黒狼の可愛いおヨメさま

ろいず

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16章

危険な黒馬と双子のお嬢さん ※微エロ

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 黒く滾った肉欲を細腰を引き寄せて下から上に突き上げれば、白い肌をした肢体が大きく仰け反る。

「ふっ、くぅっ・・・ああああっ、入りきりませんっ!やめてぇっ!」

 泣きながら懇願して揺さぶられるままに嬌声を上げる黒い髪の少女のあられもない姿を愉しみ欲望をぶつける事に恍惚とした目を向ければ、焦点の合わない黒い瞳は涙を溢れさせて閉じられる。
浅く深く突き立てては歯を食いしばる少女の姿に余計に欲望が滾り、乱暴な程に掻き抱く。

「ぃやぁああああっ!だん、なさま、許してっ、ああっ!」

 可愛らしい顔を苦痛で歪める新妻の顔を覗き見てゾクゾクとした下半身から突きあがる様な快感に、新妻の中に吐精すると細い彼女の肢体はビクビクと動いて足のつけ根から収まりきらない白濁で下肢を汚していく。
ぐったりと肢体を白いシーツの上で投げ出した彼女の鎖骨の間に光るのは赤く大きな宝石【バイコーンレッドスターチア】家宝の生涯の伴侶に贈る最高級品。

「私の可愛いミルア・・・愛しているよ」

 そう呟いて口づけを交わすと、ミルアの目が開く。

「私が愛してるのはあなたじゃないわ」

 ミルアが迷惑そうな顔をしてディトリックスから離れると、黒い狼獣人の男に抱き上げられて幸せそうに微笑んでいる。

「待ってくれ!君は私の妻だろう!!!」

 目を開けると、東風の天井にベッドではなく敷布団。
ようやく頭がハッキリしてくると、ここが温泉大陸で【刻狼亭】の旅館の一室だと記憶がハッキリしてくる。
浴衣の中が夢精で滑って気持ち悪い・・・朝から自己嫌悪に陥りそうな嫌な目覚めにため息を吐く。

『残念ながら【刻狼亭】は娘さんのミルア・トリニアとの釣書など出してはいません。騙された様ですね』

 【刻狼亭】の従業員が自分達でも何者の仕業なのかを調べると言ってこちらの許す限り、滞在をと願われこの旅館に滞在しているのである。
領地には温泉大陸から妻を連れて帰ると言って出てきただけに、帰りづらいのもある。
しかも、釣書の姿絵の少女はミルア・トリニアの母親で温泉大陸の当主の番。
番を番から引き離す事など出来る筈もなく、釣書が来てから毎晩の様に夢の中でも妄想で自分を慰める時でも夢見ていたミルアは手に入らない。

 とても可愛かったのだ。
自分の妻にこの少女がなるのかと思うと何をしてでも手に入れたかった。
逸る気持ちを抑えきれずにここまで出迎えに来てみれば、騙されていたという・・・。

 落ち込んでいると、横から可愛らしい声がする。
鈴を転がすようなふわりとした声は2つあり、甘い香りが部屋に立ち込める。

「お客様、大丈夫ですの?」
「朝食お持ちしましたの」

 黒髪に三角耳をした薄い桃色の着物を着た双子の少女がにこりと笑って座っていた。
昨日会ったミルア・トリニアの母親によく似た少女達で食事の用意をテーブルの上に並べて行く。
甘い香りに・・・一つの可能性が過る。

『この2人のうち一人は自分の番では無いだろうか?』

 番の匂いは甘く香るという。
番の居ない自分にはそれはどんな匂いかは判らないが、この甘い匂いは・・・。

「君達は?」
「この【刻狼亭】の娘ミルア・トリニアですわ」
「同じく【刻狼亭】の娘ナルア・トリニアですの」

 この子が本物のミルア・トリニアなのかと驚きと一緒にこみ上げてくるのは喜びだった。
この子は自分の番かもしれない。小さいがあと数年経てばあの母親の様になるのだろう。

「あ、お客様聞きましたわ。騙されてしまったのですって?」
「こんな所まで遠路はるばる足を運ばれたのに悲しいですわね」
「いや、そんな事は無い・・・」

 そう、釣書では騙されたかもしれないが、本当の番を手に入れる事が出来るのだから。
2人は顔を見合わせてこちらを見て笑うと白いナプキンに可愛くピンクのリボンが掛かっている物を差し出してくる。

「わたくし達クッキーを焼いてきましたの」
「これを食べて元気を出してくださいませ」

 差し出されたナプキンに掛かっているピンクのリボンを解くとフワッとクッキーの甘い香りが部屋に広がる。
番の匂い・・・では無かった・・・。

 しかし、この可愛らしく笑う少女達を手に入れたい欲が心の中で広がっていく。
ほんの少し手を伸ばせば届きそうな距離に居る2人にゴクリと生唾を飲み込む。
布団から起きて立ち上がった瞬間、部屋の扉が開く。

「ミルア!ナルア!オレを置いていくな!」
「ワシも主に怒られるじゃろ!」
「あら?ローランドにニクストローブ」
「もう見つかってしまいましたわ」

 赤いドラゴンと土色のドラゴンが部屋に入ってきて、ミルアとナルアがドラゴの方を向く。

 ぴしゃっ・・・。

  ミルアとナルアがキョトンとした顔でディトリックスを見る。
頭から白く濁ったとろみのある透明な液が垂れて2人は目を瞬いた後、自分達の顔の前に反り立った黒い棒状の物を見て、その棒状の物がディトリックスの浴衣から出ている事に口元を引きつらせる。

「「なっ・・・!!!」」

「「きゃぁあああああああああ!!!!」」

 同時に声を出したのはローランドとニクストローブで、そのあとで2人の悲鳴が上がる。
ディトリックスが声を出す前に2人の前にニクストローブが岩で囲いを作り、ローランドが口から火を吐いていた。


 
「有罪・・・かな?」
「同情の余地がある様な無い様な・・・」
 
 製薬室に運ばれたディトリックスから理由を聞き、過剰防衛とはいえど、危険と判断されたディトリックスは【刻狼亭】の代理当主のリュエールとシュトラールに早々に温泉大陸から治療が終わり次第出て行くように言われたのである。

「朝の生理現象とはいえど、流石に出したりはしないからねぇ」
「あー、うん。フィリアが横で寝てたら別だけど」
「シュー、黙って」

 2人の兄達は早速ルーファスとの約束を破り危ない目に遭いそうになった妹達をどうするか頭を悩ませる。

「母上~っ!!!足みたいだったのです!」
「母上~っ!!!気持ち悪かったのです!」

 ぴぇえええっとお風呂場で泣き叫ぶ2人に朱里は抱きつかれて、流石にこれはトラウマものかしら?と眉を下げる。

「ミルア、ナルア。だから父上が言ったでしょう?ローランドとニクストローブを連れて歩きなさいって。勝手にディトリックスさんの所に朝食を持って行くなんて、危険に自分達から飛び込んだのよ?」
「だって、騙されたなんて可哀想で・・・元気にしてあげたかったのです」
「慰めて差し上げようと・・・クッキーをあげたかったのです」
「2人の優しい気持ちは良い所だけど、言いつけを破ったのは駄目です。父上が帰って来るまでは外出禁止ですからね?」
「懲りたのです・・・」
「お家で大人しくするのです・・・」

 しゅんとミルアとナルアが耳を下げて「男の人怖いのです」とべそをかく。
あらら・・・と、朱里が2人をバスタオルで包みながら「大丈夫ですよー」と声を掛けて慰めながら2人を部屋で休ませ、リュエールとシュトラールに話をしに行く。

 リビングで腕組をしているリュエールと腰に手を当てて心配そうにしているシュトラールは朱里に気付くと直ぐに朱里の元へ来る。

「母上、2人は大丈夫そう?」
「母上、2人共泣いてない?」
「んー、何とも言えないわね。父上が帰って来るまでお屋敷から出たくないみたい。男の人が怖いって言ってるのがどこまで根が深いかによるわね」
「仕方ないね。当分は様子見だね」
「大丈夫かなぁ?オレ体の方なら治してあげられるけど心は専門外だから」
「ミルアもナルアも反省してるから今回は懲りたでしょうし、あんまり怒らないであげてね」

 流石に怖い思いをした妹達にこれ以上は可哀想かと色々言いたかったが朱里の言葉に頷く。
朱里に2人を頼むとリュエールとシュトラールは屋敷を出て【刻狼亭】へ戻っていく。

「シュー、バカな事考えないでね」
「リューこそ、危ない事しないでね」
 
 2人は笑顔を交わし合うが目が笑っておらず、お互いに無言で歩き始める。
2人が向かったのはディトリックスが治療を受けている製薬室で、リュエールが口を開いた途端【破壊】と呪文を唱えたのをシュトラールが【全回復】と一部を除いて治療して、ディトリックスを温泉大陸から叩き出したのである。

「シュー、治してあげないんだ?」
「跡継ぎなんて養子でもいいんだし、良いんじゃない?」

 2人は「さて、仕事に戻ろうか」と戻っていく。
残された製薬部隊は内股気味に「若達怖い・・・」と震えるのだった。
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