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18章
新居
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4月1日に朱里が37歳の誕生日を迎えて家族でお祝いをしてゆったりと日々は過ぎて行っている。
今の所ネリリスの予言で北へ向けた大砲も活動はせず、平穏な感じである。
リュエールの所もシュトラールの所も赤ん坊は順調に育っているらしく、少しだけポコポコと胎動の音も聞けるようになったのだとか。
「んーっ、新築の匂いたまりません!」
「まだ自分達の匂いが付いていないのはオレは落ち着かんが・・・」
朱里が何もない部屋の中で両手を伸ばすと、ルーファスが朱里の腰に手を回しながら頭の上に顎を置いて鼻を動かしながら、そわそわとしている。
本当におちつかないらしい。
手先の器用なドワーフ達のおかげで新しい新居が1ヶ月程で完成となり、朱里とルーファスの住まいは【刻狼亭】の料亭の裏になった。
ナナメ横には従業員宿舎があり、賑やかになりそうである。
引っ越しは今現在している最中で屋敷からドラゴン達が空を飛んでのピストン輸送中。
新居は1階が全面的に和風(東風)の造りで大広間と客間とリビングに台所があり、そこにドラゴン達の個室が8部屋連なっている。
2階は朱里達夫婦の部屋と、子供達5人の個室があり、一応また子供が増えた場合も考えて1部屋余分に作ってある。
ハガネの部屋と客間がもう一部屋ある感じである。
部屋数ばかり多い家の様な気もするが、こればかりは人数が多いので仕方がない。
ちなみ、2階は1階より少し小さいのは2階から1階の天井となる部分のベランダを洗濯物干し場にしたからである。乾燥魔法を覚えた朱里としては乾燥魔法でも良いのだが、やはり、太陽の匂いは気持ちがいいので洗濯物干し場は欲しいのである。
「アカリー!荷物どうするー?」
「ええとねー、アルビーの持ってる荷物は・・・ああ、それは台所用品だから台所に置いてくれる?」
ルーファスに抱きつかれたまま朱里が指示を出し、次々にドラゴン達が朱里に指示を仰いでくるので朱里がズリズリとルーファス付きで動いていく。
「ルーファス、お邪魔虫ですよ?」
「オレが落ち着ける匂いがアカリしか無いからだ」
「荷物が部屋に詰め込まれれば嫌でも馴染みの匂いになりますってば」
「それまではオレはココでアカリの匂いを堪能する」
「駄目ですねこれは・・・」
スリスリとルーファスに擦りつかれて朱里が諦めて、玄関で荷物の指示係りになる事にして指示を出していると、金竜のエデンが朱里にしがみ付いてくる。
「パパさんだけズルいの!」
「オレの番だからな」
「ルーファス大人気ないですよ?」
「あーっ、エデンずるーい!ケイトも!」
ガシッと花竜のケイトにも抱きつかれ、それを見たケルチャも抱きついてくると、グリムレインが辛抱たまらんと、飛びついてきてドラゴン達の押し競まんじゅうの出来上がりになった。ぎゅむーとドラゴン達に抱きつかれ、朱里が「潰れる~!」とキャアキャア騒ぐ。
「ちょっとー!アカリもルーファスも皆もちゃんと引っ越しの作業して!」
アルビーの声にアハハハと笑いながらドラゴン達も朱里も引っ越しの作業をしにワラワラと動き始める。
ルーファスはアルビーに捕まり、お説教をされながら大人しく子供達の荷物を子供部屋に運ぶ手伝いに駆り出される。
何だかんだで子供の頃からルーファスと付き合いがある分、アルビーが一番ルーファスの扱いに慣れているかもしれない。
「わたくしの荷物が見当たりませんのー」
「あれー?わたくしの服どこですのー?」
ミルアとナルアが木箱を漁りながら、庭に積まれた荷物を開けて回り、それもアルビーに「後で探して!今は庭の荷物を開け回らずに中に入れて!」と怒られ、2人が口を尖らせながら木箱を家の中に運んでいく。
「引っ越しはどう?順調に進んでる?」
「あっ、リュエールいらっしゃい。キリンは体調はどう?」
「うん。大丈夫。重い物は持てないけどお手伝いにきたよ」
キリンがアルビーに作って来たおはぎの入ったお重を渡すと、リュエールとアルビーに「キリンは大人しく座ってて!」と声を揃えて怒られる。
肩をすくめてキリンが眉を下げ笑って「過保護なんだから」と言えば、アルビーが顎でリュエールにキリンを縁側に座らせるように指示して、キリンがリュエールに縁側に連れて行かれる。
「まったく・・・て、シュトラールも手伝いに来たの?」
「うん。力だけはあるからね。あ、もちろんフィリアには何もさせないよ?」
「えへへ。私はシューの応援係りだから」
「うん!フィリアの応援があれば百人力だから!」
「・・・とりあえず、フィリアは縁側でキリンとお喋りでもしてて、シュトラールは庭の荷物をとりあえず1階の大広間に置いて、アカリの指示で何所へ持って行くか決まったら運んで」
「はーい」
シュトラールが荷物を運び始め、フィリアが縁側に向かいキリンと早速話をしながら笑っている。
アルビーがふぅーと息を吐くと、アルビーの周りにチビッ子3人がまとわりつく。
「アルビー、あそぼー」
「あそんでー」
「アルビーだっこー」
「あのね、私は忙しいの。君達も自分の部屋の荷物を片付けないとだよ?」
アルビーの尻尾をぴっぱりながら「あそんでー!」と3人が騒ぐとハガネが3人をワシワシと回収して持って行く。ハガネの後ろをササマキとクロが嬉しそうについて歩き、2階へ移動していく。
最近、屋敷住まいだった為にクロは【刻狼亭】の調理場に出入りして過ごしていたのでようやく腰を落ち着ける事が出来そうである。
ササマキは何所に行こうとハガネを見つけ出しては特攻していくので相変わらずという所だが。
引っ越し作業を進めていると、従業員達が手伝いに来たりと中々に賑やかになり、家の中は人の出入りが多く結局中途半端に作業を終えて、夕方には庭でバーベキューをしながら従業員を交えて宴会状態になっていた。
考えてみれば場所が場所なだけあって、こんな感じの事が続くのではないかとアルビーは少し大丈夫かな?と、思ったりしつつ、朱里とハガネが次々に出してくる料理を前に「まぁ、いっか」と流していった。
今の所ネリリスの予言で北へ向けた大砲も活動はせず、平穏な感じである。
リュエールの所もシュトラールの所も赤ん坊は順調に育っているらしく、少しだけポコポコと胎動の音も聞けるようになったのだとか。
「んーっ、新築の匂いたまりません!」
「まだ自分達の匂いが付いていないのはオレは落ち着かんが・・・」
朱里が何もない部屋の中で両手を伸ばすと、ルーファスが朱里の腰に手を回しながら頭の上に顎を置いて鼻を動かしながら、そわそわとしている。
本当におちつかないらしい。
手先の器用なドワーフ達のおかげで新しい新居が1ヶ月程で完成となり、朱里とルーファスの住まいは【刻狼亭】の料亭の裏になった。
ナナメ横には従業員宿舎があり、賑やかになりそうである。
引っ越しは今現在している最中で屋敷からドラゴン達が空を飛んでのピストン輸送中。
新居は1階が全面的に和風(東風)の造りで大広間と客間とリビングに台所があり、そこにドラゴン達の個室が8部屋連なっている。
2階は朱里達夫婦の部屋と、子供達5人の個室があり、一応また子供が増えた場合も考えて1部屋余分に作ってある。
ハガネの部屋と客間がもう一部屋ある感じである。
部屋数ばかり多い家の様な気もするが、こればかりは人数が多いので仕方がない。
ちなみ、2階は1階より少し小さいのは2階から1階の天井となる部分のベランダを洗濯物干し場にしたからである。乾燥魔法を覚えた朱里としては乾燥魔法でも良いのだが、やはり、太陽の匂いは気持ちがいいので洗濯物干し場は欲しいのである。
「アカリー!荷物どうするー?」
「ええとねー、アルビーの持ってる荷物は・・・ああ、それは台所用品だから台所に置いてくれる?」
ルーファスに抱きつかれたまま朱里が指示を出し、次々にドラゴン達が朱里に指示を仰いでくるので朱里がズリズリとルーファス付きで動いていく。
「ルーファス、お邪魔虫ですよ?」
「オレが落ち着ける匂いがアカリしか無いからだ」
「荷物が部屋に詰め込まれれば嫌でも馴染みの匂いになりますってば」
「それまではオレはココでアカリの匂いを堪能する」
「駄目ですねこれは・・・」
スリスリとルーファスに擦りつかれて朱里が諦めて、玄関で荷物の指示係りになる事にして指示を出していると、金竜のエデンが朱里にしがみ付いてくる。
「パパさんだけズルいの!」
「オレの番だからな」
「ルーファス大人気ないですよ?」
「あーっ、エデンずるーい!ケイトも!」
ガシッと花竜のケイトにも抱きつかれ、それを見たケルチャも抱きついてくると、グリムレインが辛抱たまらんと、飛びついてきてドラゴン達の押し競まんじゅうの出来上がりになった。ぎゅむーとドラゴン達に抱きつかれ、朱里が「潰れる~!」とキャアキャア騒ぐ。
「ちょっとー!アカリもルーファスも皆もちゃんと引っ越しの作業して!」
アルビーの声にアハハハと笑いながらドラゴン達も朱里も引っ越しの作業をしにワラワラと動き始める。
ルーファスはアルビーに捕まり、お説教をされながら大人しく子供達の荷物を子供部屋に運ぶ手伝いに駆り出される。
何だかんだで子供の頃からルーファスと付き合いがある分、アルビーが一番ルーファスの扱いに慣れているかもしれない。
「わたくしの荷物が見当たりませんのー」
「あれー?わたくしの服どこですのー?」
ミルアとナルアが木箱を漁りながら、庭に積まれた荷物を開けて回り、それもアルビーに「後で探して!今は庭の荷物を開け回らずに中に入れて!」と怒られ、2人が口を尖らせながら木箱を家の中に運んでいく。
「引っ越しはどう?順調に進んでる?」
「あっ、リュエールいらっしゃい。キリンは体調はどう?」
「うん。大丈夫。重い物は持てないけどお手伝いにきたよ」
キリンがアルビーに作って来たおはぎの入ったお重を渡すと、リュエールとアルビーに「キリンは大人しく座ってて!」と声を揃えて怒られる。
肩をすくめてキリンが眉を下げ笑って「過保護なんだから」と言えば、アルビーが顎でリュエールにキリンを縁側に座らせるように指示して、キリンがリュエールに縁側に連れて行かれる。
「まったく・・・て、シュトラールも手伝いに来たの?」
「うん。力だけはあるからね。あ、もちろんフィリアには何もさせないよ?」
「えへへ。私はシューの応援係りだから」
「うん!フィリアの応援があれば百人力だから!」
「・・・とりあえず、フィリアは縁側でキリンとお喋りでもしてて、シュトラールは庭の荷物をとりあえず1階の大広間に置いて、アカリの指示で何所へ持って行くか決まったら運んで」
「はーい」
シュトラールが荷物を運び始め、フィリアが縁側に向かいキリンと早速話をしながら笑っている。
アルビーがふぅーと息を吐くと、アルビーの周りにチビッ子3人がまとわりつく。
「アルビー、あそぼー」
「あそんでー」
「アルビーだっこー」
「あのね、私は忙しいの。君達も自分の部屋の荷物を片付けないとだよ?」
アルビーの尻尾をぴっぱりながら「あそんでー!」と3人が騒ぐとハガネが3人をワシワシと回収して持って行く。ハガネの後ろをササマキとクロが嬉しそうについて歩き、2階へ移動していく。
最近、屋敷住まいだった為にクロは【刻狼亭】の調理場に出入りして過ごしていたのでようやく腰を落ち着ける事が出来そうである。
ササマキは何所に行こうとハガネを見つけ出しては特攻していくので相変わらずという所だが。
引っ越し作業を進めていると、従業員達が手伝いに来たりと中々に賑やかになり、家の中は人の出入りが多く結局中途半端に作業を終えて、夕方には庭でバーベキューをしながら従業員を交えて宴会状態になっていた。
考えてみれば場所が場所なだけあって、こんな感じの事が続くのではないかとアルビーは少し大丈夫かな?と、思ったりしつつ、朱里とハガネが次々に出してくる料理を前に「まぁ、いっか」と流していった。
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