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18章
夏至の子2
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キリンが1週間程の入院をした後、退院をして朱里達の家に床上げまでは暮らす事になった。
キリンの母親のエリーゼナが面倒を見る筈だったのだが、急ぎのマッピングの仕事が入った為に泣く泣く帰って行った。
リュエールは休みを貰っていたものの、職場の【刻狼亭】が目の前という事もあり、仕事に復帰して忙しそうに働いている。
キリンの出産から2日後にフィリアが出産し、フィリアも朱里達の家に床上げまで暮らす事になり、久々に家族大集合状態になった。
「シューちゃん、お仕事行きなさい。ホラ、目の前が職場なんて便利でしょ!」
「だってルビスの様子もう少しみたい・・・」
「ルビスちゃんの為にもお金稼いでらっしゃい!」
「母上酷いっ!」
フライパン返しでペシペシ叩きながら、邪魔なシュトラールを家から追い出すと、朱里が「お昼ご飯まで帰ってこないこと!」とフライパン返しをブンブン回しながら、仁王立ちする。
その様子をフィリアとキリンが笑いながら朝食を食べている。
「キリンちゃんとフィリアちゃんゆっくり食べててね。お母さんはしっかり食べてお乳出さなきゃだからね」
「はーい。お義母さんありがとうございます」
「いっぱい頂きます!」
「うんうん。レーネルくんとルビスちゃんは食べている間は私が見ておくから安心しなさい」
大広間に置かれたベビーベッド2台に黒髪のリュエールの息子のレーネルと薄い銀色に紫色が混じった髪をしたシュトラールの娘のルビスが寝ている。
レーネルは髪が光に当たると黒髪に金色の発色が見えるエルフの金糸の髪を持っている子で目の色は金色。トリニア一族の金の目をしていて狼族だと判る。
ルビスは薄い銀髪に紫色が混じり、光にあてると虹色に輝く母親のフィリア似の髪色で、耳と尻尾は狼族なのだが、背中に小さな透明の羽が生えている。
目の色は薄い桃色に金色のグラデーションとフィリアの桃色と紫色の目の半分を受け継いで金色の目はトリニア一族の血が混じったという感じである。
「はわぁ・・・ミルクの匂い久しぶり。可愛い~」
ふくふく頬っぺたはいつ見ても良い物だとメロメロでベビーベッドに張り付いている。
孫なんて年じゃないとか少し思っていたけど、孫は良いものです・・・うむ。と、朱里が頷きながら「あと一人くらいなら私も産んでも良いかもしれない」と、少し思ったりしてニマニマしてしまう。
肉体年齢的には27歳・・・まだイケる?!と思いはするが、長い間、ルーファスと2人だけの生活も無かったので老後には早いけれど、リュエールに【刻狼亭】を任せた後は二人っきりの生活もいいなぁと思っている。
「アカリがまた家事をサボってる」
「サボってません。孫を監視するお仕事中です」
アルビーに呆れられた声を出されるが、母親がゆっくりできる時はゆっくりさせてあげるのも大事なお仕事なのである。
「アカリ、赤ん坊は私が見てるから家事しなよ」
「いえいえ結構です。私は大事なお仕事優先ですから」
「グリムレイン、ケルチャ、アカリを持って行って」
頭上に氷色の髪の美丈夫と若木色の髪の美丈夫が朱里を覗き込むと、左右から腕を掴み朱里を引きずっていく。
「わきゃー!!!放してー!」
「嫁は大人しく洗濯物をガンガン回すのだ」
「いい天気なんだからお布団も干しなさいな」
ズルズルと洗濯物の山を手渡されブスッとした顔で朱里がベランダに干しに行く。
エデンとケイトも手伝うが、人数が多い事と赤ん坊の汚れ物の多さは過去最多と言うべきものがある。
洗濯物籠から洗濯物を出して干すだけでも肩が痛くなるレベル。
グリムレインとケルチャが布団を空いたスペースに干していき、ベランダは洗濯物と布団で埋め尽くされる
「うわぁー・・・多いねぇ」
「だろ?嫁はサボってはいかんのだ」
「これが終わったら次は料理の下ごしらえもしなきゃ駄目よ?」
「ご主人様頑張ってなの」
「ケイトもおうえんするの!」
専業主婦辛い・・・と少し思いながらも、暇を持て余していた1ヵ月前より充実はしているので「はーい」と言って大人しく家事の続きをする。
キリンとフィリアは丁度食べ終わった様で、お皿の回収をして台所でお皿を洗ってお昼の用意を始める。
人数が多い分、休む暇なく手を動かすしかない。
「終わったら孫を見て心の栄養を補充しなきゃ」
「嫁は孫贔屓なのだ」
「初孫に浮かれるのも良いけど、アタシ達もちゃんと構いなさいよ」
「あらら。もしかして皆ヤキモチですか?」
朱里がニヨニヨしながらドラゴン達を見れば、ドラゴン達は声を揃えて「当たり前だ」と言う。
正直に答えられると朱里も驚きである。しかし、そこは可愛いと素直に朱里も思っておく。
「じゃあ、今日は皆の好きなオカズ作っちゃいますよ」
「流石嫁!我の嫁は最高!我は塩魚の氷茶漬けがいいぞ!」
「アタシは獅子唐を肉で巻いた甘辛だれのやつがいいわ」
「エデンはねー・・・茶碗蒸し!」
「ケイトは桃のゼリーがいい!」
「はーい。なら夕飯は頑張っちゃうぞー!お買い物付き合ってね皆」
「「「「了解」」」」
とりあえずはお昼ご飯の下ごしらえだ。と、朱里が手を動かし始める。
ドラゴン達が赤ん坊の元へ行きかわり番こで様子を見ては、キリンやフィリアに用事があるか聞きながら、朱里の代わりにサポート役にまわる。
お昼になるとリュエールとシュトラールが競う様に帰ってくるが、それよりも早くルーファスが孫を抱き上げているのを見て2人が「父上ズルい!」と声を上げた。
キリンの母親のエリーゼナが面倒を見る筈だったのだが、急ぎのマッピングの仕事が入った為に泣く泣く帰って行った。
リュエールは休みを貰っていたものの、職場の【刻狼亭】が目の前という事もあり、仕事に復帰して忙しそうに働いている。
キリンの出産から2日後にフィリアが出産し、フィリアも朱里達の家に床上げまで暮らす事になり、久々に家族大集合状態になった。
「シューちゃん、お仕事行きなさい。ホラ、目の前が職場なんて便利でしょ!」
「だってルビスの様子もう少しみたい・・・」
「ルビスちゃんの為にもお金稼いでらっしゃい!」
「母上酷いっ!」
フライパン返しでペシペシ叩きながら、邪魔なシュトラールを家から追い出すと、朱里が「お昼ご飯まで帰ってこないこと!」とフライパン返しをブンブン回しながら、仁王立ちする。
その様子をフィリアとキリンが笑いながら朝食を食べている。
「キリンちゃんとフィリアちゃんゆっくり食べててね。お母さんはしっかり食べてお乳出さなきゃだからね」
「はーい。お義母さんありがとうございます」
「いっぱい頂きます!」
「うんうん。レーネルくんとルビスちゃんは食べている間は私が見ておくから安心しなさい」
大広間に置かれたベビーベッド2台に黒髪のリュエールの息子のレーネルと薄い銀色に紫色が混じった髪をしたシュトラールの娘のルビスが寝ている。
レーネルは髪が光に当たると黒髪に金色の発色が見えるエルフの金糸の髪を持っている子で目の色は金色。トリニア一族の金の目をしていて狼族だと判る。
ルビスは薄い銀髪に紫色が混じり、光にあてると虹色に輝く母親のフィリア似の髪色で、耳と尻尾は狼族なのだが、背中に小さな透明の羽が生えている。
目の色は薄い桃色に金色のグラデーションとフィリアの桃色と紫色の目の半分を受け継いで金色の目はトリニア一族の血が混じったという感じである。
「はわぁ・・・ミルクの匂い久しぶり。可愛い~」
ふくふく頬っぺたはいつ見ても良い物だとメロメロでベビーベッドに張り付いている。
孫なんて年じゃないとか少し思っていたけど、孫は良いものです・・・うむ。と、朱里が頷きながら「あと一人くらいなら私も産んでも良いかもしれない」と、少し思ったりしてニマニマしてしまう。
肉体年齢的には27歳・・・まだイケる?!と思いはするが、長い間、ルーファスと2人だけの生活も無かったので老後には早いけれど、リュエールに【刻狼亭】を任せた後は二人っきりの生活もいいなぁと思っている。
「アカリがまた家事をサボってる」
「サボってません。孫を監視するお仕事中です」
アルビーに呆れられた声を出されるが、母親がゆっくりできる時はゆっくりさせてあげるのも大事なお仕事なのである。
「アカリ、赤ん坊は私が見てるから家事しなよ」
「いえいえ結構です。私は大事なお仕事優先ですから」
「グリムレイン、ケルチャ、アカリを持って行って」
頭上に氷色の髪の美丈夫と若木色の髪の美丈夫が朱里を覗き込むと、左右から腕を掴み朱里を引きずっていく。
「わきゃー!!!放してー!」
「嫁は大人しく洗濯物をガンガン回すのだ」
「いい天気なんだからお布団も干しなさいな」
ズルズルと洗濯物の山を手渡されブスッとした顔で朱里がベランダに干しに行く。
エデンとケイトも手伝うが、人数が多い事と赤ん坊の汚れ物の多さは過去最多と言うべきものがある。
洗濯物籠から洗濯物を出して干すだけでも肩が痛くなるレベル。
グリムレインとケルチャが布団を空いたスペースに干していき、ベランダは洗濯物と布団で埋め尽くされる
「うわぁー・・・多いねぇ」
「だろ?嫁はサボってはいかんのだ」
「これが終わったら次は料理の下ごしらえもしなきゃ駄目よ?」
「ご主人様頑張ってなの」
「ケイトもおうえんするの!」
専業主婦辛い・・・と少し思いながらも、暇を持て余していた1ヵ月前より充実はしているので「はーい」と言って大人しく家事の続きをする。
キリンとフィリアは丁度食べ終わった様で、お皿の回収をして台所でお皿を洗ってお昼の用意を始める。
人数が多い分、休む暇なく手を動かすしかない。
「終わったら孫を見て心の栄養を補充しなきゃ」
「嫁は孫贔屓なのだ」
「初孫に浮かれるのも良いけど、アタシ達もちゃんと構いなさいよ」
「あらら。もしかして皆ヤキモチですか?」
朱里がニヨニヨしながらドラゴン達を見れば、ドラゴン達は声を揃えて「当たり前だ」と言う。
正直に答えられると朱里も驚きである。しかし、そこは可愛いと素直に朱里も思っておく。
「じゃあ、今日は皆の好きなオカズ作っちゃいますよ」
「流石嫁!我の嫁は最高!我は塩魚の氷茶漬けがいいぞ!」
「アタシは獅子唐を肉で巻いた甘辛だれのやつがいいわ」
「エデンはねー・・・茶碗蒸し!」
「ケイトは桃のゼリーがいい!」
「はーい。なら夕飯は頑張っちゃうぞー!お買い物付き合ってね皆」
「「「「了解」」」」
とりあえずはお昼ご飯の下ごしらえだ。と、朱里が手を動かし始める。
ドラゴン達が赤ん坊の元へ行きかわり番こで様子を見ては、キリンやフィリアに用事があるか聞きながら、朱里の代わりにサポート役にまわる。
お昼になるとリュエールとシュトラールが競う様に帰ってくるが、それよりも早くルーファスが孫を抱き上げているのを見て2人が「父上ズルい!」と声を上げた。
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