば「リト?」とイクシオンの声が上からした。
どうやら、イクシオンが扉を開けたのと、私が開けたのが同時だったっぽい。
「お、おかえりなさい」
「ただいま。どうしたんだ?」
「あっ、あのね。この部屋がどこか分からなくて、とりあえず自分の部屋に戻ろうと思ってたんだけど……」
「ああ、ここはオレとリトの寝室だ。この間、森に行っている間に用意させた」
「へっ? そうなの?」
あ、そうか。夫婦になったなら、夫婦の寝室を用意する物だよね。
私はイクシオンの部屋をそのまま夫婦の部屋にするのかなー? とか、思っていたんだけど、公爵家ともなれば、部屋数も多いから用意出来ちゃうものなんだなぁ……
「リト、とりあえず中に入ろうか?」
「あ、うん」
イクシオンに促されて部屋の中に戻り、後ろからギュッと抱きしめられる。
サラッとしたイクシオンの長い銀色の髪が、私の頬に当たり肩へ流れていく。
綺麗な長い髪。結婚したら男性は切るらしいけど、王様との謁見もあるし、イクシオンはどうするんだろう?
私との結婚は王様には知られないようにするみたいだけど……
「凄く甘い香りがする」
「あ、それ、番の匂いなんだって。私、こんないい香りじゃないはずなんだけど……」
「いいや、リトの香りだ。匂いが強いが、オレが初めて自分の『番』だと感じ取った匂いだ」
「そう、なんだ……恥ずかしいかも」
「恥ずかしがらなくていい、まぁ、恥ずかしがってるリトも可愛くて魅力的だけどね」
甘い囁きに余計に恥ずかしくなって、心の中で身悶え中の私に、イクシオンが後ろから首筋にキスを落としてくる。
チュッと音を立てて、少し強く吸われて首筋が熱を持ったような気がする。
「お風呂に入って来るから、ベッドの上で待ってて」
「あ、はい……」
イクシオンが部屋の中にある扉に入り、お風呂場はあそこなのかと、ぼんやり思いながら、吸われた首筋に手を当てて、ベッドの縁に座ると静かに柔らかくお尻が沈む。
ふわふわのベッド……ここで初夜なんだ……
ん? 初夜!? そうだ。まごう事なき初夜だーっ!!
意識した途端、一気に羞恥心でカチンコチンの私が出来上がっていた。
休憩室で足を伸ばして「んーっ」と、体を解しているとアーデルカさんとメイドさん達が来て、「帰りましょう」と促される。
「イクスがまだみたいなんですけど……」
「良いのですよ。花婿は最後までお客様を送り届ける義務がありますので、花嫁は先に家に帰り、花婿を出迎える準備がありますからね」
「そうなんですか? お見送りなら私もするのに……」
「リト様、少しでも体を休ませておきませんと、体が持ちませんよ?」
「はーい」
ここで駄々をこねてもメイドさん達の手を煩わせる事になるので大人しく、公爵家の馬車に乗ってお屋敷に帰ることにした。
花婿を出迎える準備って、普通に一緒に帰った方が良い気もするんだけどね。
馬車を往復させるのも大変な気がするんだけど……
お屋敷に戻って、ウエディングドレスを脱がせてもらって、アップした髪も飾りを取って前髪がおでこに掛かると、何とか結婚印は隠れる範囲で、少しだけホッとした。
まぁ、イクシオンの妻になったのだから、堂々と見せても良いのだけど、おでこを人に一番初めに見られそうで……それはそれで恥ずかしいなーって、思う。
大浴場に行ってメイドさん達になすがまま、洗われるがままの私は、式で踊りつかれていたのもあって、お風呂上りに全身マッサージでオイルを塗られている間に寝落ちしてしまい、揺り動かされて目を覚ました時には、とてもいい香りの私が出来上がっていた。
「なんだか、お花みたいなお菓子みたいな、甘くていい香りがしますね?」
「リト様の番特有の香りですわ」
「番特有の香りですか?」
「はい。こちらの香油を体に塗り込みますと、番のフェロモンを倍増させる事が出来ます」
そう言ってメイミーさんが見せてくれたのは、パールピンクの丸いガラス瓶で、蓋を開けて貰ったけど、特に匂いがするわけじゃないようだ。
フェロモン……メスがオスを呼んだりする匂いだよねぇ?
うーん。エッチな響きだ。
「リト様、私達は本日から数日、お暇させて頂きますので、後はイクシオン殿下と仲良くお過ごしくださいませ」
「え? 皆さん、どこか行っちゃうんですか?」
「数日ですが、休暇を頂きましたので。デンやボンスケもビブロースが連れて行っておりますから、ご安心くださいませ」
「え? ええ? そうなんですか?」
ゲッちゃん達まで連れて休暇とは申し訳ない様な……でも結婚式が日程が早まったのもあって、皆ここ数日寝ずに準備しててくれたしね。うん。仕方がないか―……
「お食事はキッチンにウィリアムが作り置きしていますが、全部、イクシオン殿下がご用意して下さると思います。では、わたくし達はこの辺で」
「リト様、頑張って下さいませ」
「はい。皆さんも休暇をゆっくり過ごしてください」
部屋から出ていくメイドさん達を見送り、自分の体から香る甘い香りにフンフンと鼻を動かす。
そして、ようやく気付いた……
獣人の人は鼻がいいイコール番のフェロモンをここまでさせていたら、かなりのアピールをしてしまっているのではないかと……っ!?
いや、確かに式が終わったから、男女のする事は一つだけど、こんなアピールしまくりの状態って……
「ど、どうしよ……?」
もう一度お風呂に入って流しちゃう? でも、折角メイドさん達が香油を塗ったのを無下にしてもいいのかなぁ?
って、待って!!
私の恰好が……透けたベビードールに透けた紐パンツなんだけど!?
ちょっ!! これは駄目! 流石に無理ぃぃ~っ!!
せめて自分で準備した下着とかに穿き替えよう。
「あれ? この部屋、どこ?」
寝落ちしたまま運ばれてたから、頭がぼやーんとしてたけど、この部屋は屋敷のどこー!?
随分大きな部屋で、ベッドも大きいし、キングサイズかな? 寝室なのは間違いないだろうけど、私はこのお屋敷の人が風邪の時に、各部屋をシーツ交換で走り回ったから、ここまで豪華な寝室は見逃してないはず……なんだけどなぁ。
でも三年前の記憶だし……
こっちでは三ヶ月だけど、三ヶ月の間に部屋を増やしたとか?
ウロウロと部屋を見て回り、バタンと扉の音がしてメイドさん達の声が小さく聞こえ、再び扉が閉まる音がした。
メイドさん達が旅行カバンを持って出掛けていく姿が見えて、ここが一階だという事がわかる。
「皆、楽しそう……」
久々の休暇かもしれないし、ゆっくり休んできてくれたら良いな。
でも数日って何日くらいなんだろう? 少し濁した感じで言われた気もしないでもない。
「あ、それより、着替えなきゃ」
扉を開けて出ていこうと、扉に手をかけた時、外側に手が引っ張られ「わっわっ!」と声を出して、慌てれば「リト?」とイクシオンの声が上からした。
どうやら、イクシオンが扉を開けたのと、私が開けたのが同時だったっぽい。
「お、おかえりなさい」
「ただいま。どうしたんだ?」
「あっ、あのね。この部屋がどこか分からなくて、とりあえず自分の部屋に戻ろうと思ってたんだけど……」
「ああ、ここはオレとリトの寝室だ。この間、森に行っている間に用意させた」
「へっ? そうなの?」
あ、そうか。夫婦になったなら、夫婦の寝室を用意する物だよね。
私はイクシオンの部屋をそのまま夫婦の部屋にするのかなー? とか、思っていたんだけど、公爵家ともなれば、部屋数も多いから用意出来ちゃうものなんだなぁ……
「リト、とりあえず中に入ろうか?」
「あ、うん」
イクシオンに促されて部屋の中に戻り、後ろからギュッと抱きしめられる。
サラッとしたイクシオンの長い銀色の髪が、私の頬に当たり肩へ流れていく。
綺麗な長い髪。結婚したら男性は切るらしいけど、王様との謁見もあるし、イクシオンはどうするんだろう?
私との結婚は王様には知られないようにするみたいだけど……
「凄く甘い香りがする」
「あ、それ、番の匂いなんだって。私、こんないい香りじゃないはずなんだけど……」
「いいや、リトの香りだ。匂いが強いが、オレが初めて自分の『番』だと感じ取った匂いだ」
「そう、なんだ……恥ずかしいかも」
「恥ずかしがらなくていい、まぁ、恥ずかしがってるリトも可愛くて魅力的だけどね」
甘い囁きに余計に恥ずかしくなって、心の中で身悶え中の私に、イクシオンが後ろから首筋にキスを落としてくる。
チュッと音を立てて、少し強く吸われて首筋が熱を持ったような気がする。
「お風呂に入って来るから、ベッドの上で待ってて」
「あ、はい……」
イクシオンが部屋の中にある扉に入り、お風呂場はあそこなのかと、ぼんやり思いながら、吸われた首筋に手を当てて、ベッドの縁に座ると静かに柔らかくお尻が沈む。
ふわふわのベッド……ここで初夜なんだ……
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