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11・りうちゃ
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レグルス~レグルス~!
・・・ん~?なあに~~?
レグルス~あそぼ~ぞ~!
「ん~~~~~?」
眠い目をこすりぼんやりする目を開ける。
鳥の騒がしい朝の会議の話声がする。
この家は森が近いからか、毎朝鳥の声がうるさいくらいなのだ。
誰かに呼ばれたような気がしたのは、気のせいだろうか?
バタバタバタバタ!
廊下から盛大な足音がする。
「レグちゃん!」
「レグルス!!」
お父さんとお母さんが血相を変えた様子で、現れる。
「な、なに?!」
「「大変!!」」
まったく、こう言う時も息がぴったりだ!
僕はまだ寝ぼけ眼で、その上赤い髪は寝癖ですぴんぴん芸術的な形作っている。
僕だけが状況が分からず、呑気に答える。
「あにかあったの~?」
「りゅ、龍神さまが!」
「ま、窓の外!!」
窓?僕は緩慢な仕草で窓の外に目をやる。
僕の部屋に作られた、木目の可愛らしい小さな窓枠の中いっぱいに、龍神様の目が光っている。
?!?!?!?!?!!!!!
僕は声にならない声を上げた!
「ははは!なかなか気が付かんでな!顕現してしもうた!」
龍神様は面白そうに笑う。
「え?!」
僕は外がどうなって居るのか気になり、窓に駆け寄る。
「りうじんしゃま、ちょっとはなえて!」
「なんじゃなんじゃ?」
龍神様が窓から顔を離すと、小山のようにそびえる龍神様の巨体が、家の外にとぐろを巻いている。
「りうじんしゃま!
おにわでおおきくなったやダメ~!」
「ええ?!
なんでじゃ、なんでじゃ?!」
大きな体をくねくねして慌てる。
相変わらず格好に似合わず可愛い仕草なんだから。
「だいたい!おおきかったや、おうちはいえないよー!」
「あはははは!そうじゃな!」
「ちょと!まてて!
とうしゃ!おしょといこ!」
お父さんは、あ、ああ・・・なんて呆けた顔で言って寝間着姿の僕をひょいと抱えて、外にダッシュする。
お母さんも寝間着姿、お父さんも、朝日の感じから結構な早朝だ。
外に出ると龍神様の大きさがさらに大きく感じた。
僕の家ってこんなに小さかったかな?なんて思ったほどだ。
幸い僕の家の周りは深い森が広がるばかりで、民家は無い。
街中じゃなくて本当に良かったよ。
「りうじんしゃま!あしょびきたの~?」
僕の言葉に龍神様は頭をかがめ答える。
その顔はワクワクしていると形容してまったく間違えではないほどに嬉しそうだ。
「坊に会いたくなったのだ!」
「きのう、あたよ?」
「駄目であったかの?」
龍神様は相変わらずなかわいい仕草で首をかしげる。
「きょお、まちにいくよ!
あしょべない~」
お父さんとお母さんは慌てたようにビクッとする!
「ああ!ああでも!明日にずらしてもいいかもな?ミラ?」
「そ、そうよね?いつでも行けるしね?リゲル?」
「ええ!!やにゃ!きょおいくいったよ!」
今度は僕が膨れる番だ!
ほっぺは不満でパンパンだ!だって楽しみにしてたんだ!異世界初めての街!
「レグルス~」
お父さんは泣きそうだ。
「あはははは!心配するな!
坊!一緒に街に行って遊ぼうぞ!」
皆がその大きさでは無理!と心の中で思った。
「心配するな!ほれ!」
龍神様がそう言うとバシャンと水が弾け、辺りが雨のように水の降る中、白く美しい女性が目の前に現れた。
水のようにすんなりと伸びた虹色に輝く白い髪。
切れ長で美しい金の眼、顔の造作は涼し気で高貴さを讃える美人だ。
すらりと美しく足が伸び、くびれた腰に、形の美しい胸・・・・・裸だ・・・!!
「わ~~~~~~~!」
僕が慌てる。
お父さんはあまりのことに硬直して固まる。
お母さんは、あわあわと大慌てで何とか隠せるものは無いかと探す。
「龍神様裸です!人型で裸はいけません~~~!」
「ん?そうか?
ああ、この大きさでは坊と友達と言いにくいな?」
人間になることでさらに可愛く首をかしげて見せる。
困ったものだよ~~~!
龍神様が指を鳴らした瞬間。
また、パシャンっと音がし、水が弾けるとそこには僕と同い年くらいの小さな女の子が居た。
ほっぺはぷにぷにで、手足も小さい。
顔も幼くなって、金の目は切れ長と言うよりくりくりのまあるい目だ。
可愛い~!
「とうしゃ!おろして~」
僕はお父さんの腕から降りると、龍神様の目の前に立つ。
「りゅうじんしゃま!かあいい!
ともらち!ぴったり!」
僕が嬉しくてきゃきゃと笑う。
龍神様は目を輝かせ、可愛いほっぺたがピンクに染まる。
「友達!嬉しいぞ!坊!」
そう言って、ワッと抱き着く。
「龍神様は堅苦しいな!りゅうちゃんと呼ぶがいい!許す!」
そう言ってギュッと僕を抱きしめて、頭をぐりぐりする。
龍神様は人型で人と話すことがあまりないのか、ずっと大はしゃぎしてるみたいに嬉しそうだ。
「うん!りうちゃ!ともらち!うれしい!」
もちろん僕だって、異世界初めての友達が同じサイズで遊べるのだ!すっごく嬉しい!
僕たちは顔を見合わせて、照れたみたいにへへへへっと笑いあった。
大好きな友達との楽しい未来が沢山広がった気がして、凄くワクワクする。
・・・・・お父さんとお母さんは、相変わらず固まっていたけれど・・・。
・・・ん~?なあに~~?
レグルス~あそぼ~ぞ~!
「ん~~~~~?」
眠い目をこすりぼんやりする目を開ける。
鳥の騒がしい朝の会議の話声がする。
この家は森が近いからか、毎朝鳥の声がうるさいくらいなのだ。
誰かに呼ばれたような気がしたのは、気のせいだろうか?
バタバタバタバタ!
廊下から盛大な足音がする。
「レグちゃん!」
「レグルス!!」
お父さんとお母さんが血相を変えた様子で、現れる。
「な、なに?!」
「「大変!!」」
まったく、こう言う時も息がぴったりだ!
僕はまだ寝ぼけ眼で、その上赤い髪は寝癖ですぴんぴん芸術的な形作っている。
僕だけが状況が分からず、呑気に答える。
「あにかあったの~?」
「りゅ、龍神さまが!」
「ま、窓の外!!」
窓?僕は緩慢な仕草で窓の外に目をやる。
僕の部屋に作られた、木目の可愛らしい小さな窓枠の中いっぱいに、龍神様の目が光っている。
?!?!?!?!?!!!!!
僕は声にならない声を上げた!
「ははは!なかなか気が付かんでな!顕現してしもうた!」
龍神様は面白そうに笑う。
「え?!」
僕は外がどうなって居るのか気になり、窓に駆け寄る。
「りうじんしゃま、ちょっとはなえて!」
「なんじゃなんじゃ?」
龍神様が窓から顔を離すと、小山のようにそびえる龍神様の巨体が、家の外にとぐろを巻いている。
「りうじんしゃま!
おにわでおおきくなったやダメ~!」
「ええ?!
なんでじゃ、なんでじゃ?!」
大きな体をくねくねして慌てる。
相変わらず格好に似合わず可愛い仕草なんだから。
「だいたい!おおきかったや、おうちはいえないよー!」
「あはははは!そうじゃな!」
「ちょと!まてて!
とうしゃ!おしょといこ!」
お父さんは、あ、ああ・・・なんて呆けた顔で言って寝間着姿の僕をひょいと抱えて、外にダッシュする。
お母さんも寝間着姿、お父さんも、朝日の感じから結構な早朝だ。
外に出ると龍神様の大きさがさらに大きく感じた。
僕の家ってこんなに小さかったかな?なんて思ったほどだ。
幸い僕の家の周りは深い森が広がるばかりで、民家は無い。
街中じゃなくて本当に良かったよ。
「りうじんしゃま!あしょびきたの~?」
僕の言葉に龍神様は頭をかがめ答える。
その顔はワクワクしていると形容してまったく間違えではないほどに嬉しそうだ。
「坊に会いたくなったのだ!」
「きのう、あたよ?」
「駄目であったかの?」
龍神様は相変わらずなかわいい仕草で首をかしげる。
「きょお、まちにいくよ!
あしょべない~」
お父さんとお母さんは慌てたようにビクッとする!
「ああ!ああでも!明日にずらしてもいいかもな?ミラ?」
「そ、そうよね?いつでも行けるしね?リゲル?」
「ええ!!やにゃ!きょおいくいったよ!」
今度は僕が膨れる番だ!
ほっぺは不満でパンパンだ!だって楽しみにしてたんだ!異世界初めての街!
「レグルス~」
お父さんは泣きそうだ。
「あはははは!心配するな!
坊!一緒に街に行って遊ぼうぞ!」
皆がその大きさでは無理!と心の中で思った。
「心配するな!ほれ!」
龍神様がそう言うとバシャンと水が弾け、辺りが雨のように水の降る中、白く美しい女性が目の前に現れた。
水のようにすんなりと伸びた虹色に輝く白い髪。
切れ長で美しい金の眼、顔の造作は涼し気で高貴さを讃える美人だ。
すらりと美しく足が伸び、くびれた腰に、形の美しい胸・・・・・裸だ・・・!!
「わ~~~~~~~!」
僕が慌てる。
お父さんはあまりのことに硬直して固まる。
お母さんは、あわあわと大慌てで何とか隠せるものは無いかと探す。
「龍神様裸です!人型で裸はいけません~~~!」
「ん?そうか?
ああ、この大きさでは坊と友達と言いにくいな?」
人間になることでさらに可愛く首をかしげて見せる。
困ったものだよ~~~!
龍神様が指を鳴らした瞬間。
また、パシャンっと音がし、水が弾けるとそこには僕と同い年くらいの小さな女の子が居た。
ほっぺはぷにぷにで、手足も小さい。
顔も幼くなって、金の目は切れ長と言うよりくりくりのまあるい目だ。
可愛い~!
「とうしゃ!おろして~」
僕はお父さんの腕から降りると、龍神様の目の前に立つ。
「りゅうじんしゃま!かあいい!
ともらち!ぴったり!」
僕が嬉しくてきゃきゃと笑う。
龍神様は目を輝かせ、可愛いほっぺたがピンクに染まる。
「友達!嬉しいぞ!坊!」
そう言って、ワッと抱き着く。
「龍神様は堅苦しいな!りゅうちゃんと呼ぶがいい!許す!」
そう言ってギュッと僕を抱きしめて、頭をぐりぐりする。
龍神様は人型で人と話すことがあまりないのか、ずっと大はしゃぎしてるみたいに嬉しそうだ。
「うん!りうちゃ!ともらち!うれしい!」
もちろん僕だって、異世界初めての友達が同じサイズで遊べるのだ!すっごく嬉しい!
僕たちは顔を見合わせて、照れたみたいにへへへへっと笑いあった。
大好きな友達との楽しい未来が沢山広がった気がして、凄くワクワクする。
・・・・・お父さんとお母さんは、相変わらず固まっていたけれど・・・。
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