婚約解消された私は醜い公爵令息と婚約することになりましたが、今の方が断然幸せです。

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最近の悩み

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リックス様の事を知りたいと思い、リックス様の時間が許す限りお話をさせていただくこと早1週間。


疑問に思うことをなんでも問いかける私に、1度も無視などする事も邪険に扱う事もなく、リックス様はぶっきらぼうながらも全てに返事をしてくれた。


リックス様の事を知れば知るほどリックス様がどれほど凄い方なのかがよく分かりました。


こちらの領は元々国で1、2を争うほど栄えた場所でしたが、リックス様がお義父様の仕事を手伝われるようになってから、他の追随を許さぬほど栄えた領になられたのだとか。
リックス様自身は、そのことについては自分の功績ではないと仰っていましたが絶対にそんな事はありませんわ。


作物が不作の時でも領民が飢える事がないように、豊作時に余ったものを余計に輸出はせず、保存出来る物は保存し、そのまま保存が難しいものは塩漬けにするなどの工夫をして貯蔵するという事を異国から取り入れられたのもリックス様ですもの。
その事によって、数年前に国を襲った小麦の不作時も領民にはなんの影響もなく平穏なものだったそうです。


その他にも、国で1番料理が美味しいと評判のこちらの領ですが、その料理のレシピのほとんどはリックス様が考案されたものなのだそうです!
リックス様が少しふくよかなのは、そのレシピを作成される過程で何度も味見をするからだと思いますわ。
現在も、異国で考案されたという柔らかいパンを作り、そこから更にアレンジを加えようとしているのですから。


「少し甘過ぎるか…。どう思う?」
「確かに甘いですね。ドライフルーツを入れているからですかね?生地はそんなに甘くしなくても良いのかもしれませんね…」
「そうだな。なら、次は砂糖の割合をーーー」


パンを食べながらパン屋の店主と話し合うリックス様は、今日もとても輝いています。


そしてその話し合いが終わればーー。


「リックス様、エリーナ様、どうぞ、持って帰ってください」


そう言ってパン屋の店主が、溢れそうなほどパンが入った袋を両手で抱えて持ってきてくれる。
それはどう見ても2人では食べきれない量なので、リックス様がすかさず店主に断りを入れる。


「いつもいらないって言っているだろう。それに量が多いんだよ」
「これは俺の感謝の気持ちですから!それに、お屋敷には沢山の人がいるのは知ってますよ」
「だとしても、毎日は要らないって言ってるだろ。俺に渡すくらいなら商品に回せよ。いつも品切れだって客が嘆きてたぞ」


その通りです。
こちらのパン屋は王都でも噂を聞くくらい有名なパン屋で、開店と同時に行かないと売り切れて買えないと言われているほどですからね。
こんなに沢山のパンがあるのなら売りに回した方が利益にもなりますので良いと思いますわ。


「売りのパンはちゃんと用意してるんで大丈夫ですよ!はい、受け取ってください。俺の感謝の気持ち」
「………はぁ、有難くいただくよ」


感謝の気持ちと言われて受け取ってしまうリックス様。
お可愛らしい!


いつもこのやり取りをして、結局1度も断れずにパンを頂くのですよね。
最後は必ず受け取ってしまうのだから、初めから拒否しなければいいのに、とは思いますが、真面目なので1度は断ってしまうのですよね。


因みに、感謝の気持ちと食べ物を渡してくれる店はここだけではありません。
リックス様はこちらのパン屋も所属するグルメロードにある全てのお店にレシピを提供されているので、リックス様が歩けば皆さんが店の名物を持って現れ、リックス様に渡していくのです。


もちろんリックス様は1度は断るものの、結局は受け取り帰宅し、屋敷の方達に分け、残った分を全て頂くのです。
そして出来上がったふくよかなボディ。
リックス様の身体は、たくさんの方の感謝から成り立っているのです。


リックス様の身体を見れば、どれだけ感謝され愛されているかがよく分かりますわ。
ですが、その気持ちでリックス様の身体に支障をきたしているのも事実なのですよね。


「はぁ、はぁ…何故俺の部屋は2階にあるんだ…」


部屋へ帰られる前の階段でいつも苦しそうにされる。


「あの、大丈夫ですか?」
「はぁ、はぁ、ああ、なにも、ハァ、もんだいは、ない、」
「そうですか…」


本人がこう言われているのであれば、私はこれ以上言えることはありません。
ですか、少しでもリックス様の苦しみを軽減する方法はないのでしょうか…。


痩せられるのが1番だとは思いますが、そう簡単に出来るものでもありませんし。それになにより、本人が痩せたいと思わなければ意味がありませんものね。


そう悩んでいましたが、その悩みは思ったよりも早く解決することになりました。



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