婚約解消された私は醜い公爵令息と婚約することになりましたが、今の方が断然幸せです。

しあ

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ルーファス視点

楽しいパーティーの始まりだ!

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エリーナとワーズスを笑いものにしてやろうと思い立ってから3ヶ月近く、ようやくアイツらをバカにしてやる日が来た。


本当ならもう少し早くしてやるつもりだったが、俺の可愛い子猫ちゃんが満足するパーティーをするために思いの他時間がかかってしまった。
だが、そのおかげで子猫ちゃんに満足して貰えたのでよかった。


準備する間は周りがうるさく言ってきたが、全て無視してやった。
「マルクス嬢ならこんな無茶を言われたりしませんでしたよ」なんて言ってきやがる奴らもいたが、もうアイツは居ないのだから言うだけ無駄だろうが。


あの女は俺の婚約者でなくなった今でも俺の事を煩わせやがって…。


だが、そのイラつきも今日で少しはマシになるだろう。
会場へ出て行くまで待機しながらこれから起こるであろうことを想像してニヤけそうになる。


アイツらは一体どんな顔をするだろうな。
恥ずかしくて下を向きながら会場から出ようとするかもな。


ん?会場が何故か色めきたっているな。
俺はまだ登場していないというのにどういう事だ?


「ルーファス様」
「どうしたんだい子猫ちゃん?」


会場を覗いてた子猫ちゃんがこちらへと戻ってきて俺の腕を掴む。
いつも思うが、この胸に当たる柔らかい感覚は癖になるな。
あの女にはなかった豊満さ。やはりあの女と婚約解消をして正解だったな。


「あの、先にエリーナ様にご挨拶をしてもいいですか?」
「エリーナに?」


どうせこれから会うのだからわざわざ今行かなくてもいいだろうに、突然どうしたんだ?


「パーティーが始まってからだと、たくさんの方にご挨拶してエリーナ様とお話する時間があまり取れないと思うので、先にお話させて頂きたいんです」


ダメですか?と胸を押し付けながら上目遣いで聞かれて嫌と言う男は男じゃないだろう。


「いいだろ。では、今から行くか」
「殿下、もうすぐご入場のお時間ですが!」
「煩い!すぐ戻ってくるからお前達はここで待機しておけ!」


全く融通の利かない奴らめ。
少しくらい出て行くのが遅くなっても構わないだろうが。
さて、俺達は別の入口からアイツらの所へ行こうか。


アイツらは一体どこにいるのか…。


なんだあの人だかりは。
周りにいるのは令嬢ばかりのようだが、俺はここに居るのに一体何をしているんだ。


「ルーファス様…あちらにエリーナ様がいらっしゃる様ですわ」
「ああ、そうだな」


何故か子猫ちゃんが掴んでいる手に力が入っている気がするのだが、気のせいか?
服の上からでも分かるほど爪がめり込んで来ているんだが、一体どうしたんだ。


「エリーナ様は、どうやら婚約者様と来られなかった様ですね」
「ん?誰だあの男は?」


婚約者同伴とわざわざ書いてやったのに、別の男を連れてくるとはなんて非常識なやつだ。
隣にいる男は見た目は俺ほどではないがまぁまぁ良い顔立ちをしているな。


ふ、あんな女でも周りの目は気になるのか。
どこで雇った男かは知らないが、婚約者の代わりに見た目が良い男をパートナーに連れてくるなんて笑えるな。
あの生意気なワーズスを笑えなかったのは残念だが、これはこれでいい笑いものになるだろうから許してやるか。


「エリーナ、久しぶりだな」


移動しようとしてるエリーナに声をかけてやれば、少し驚いた顔をしながら挨拶を返してくる。
挨拶だけではなく俺への注意も入っていたがな。
全く、この女は相変わらず俺をイラつかせることしか言わないのか。


婚約解消を根に持っているのだろうが、そんなことは無いと嘘までついてくる。
本当に素直じゃない女だ。


まぁ、俺に婚約解消されて醜い男と婚約させられたのだから嘘も付きたくなるか。
パートナーも別の男を連れてきて、婚約解消も気にしないフリをするとは面白いな。
すぐにバレる嘘をついてまで自分を守りたいのか。


だが、そんな嘘は通用するはずがないだろ。
このパーティーが終わった頃にはお前は国中の笑いものになるんだ。


子猫ちゃんの言った通り先に会いに来て正解だったな。
おかげでパーティーが始まる前から気分が良い。


「あの…。私のせいで、ルーファス様と婚約解消をする事になって、ごめんなさい!」


子猫ちゃんがこの女に謝る事なんて何も無いだろう!
何故子猫ちゃんが謝っているんだ!


婚約解消のそもそもの原因を作ったのはエリーナ自身なのに!
醜い男と婚約したことを気にかけていたなんて、なんて優しいんだ俺の子猫ちゃんは…!


それに比べてこの女はなんだ!
謝罪は不要?パートナーにあの男を連れてきていないくせに強がるのもいい加減にしろ!



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