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18章
三つ子の訓練
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新居の庭で朝から元気な声が響く。
ベランダから庭を朱里が覗けば、ルーファスがティルナールとエルシオンに体術の基礎を教えている。
ルーシーはミルアとナルアと一緒に大縄跳びをして、一応あれも体を動かす運動なのかな?と、朱里が首を傾げて洗濯物をベランダに干して行く。
「女将さーん!おはよーございますー!」
「あっ!女将さん!おはようございまーす!」
ベランダにナナメ横の従業員宿舎から従業員が手を振って挨拶してきて朱里も手を振り返す。
「おはようございます!今日もいい天気ですねー!」
「あっ、アカリだー!」
「アカリー!お洗濯?」
「あらタマホメちゃんにメビナちゃんはお布団干し?」
「そう!宿舎の屋根に持って行く!」
「天気のいい日はお布団干しだよ!」
元気な狐獣人の双子姉妹がお布団を担ぎながら屋根に上り布団を干しては、次々持って行く。
従業員の布団を晴れた日は干すのが2人の仕事の様だ。
新しい新居は従業員とのコミュニケーションを取りやすい場所なのかもしれないと朱里は思いながら、残りの洗濯物を干し終えると、台所で朝ご飯を作っているハガネの手伝いをしに行く。
「おはよーハガネは荷ほどき終わった?」
「おはよ。そんなに荷物はねぇから終わったぜ」
「流石ハガネです。でもお引越しのたびに荷物を減らしてるはずなのに、増えてるのは何故なんだろう?」
「そりゃ、減らした物と同じような物買って補充するからだろ?」
「あー、うん、まぁそうかもしれない・・・」
気付けば増える荷物の多さにちょっとしたカオス状態。
着物は流石に女将としては着回しはあまりしてはいけないから増えるのは仕方がないが、最近洋服も増えてきた気もする。
ルーファスと結婚するまでは5着を着まわしていた貧困生活民の自分は何所に行ってしまったのかと不思議で仕方がないところである。
あとは便利だと思って取っておいたものが結局は使わないままで、引っ越しの時に思い切って捨てたものの、今になって必要になり、結局買ったりして荷物が減っていない。
「ハァ・・・あれです。捨てられない症候群」
「けったいな病状だな」
「そうなんですよ。でも今困っているのは子供達の服かな?すぐに大きくなっちゃって・・・でも子供の服ってなかなか捨てられなくて・・・」
「でもよーそんな事言ってると捨てられないまま増えていくだけだぜ?」
トントントンとリズムよく漬物を切りながらハガネが、端っこを口に入れてカリポリ食べながら、朱里にも端っこを食べさせて「うん、よく漬かってる」と2人で頷く。
「そういやぁ『古着回収屋』を見てねぇな」
「古着回収屋?古着を回収してくれるの?」
「古着を回収して新しい服を作ってくれたりする便利屋だ。最近見てねぇから旦那に聞いて呼び寄せてもらうのも良いんじゃねぇか?」
「ほうほう。なら少し聞いてみようかな」
鋼が皿に漬物を乗せてお盆に乗せるとおかずもお盆に乗せていく。
朱里も同じようにおかずをお盆に乗せて2人で1階の大広間に持って行き何往復貸して、粗方準備が終わると縁側に行き、庭で三つ子の訓練をしているルーファス達に声を掛ける。
「朝ご飯の準備出来ましたよー」
朱里が声を掛けると、庭には従業員達も居て三つ子の訓練どころかちょっとした従業員の体術講座になっていた。
ミルアとナルアもいつの間にか従業員達に大縄跳びの縄を持って貰い、ルーシーと一緒に跳びはねている。
「アカリ、直ぐに行く。ホラお前達そろそろ切り上げるぞ」
「ふにゅー!!!」
「にゃああー!!」
ティルナールとエルシオンがルーファスに飛びつくとそのままポーンと投げ飛ばされて、従業員がキャッチして「もういっちょ!坊ちゃん達頑張れ!」と投げ飛ばす。
「あわわわっ!!!ルーファス!それ大丈夫なの?!平気なの?!」
「大丈夫だ。普通の事だ」
「どう見ても大人気ない大人達に子供が投げられてる図なんだけどー!!」
「女将、大丈夫ですってば」
ハハハと笑っている従業員とルーファスに間違ってるのは私?!と、朱里が一瞬思うが、エルシオンが「ふぎゃああ」と泣きながら朱里の元へ飛んできたので、ギロッとルーファスと従業員達を睨みつける。
「やり過ぎです!あなた達はっ!!まったくもー!」
「このぐらいは普通だろ?リューやシューもこんなものだったし」
「女将は過保護ですよ」
「お黙んなさい!子供が泣いた時点でやり過ぎです!!」
朱里がプリプリ怒りながらエルシオンを連れて家の中に入ってしまうと、残ったティルナールはケロッとしてまたルーファスに飛びついていた。
ミルア達は「汗だくになる前に戦線離脱ですわ!」とさっさと家に戻っていく。
引き際を心得ている姉達にルーシーも後を追いかけて家に入る。
ルーファスは朱里をこれ以上怒らせると後が怖いとティルナールを連れて家に戻る。
従業員達が「女将の尻に敷かれてるなぁ」と少女だった頃の若女将を思い出して随分逞しくなったものだと、目を細めて笑う。
ベランダから庭を朱里が覗けば、ルーファスがティルナールとエルシオンに体術の基礎を教えている。
ルーシーはミルアとナルアと一緒に大縄跳びをして、一応あれも体を動かす運動なのかな?と、朱里が首を傾げて洗濯物をベランダに干して行く。
「女将さーん!おはよーございますー!」
「あっ!女将さん!おはようございまーす!」
ベランダにナナメ横の従業員宿舎から従業員が手を振って挨拶してきて朱里も手を振り返す。
「おはようございます!今日もいい天気ですねー!」
「あっ、アカリだー!」
「アカリー!お洗濯?」
「あらタマホメちゃんにメビナちゃんはお布団干し?」
「そう!宿舎の屋根に持って行く!」
「天気のいい日はお布団干しだよ!」
元気な狐獣人の双子姉妹がお布団を担ぎながら屋根に上り布団を干しては、次々持って行く。
従業員の布団を晴れた日は干すのが2人の仕事の様だ。
新しい新居は従業員とのコミュニケーションを取りやすい場所なのかもしれないと朱里は思いながら、残りの洗濯物を干し終えると、台所で朝ご飯を作っているハガネの手伝いをしに行く。
「おはよーハガネは荷ほどき終わった?」
「おはよ。そんなに荷物はねぇから終わったぜ」
「流石ハガネです。でもお引越しのたびに荷物を減らしてるはずなのに、増えてるのは何故なんだろう?」
「そりゃ、減らした物と同じような物買って補充するからだろ?」
「あー、うん、まぁそうかもしれない・・・」
気付けば増える荷物の多さにちょっとしたカオス状態。
着物は流石に女将としては着回しはあまりしてはいけないから増えるのは仕方がないが、最近洋服も増えてきた気もする。
ルーファスと結婚するまでは5着を着まわしていた貧困生活民の自分は何所に行ってしまったのかと不思議で仕方がないところである。
あとは便利だと思って取っておいたものが結局は使わないままで、引っ越しの時に思い切って捨てたものの、今になって必要になり、結局買ったりして荷物が減っていない。
「ハァ・・・あれです。捨てられない症候群」
「けったいな病状だな」
「そうなんですよ。でも今困っているのは子供達の服かな?すぐに大きくなっちゃって・・・でも子供の服ってなかなか捨てられなくて・・・」
「でもよーそんな事言ってると捨てられないまま増えていくだけだぜ?」
トントントンとリズムよく漬物を切りながらハガネが、端っこを口に入れてカリポリ食べながら、朱里にも端っこを食べさせて「うん、よく漬かってる」と2人で頷く。
「そういやぁ『古着回収屋』を見てねぇな」
「古着回収屋?古着を回収してくれるの?」
「古着を回収して新しい服を作ってくれたりする便利屋だ。最近見てねぇから旦那に聞いて呼び寄せてもらうのも良いんじゃねぇか?」
「ほうほう。なら少し聞いてみようかな」
鋼が皿に漬物を乗せてお盆に乗せるとおかずもお盆に乗せていく。
朱里も同じようにおかずをお盆に乗せて2人で1階の大広間に持って行き何往復貸して、粗方準備が終わると縁側に行き、庭で三つ子の訓練をしているルーファス達に声を掛ける。
「朝ご飯の準備出来ましたよー」
朱里が声を掛けると、庭には従業員達も居て三つ子の訓練どころかちょっとした従業員の体術講座になっていた。
ミルアとナルアもいつの間にか従業員達に大縄跳びの縄を持って貰い、ルーシーと一緒に跳びはねている。
「アカリ、直ぐに行く。ホラお前達そろそろ切り上げるぞ」
「ふにゅー!!!」
「にゃああー!!」
ティルナールとエルシオンがルーファスに飛びつくとそのままポーンと投げ飛ばされて、従業員がキャッチして「もういっちょ!坊ちゃん達頑張れ!」と投げ飛ばす。
「あわわわっ!!!ルーファス!それ大丈夫なの?!平気なの?!」
「大丈夫だ。普通の事だ」
「どう見ても大人気ない大人達に子供が投げられてる図なんだけどー!!」
「女将、大丈夫ですってば」
ハハハと笑っている従業員とルーファスに間違ってるのは私?!と、朱里が一瞬思うが、エルシオンが「ふぎゃああ」と泣きながら朱里の元へ飛んできたので、ギロッとルーファスと従業員達を睨みつける。
「やり過ぎです!あなた達はっ!!まったくもー!」
「このぐらいは普通だろ?リューやシューもこんなものだったし」
「女将は過保護ですよ」
「お黙んなさい!子供が泣いた時点でやり過ぎです!!」
朱里がプリプリ怒りながらエルシオンを連れて家の中に入ってしまうと、残ったティルナールはケロッとしてまたルーファスに飛びついていた。
ミルア達は「汗だくになる前に戦線離脱ですわ!」とさっさと家に戻っていく。
引き際を心得ている姉達にルーシーも後を追いかけて家に入る。
ルーファスは朱里をこれ以上怒らせると後が怖いとティルナールを連れて家に戻る。
従業員達が「女将の尻に敷かれてるなぁ」と少女だった頃の若女将を思い出して随分逞しくなったものだと、目を細めて笑う。
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