『魔王』へ嫁入り~魔王の子供を産むために王妃になりました~【完結】

新月蕾

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第91話 厭な夢

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 部屋に戻ると昼食の準備ができていた。
 それを取ると、ウェディングドレスに緊張していたのだろう、一気に眠気が来たので、私は昼寝をすることにした。
 長らくユリウスの訪れがない自分のベッドに潜り込む。

 どこか寂しさを覚えながら私は瞬く間に夢の中へ落ちていった。



 そこは真っ白な空間だった。
 魔王城は黒でインテリアが統一されているので白は何だか懐かしい気がした。

「……夢、よね」

 口に出してみると、どこまでも音は広がっていった。

 とにかく歩き出してみる。
 夢を見るのは久しぶりな気がした。
 魔王城に来てからは見たことがあっただろうか?

 どれだけ歩いても、白い空間は白いままだった。

「…………」

 しばらく歩くと、遠くに人影が見えた。
 黒い服。黒い髪、あの後ろ姿が誰なのか、私はよく知っている。

「ユリウス」

 駆け寄ろうとして、やめる。
 夢の中でも会いたいなんて、ちょっと恥ずかしい。

 ユリウスの方が私を振り返った。
 瞬間、私達の距離が詰まる。
 一気に私はユリウスの腕の中にいた。

「……夢ってすごいわね」

 私はユリウスにそう語りかけていた。

 ユリウスは無言で私をベッドに押し倒した。

「…………?」

 夢の中だ。急にベッドが出てきてもおかしくない。
 だけど、なんだろう。
 どうしてこんな夢を見てしまうのだろう。
 私が寝る前にユリウスと最近夜に会っていないとそう思ったせいだろうか?
 それにしては、何か強烈な違和感があった。

「あ、あの……」

 私の声に応えずユリウスは片手で私の手首を頭の上に縫い止めた。

「ちょっと……!」

 もう片方の手が私の体をなぞる。
 気付けば、私は裸だった。
 こんな夢を見るなんて、それほど私は物足りなかったのだろうか?
 いや、何か、何か違和感がある。

 ユリウスの手は私の乳房を、腹を、撫でていく。
 けれど私の体はいつもとは違う。
 とてつもない嫌悪に襲われていた。

「やめて……」
 
 身をよじったけれど、ユリウスはやめてくれない。
 違う、ユリウスじゃない。
 これは違う。

「なかなかに勘が良いな」

 ユリウスの形をしたものの口から、知らない男の声がした。

「アーダーベルトのバカは失敗したが……まあ、こういう方法なら魔王の娘も何も関係ないからな」

「誰……?」

「後で、ユリウスに聞けば良い。……聞けたら、な」

 そう言って相手は私の太ももをなぞり、そして秘所へと手を伸ばした。

「いやっ!」

 足を蹴り上げる。
 相手は軽々と避けた。

「何、悪いようにはしない」

「離して!」

「ああ、まどろっこしい」

 男は指を弾いた。

「っ……!?」

 私の体は一気に火照り始めた。

「な、何これ……」

 むずむずする。いやなのに、ほしい。

「俺の権能だ」

 事もなげに男はそう言った。

「さて、王妃様の味見味見……」

 男の手が私の秘所に向かう。
 だめ、そこは、だめ。そこはユリウスのもの。

「やめて!」



 私が叫ぶのと同時に、世界が真っ黒になった。
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