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研究所
9話 脱走
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ビービービービー!
甲高く鳴り響く警報器。大勢の研究員や警備員が走る足音。それに混じって、鳴り止まない爆発音。レオとアメリアの脱走が始まった。
牢屋の鍵を開け、外に出ると、レオ達は扉の手前にある窓をぶち破った。ガシャンとなる窓ガラスの割れる音に、警備員は急いで扉の鍵を開け、見るとそれは手遅れだった。
「アメリア、しっかり掴まって!」
片手に強風の出る銃を持ち、不安定ながらもレオとアメリアは棒を掴んだ。鉄格子を折った物を使い、ぶら下がりながら慎重に降りた。霊も二人を落とさないように心配で、焦りながらもゆっくり下ろした。
高いことへの恐怖心はそこまでない。しかし、怪我をした場合の逃げ切れるかは、内心不安になった。
警備員が急いで階段を降りる中、二人は小走りに出入り口の方向へ進んだ。物陰に隠れながら見つからないようにし、霊が先を確認して研究員がいないとそのまま走る。警備員が急いで追ってくるはずなので、時間との勝負だった。
「いけない! 先に二人の警備員がいるわ。周ってこっちから向かいましょ」
コクっと頷くと、レオはアメリアの手を引いた。腰を低くして、建物の壁に体をつけながら、騒いでいる研究員達に気付かれないようにする。緊張で心臓がバクバクと目立ち、聴こえてしまわないか気がかりになった。
「ここの隙間を通ったら扉に行けるわ」
誘導されて、子供一人入れるくらいの小さな穴を潜った。アメリアも続いてそこを通ると、そこは薄暗くほとんど何も見えない。レオの服を掴みながら、取り残されないように四つん這いで歩いた。
「警備員が七人に増えてる……」
遠回りや裏道を使って、無事出入り口の門の前に着いた。しかし、いつも二人のはずの警備員が増えているため、その奥の森へは行けなかった。施設内は見えない霊によって大混乱が起こり、脱走への警戒を強めたようだ。
「百十二番! 百三番! 逃げるな!」
すると、息を荒らした研究員が、十メートル離れた所から叫んだ。逃げようとしている二人に気づき、警備員七名も構えて、研究員は走ってくる。
やばい、捕まる……!
「レオー! 走れー!」
十一番の叫び声に反応して、レオはハッとすると脚を動かした。突然の危機、今はギリギリまで逃げるしかない。警備員と研究員から逃れられる方向は、門から遠ざかってしまうが、お構いなしに焦って走る。
走って、走って、走った。今この状況から回避できるなら、ただ走るしかない。追ってくる大勢の大人達に、捕まる不安と戦いながら、必死に駆け抜ける。
持っていた兵器を乱射したが、ほとんどは当たらずに使い物にならなかった。すると、レオとアメリアを見た他の霊が、追う大人に向かって刃物を投げる。次々と飛んでくる鋭利な刃物に、研究員は驚きながら慌てて避けた。手や顔に掠るも、諦めずに追い続ける。
警備員は戦闘に関してプロで、軽々刃物から身を守ると、飛んできた刃物をキャッチしてレオに投げた。
「うっ!」
それが最初の一発で命中。レオの左腕に刺さると、血が流れ出てスピードを減速させた。そして、その拍子に足を絡ませるとズザザーと地面に体を叩きつけられる。アメリアは転んだレオを焦って起き上がらせるが、もう遅かった。完全に囲まれて、逃げられなくなる。
「ここまでだ! もう悪足掻きはよせ。この場で殺してやる」
「ハハッ。もう、モルモット生活も死ぬのもごめんだね」
腕を抑えながら、レオは研究員の発言に鼻で笑った。相手を挑発させ、ニヤついた表情を見せる。そして、持っていた銃を向けた。
悪足掻きも、なかなか悪くない。最後ぐらいは、こいつらの侮辱で歪んだ顔を見て、スカッとしたかった。
「は? バカか? こんな物で俺達を倒せるわけがないだろ。空気鉄砲はおもちゃ以下だ」
「バーカ。上だ」
そこには、宙に浮いている武器が十も向けられている。五人の霊がそれぞれ両手に銃を持っていた。レオの物よりも何倍も大きい武器を構えて、大人達に一斉に引き金を引いた。レオやアメリアに当たらないように、囲まれた内側から外側に向けて、発射させる。
すると、バーンと銃が撃たれる音が鳴り渡り、それとほぼ同時に研究員は飛んでいった。それに続いて、たまに外れながらも連射を続ける。
霊達の様子を見ると、今までの鬱憤が晴らせて楽しそうだった。火魔法、氷魔法、雷魔法などが付与された銃を、容赦なく撃ちまくる。
その中を攻撃から避けながら、二人は逃げた。空中に浮かぶ武器に精一杯で、警備員は逃げる彼らを追うことができない。アメリアはそれに、「べー!」と舌をだして手を振った。そのまま勝ち誇ったように逃げる。
「レオ、痛いけど我慢してっ」
「え? うっ! いつつ……」
アメリアはレオの腕に刺さった刃物を引っこ抜くと、手を当てて治癒魔法をかけた。すると、ぽおっとそこに光が溢れ、見る見る傷口が塞がり消えていく。痛みは少しだけ残っていたが、見た感じ完治した。
「ありがとう。でも、体力は」
「大丈夫だよ! 急ごっ」
門を潜り、森の中を疾走した。木、木、木と大部分を木が占めて、目の前を歩きにくくする。根っこでぼこぼことした地面に、邪魔な枝で予想以上に手こずった。
研究員に追われる恐怖と緊張感に責められ、それでも諦めない。ここまで来れた。そう、ここまで来れたなら、絶対に逃げ切りたかった。
甲高く鳴り響く警報器。大勢の研究員や警備員が走る足音。それに混じって、鳴り止まない爆発音。レオとアメリアの脱走が始まった。
牢屋の鍵を開け、外に出ると、レオ達は扉の手前にある窓をぶち破った。ガシャンとなる窓ガラスの割れる音に、警備員は急いで扉の鍵を開け、見るとそれは手遅れだった。
「アメリア、しっかり掴まって!」
片手に強風の出る銃を持ち、不安定ながらもレオとアメリアは棒を掴んだ。鉄格子を折った物を使い、ぶら下がりながら慎重に降りた。霊も二人を落とさないように心配で、焦りながらもゆっくり下ろした。
高いことへの恐怖心はそこまでない。しかし、怪我をした場合の逃げ切れるかは、内心不安になった。
警備員が急いで階段を降りる中、二人は小走りに出入り口の方向へ進んだ。物陰に隠れながら見つからないようにし、霊が先を確認して研究員がいないとそのまま走る。警備員が急いで追ってくるはずなので、時間との勝負だった。
「いけない! 先に二人の警備員がいるわ。周ってこっちから向かいましょ」
コクっと頷くと、レオはアメリアの手を引いた。腰を低くして、建物の壁に体をつけながら、騒いでいる研究員達に気付かれないようにする。緊張で心臓がバクバクと目立ち、聴こえてしまわないか気がかりになった。
「ここの隙間を通ったら扉に行けるわ」
誘導されて、子供一人入れるくらいの小さな穴を潜った。アメリアも続いてそこを通ると、そこは薄暗くほとんど何も見えない。レオの服を掴みながら、取り残されないように四つん這いで歩いた。
「警備員が七人に増えてる……」
遠回りや裏道を使って、無事出入り口の門の前に着いた。しかし、いつも二人のはずの警備員が増えているため、その奥の森へは行けなかった。施設内は見えない霊によって大混乱が起こり、脱走への警戒を強めたようだ。
「百十二番! 百三番! 逃げるな!」
すると、息を荒らした研究員が、十メートル離れた所から叫んだ。逃げようとしている二人に気づき、警備員七名も構えて、研究員は走ってくる。
やばい、捕まる……!
「レオー! 走れー!」
十一番の叫び声に反応して、レオはハッとすると脚を動かした。突然の危機、今はギリギリまで逃げるしかない。警備員と研究員から逃れられる方向は、門から遠ざかってしまうが、お構いなしに焦って走る。
走って、走って、走った。今この状況から回避できるなら、ただ走るしかない。追ってくる大勢の大人達に、捕まる不安と戦いながら、必死に駆け抜ける。
持っていた兵器を乱射したが、ほとんどは当たらずに使い物にならなかった。すると、レオとアメリアを見た他の霊が、追う大人に向かって刃物を投げる。次々と飛んでくる鋭利な刃物に、研究員は驚きながら慌てて避けた。手や顔に掠るも、諦めずに追い続ける。
警備員は戦闘に関してプロで、軽々刃物から身を守ると、飛んできた刃物をキャッチしてレオに投げた。
「うっ!」
それが最初の一発で命中。レオの左腕に刺さると、血が流れ出てスピードを減速させた。そして、その拍子に足を絡ませるとズザザーと地面に体を叩きつけられる。アメリアは転んだレオを焦って起き上がらせるが、もう遅かった。完全に囲まれて、逃げられなくなる。
「ここまでだ! もう悪足掻きはよせ。この場で殺してやる」
「ハハッ。もう、モルモット生活も死ぬのもごめんだね」
腕を抑えながら、レオは研究員の発言に鼻で笑った。相手を挑発させ、ニヤついた表情を見せる。そして、持っていた銃を向けた。
悪足掻きも、なかなか悪くない。最後ぐらいは、こいつらの侮辱で歪んだ顔を見て、スカッとしたかった。
「は? バカか? こんな物で俺達を倒せるわけがないだろ。空気鉄砲はおもちゃ以下だ」
「バーカ。上だ」
そこには、宙に浮いている武器が十も向けられている。五人の霊がそれぞれ両手に銃を持っていた。レオの物よりも何倍も大きい武器を構えて、大人達に一斉に引き金を引いた。レオやアメリアに当たらないように、囲まれた内側から外側に向けて、発射させる。
すると、バーンと銃が撃たれる音が鳴り渡り、それとほぼ同時に研究員は飛んでいった。それに続いて、たまに外れながらも連射を続ける。
霊達の様子を見ると、今までの鬱憤が晴らせて楽しそうだった。火魔法、氷魔法、雷魔法などが付与された銃を、容赦なく撃ちまくる。
その中を攻撃から避けながら、二人は逃げた。空中に浮かぶ武器に精一杯で、警備員は逃げる彼らを追うことができない。アメリアはそれに、「べー!」と舌をだして手を振った。そのまま勝ち誇ったように逃げる。
「レオ、痛いけど我慢してっ」
「え? うっ! いつつ……」
アメリアはレオの腕に刺さった刃物を引っこ抜くと、手を当てて治癒魔法をかけた。すると、ぽおっとそこに光が溢れ、見る見る傷口が塞がり消えていく。痛みは少しだけ残っていたが、見た感じ完治した。
「ありがとう。でも、体力は」
「大丈夫だよ! 急ごっ」
門を潜り、森の中を疾走した。木、木、木と大部分を木が占めて、目の前を歩きにくくする。根っこでぼこぼことした地面に、邪魔な枝で予想以上に手こずった。
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