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17章
氷竜と遊園地2
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昼食が終わってレストランを出るとルーシーの手をミルアとナルアが掴み「行くのですわー!」と元気に歩き出す。
「あの子達は探究心の塊だな」
「若い頃は不思議な物に興味が湧きますからね」
「我はまだ遊び足りんぞ?」
3人の後を追いながらティルナールとエルシオンがはぐれない様にルーファスとグリムレインが肩車をしながら歩く。先を進むミルアとナルアも背の高いグリムレインに肩車をされているティルナールを目印に動くので良い目印になっている。
遊園地のパンフレットを見たもののミラーハウスの様な建物は無く、案内係に聞いても鏡を使ったアトラクションは無いという。
「噂は噂なのかしらね?」
「そんなぁー温泉大陸に来たお客さんに聞きましたのにぃ」
「謀られましたわー・・・」
しゅんとルーシーが下を向き、ミルアとナルアが小さく溜め息を吐いた後で「遊びますわよー!」と片手を上げてルーシーの手を引いて『シャボン』というシャボン玉の様な物を魔法でピョンピョン飛び跳ねさせるトランポリンの様な物に入っていく。
グリムレインがエルシオンをルーファスから預かってティルナールと3人で入っていく。
「ルーファスは入らなくても良いんですか?」
「アカリと子供達をこちら側から見ている方が楽しいからいい」
10分程は『シャボン』から出られないらしいので朱里とルーファスはその間は子供達を見ながらのんびりと過ごすしかない。
「あっ、何か飲み物でも買いに行きましょうか?」
「そうだな。一緒に行くか。まだ時間が掛かるだろうしな」
楽しそうなミルア達に手を振って一緒に手を繋ぎながら飲み物が売っている売店へ行きルーファスは温かいジンジャーティーに朱里は温かいアップルティーを買って『シャボン』の所まで帰る途中で雨がポツポツと降ってきた。
空を見上げれば曇天の曇り空で一気にザーッと雨脚が早くなり目の前が雨で見えなくなる。
「わっ!ルーファスどうしましょう?!」
「仕方がないな。シャボンの方は魔法だから濡れる事は無いと思うが、とりあえず避難しておくか」
「はい!屋根のある所に行きましょう」
小走りに駆けながら1つの建物の前に行く。
銀色のペンキで塗られた小屋には絵が描いてあり、それは3匹の少し凶悪そうな豚の顔だった。
「何でしょうココ?」
「『ひがみといやみとあざけり』と書いてあるが訳が分からんな」
ルーファスが少し頭を振って水を飛ばすと乾燥魔法で水気を飛ばしていく。
乾いた側から激しい雨で足元が濡れていく為に緊急避難とばかりに小屋のドアを開けると、そこは何かの劇場だった。
3列ほどの長い椅子が置いてあり、ステージには人形劇に使う人形がぶら下がっている。そして天井には小屋に描かれていた3匹の豚が嫌味たらしく笑っている顔が大きく描いてある。
劇場にはルーファスと朱里の2人だけで少し冷え冷えとした劇場の中でもう一度乾燥魔法を使って足元から乾かし、温くなる前にと買った飲み物を少し飲んでいると、ブーッと音がして照明が消え、ステージに照明があたる。
椅子に座ってとりあえずステージに目を向けると、ステージの真ん中には頭上で嫌味たらしく笑っている豚3匹の人形が居る。
『やぁやぁ、僕はひがみだよ。世の中を常にひがんでいるのさ』
左端の豚はそう言って小憎たらしい顔で笑う。
『やぁやぁ、僕はいやみだよ。世の中にいやみを言う為にいるのさ』
右端の豚はそう言って口元を歪めて笑う。
『やぁやぁ、僕はあざけりだよ。世の中全てをあざける為にいるのさ』
真ん中の豚はそう言って天井を見上げる様に笑う。
豚たちは鼻をフゴフゴいわせてステージの上を動き回る。
『くんくんくん。おやおや、ココに我々の嫌いなワンコロの匂いがするぞ』
『くんくんくん。おやおや、本当だ嫌われ者が居るようだ』
『くんくんくん。おやおや、ワンコロは始末したハズなのにまた居るぞ』
豚たちは椅子に座るルーファスと朱里を見るが、観客は2人しか居ないのだからそれは仕方がないのかもしれないが、しかし何とも言えない嫌な感じの豚たちである。
「何というか可愛くない豚だね」
「噛みついて振り回したくなるな・・・」
思わず朱里が豚の人形を狼姿のルーファスが振り回すところを想像してクスッと笑ってルーファスを見上げると、目線が少し下がる。
「あれ?ルーファス何で獣化してるの?」
「ん?いやオレは獣化なんてしてないぞ・・・っ!」
ルーファスが自分の姿に驚くとステージの上の豚たちが笑いだす。
左の豚は両手を口で押えながら笑い、右の豚はお腹を押さえてこちらを指さしながら笑い、真ん中の豚は腰に手を当てて天井を見上げて笑う。
『『『わはははははあははははは』』』
『見たかワンコロ手も足も出まい!』
『ワンコロめ!これで大人しくなるがいい!』
『そぉーれ!とっておきだ!取ってこいワンコロめ!』
3匹の豚がルーファスと朱里に手の平サイズのボールを投げると目の前でボールが破裂し紙吹雪が舞う。
ボールの破裂した音にビックリしつつも朱里が笑えないスベッたお笑い芸能人みたいだなっとムッとすると、ルーファスもムッとした顔をしていた。
「ルーファス、雨でしょうけど子供達も心配だから出ます?」
「ああ。・・・しかし体が獣化から戻らんな」
「ええ?!大丈夫なの?」
「魔力は十分あるはずなんだが・・・」
朱里とルーファスが席を立つと豚たちがまた笑いだす。
『くすくす。負け犬が尻尾を巻いて逃げて行くよ』
『くすくす。無様な負け犬だ』
『くすくす。これに懲りたら僕の前に現れるんじゃないぞー』
豚たち3匹は手を振ってルーファスと朱里が出て行くのを見送り、ドアを閉めると『プーッあはははは』と笑い声が後ろからしていた。
「本当に『ひがみといやみとあざけり』って小屋のタイトル通りだったね」
朱里がドア越しにべぇっと舌を出して前を向くと目の前のルーファスにぶつかりそうになる。
「わっ、ルーファスどうしたの?雨まだ酷そう?」
「いや・・・なんだココは?」
立ち止まるルーファスから目線を外せば、そこは鏡張りの世界が広がっていた。
「あの子達は探究心の塊だな」
「若い頃は不思議な物に興味が湧きますからね」
「我はまだ遊び足りんぞ?」
3人の後を追いながらティルナールとエルシオンがはぐれない様にルーファスとグリムレインが肩車をしながら歩く。先を進むミルアとナルアも背の高いグリムレインに肩車をされているティルナールを目印に動くので良い目印になっている。
遊園地のパンフレットを見たもののミラーハウスの様な建物は無く、案内係に聞いても鏡を使ったアトラクションは無いという。
「噂は噂なのかしらね?」
「そんなぁー温泉大陸に来たお客さんに聞きましたのにぃ」
「謀られましたわー・・・」
しゅんとルーシーが下を向き、ミルアとナルアが小さく溜め息を吐いた後で「遊びますわよー!」と片手を上げてルーシーの手を引いて『シャボン』というシャボン玉の様な物を魔法でピョンピョン飛び跳ねさせるトランポリンの様な物に入っていく。
グリムレインがエルシオンをルーファスから預かってティルナールと3人で入っていく。
「ルーファスは入らなくても良いんですか?」
「アカリと子供達をこちら側から見ている方が楽しいからいい」
10分程は『シャボン』から出られないらしいので朱里とルーファスはその間は子供達を見ながらのんびりと過ごすしかない。
「あっ、何か飲み物でも買いに行きましょうか?」
「そうだな。一緒に行くか。まだ時間が掛かるだろうしな」
楽しそうなミルア達に手を振って一緒に手を繋ぎながら飲み物が売っている売店へ行きルーファスは温かいジンジャーティーに朱里は温かいアップルティーを買って『シャボン』の所まで帰る途中で雨がポツポツと降ってきた。
空を見上げれば曇天の曇り空で一気にザーッと雨脚が早くなり目の前が雨で見えなくなる。
「わっ!ルーファスどうしましょう?!」
「仕方がないな。シャボンの方は魔法だから濡れる事は無いと思うが、とりあえず避難しておくか」
「はい!屋根のある所に行きましょう」
小走りに駆けながら1つの建物の前に行く。
銀色のペンキで塗られた小屋には絵が描いてあり、それは3匹の少し凶悪そうな豚の顔だった。
「何でしょうココ?」
「『ひがみといやみとあざけり』と書いてあるが訳が分からんな」
ルーファスが少し頭を振って水を飛ばすと乾燥魔法で水気を飛ばしていく。
乾いた側から激しい雨で足元が濡れていく為に緊急避難とばかりに小屋のドアを開けると、そこは何かの劇場だった。
3列ほどの長い椅子が置いてあり、ステージには人形劇に使う人形がぶら下がっている。そして天井には小屋に描かれていた3匹の豚が嫌味たらしく笑っている顔が大きく描いてある。
劇場にはルーファスと朱里の2人だけで少し冷え冷えとした劇場の中でもう一度乾燥魔法を使って足元から乾かし、温くなる前にと買った飲み物を少し飲んでいると、ブーッと音がして照明が消え、ステージに照明があたる。
椅子に座ってとりあえずステージに目を向けると、ステージの真ん中には頭上で嫌味たらしく笑っている豚3匹の人形が居る。
『やぁやぁ、僕はひがみだよ。世の中を常にひがんでいるのさ』
左端の豚はそう言って小憎たらしい顔で笑う。
『やぁやぁ、僕はいやみだよ。世の中にいやみを言う為にいるのさ』
右端の豚はそう言って口元を歪めて笑う。
『やぁやぁ、僕はあざけりだよ。世の中全てをあざける為にいるのさ』
真ん中の豚はそう言って天井を見上げる様に笑う。
豚たちは鼻をフゴフゴいわせてステージの上を動き回る。
『くんくんくん。おやおや、ココに我々の嫌いなワンコロの匂いがするぞ』
『くんくんくん。おやおや、本当だ嫌われ者が居るようだ』
『くんくんくん。おやおや、ワンコロは始末したハズなのにまた居るぞ』
豚たちは椅子に座るルーファスと朱里を見るが、観客は2人しか居ないのだからそれは仕方がないのかもしれないが、しかし何とも言えない嫌な感じの豚たちである。
「何というか可愛くない豚だね」
「噛みついて振り回したくなるな・・・」
思わず朱里が豚の人形を狼姿のルーファスが振り回すところを想像してクスッと笑ってルーファスを見上げると、目線が少し下がる。
「あれ?ルーファス何で獣化してるの?」
「ん?いやオレは獣化なんてしてないぞ・・・っ!」
ルーファスが自分の姿に驚くとステージの上の豚たちが笑いだす。
左の豚は両手を口で押えながら笑い、右の豚はお腹を押さえてこちらを指さしながら笑い、真ん中の豚は腰に手を当てて天井を見上げて笑う。
『『『わはははははあははははは』』』
『見たかワンコロ手も足も出まい!』
『ワンコロめ!これで大人しくなるがいい!』
『そぉーれ!とっておきだ!取ってこいワンコロめ!』
3匹の豚がルーファスと朱里に手の平サイズのボールを投げると目の前でボールが破裂し紙吹雪が舞う。
ボールの破裂した音にビックリしつつも朱里が笑えないスベッたお笑い芸能人みたいだなっとムッとすると、ルーファスもムッとした顔をしていた。
「ルーファス、雨でしょうけど子供達も心配だから出ます?」
「ああ。・・・しかし体が獣化から戻らんな」
「ええ?!大丈夫なの?」
「魔力は十分あるはずなんだが・・・」
朱里とルーファスが席を立つと豚たちがまた笑いだす。
『くすくす。負け犬が尻尾を巻いて逃げて行くよ』
『くすくす。無様な負け犬だ』
『くすくす。これに懲りたら僕の前に現れるんじゃないぞー』
豚たち3匹は手を振ってルーファスと朱里が出て行くのを見送り、ドアを閉めると『プーッあはははは』と笑い声が後ろからしていた。
「本当に『ひがみといやみとあざけり』って小屋のタイトル通りだったね」
朱里がドア越しにべぇっと舌を出して前を向くと目の前のルーファスにぶつかりそうになる。
「わっ、ルーファスどうしたの?雨まだ酷そう?」
「いや・・・なんだココは?」
立ち止まるルーファスから目線を外せば、そこは鏡張りの世界が広がっていた。
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