賭けで付き合った2人の結末は…

しあ

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あの後食べた物の味はよく分からなくて、気付けばルシオ先輩は隣に座って肩が触れ合いそうなほど近くで一緒に料理を食べ、これが美味しいとか、これ好きだと思う、とか言いながら私のお皿に料理を入れてくれた。
たまにあーんと口に料理を運んでくれたり、私が食べようとした物を食べさせて、なんて言って来たり、食事が終わるまでずっとそんな感じだった。


帰る時も指を絡めて手を繋いで部屋の前まで送ってくれて、去り際に「おやすみ。愛しているよ、リディア。良い夢を」と額にキスを落として帰って行った。
ルシオ先輩が見えなくなった後、蕩けるような笑みとはああいうのかも知れない、なんて頭の端で考えながら入ろうとした扉に激突した。


多分あの時の私の顔は誰が見ても真っ赤だったと思う。
むしろ叫ばなかった自分を褒めてあげたい。
ルシオ先輩の急な態度の変化に驚きと戸惑いが隠せない。


惚れてもらうためにアピールってなに?
そもそもルシオ先輩って、恋に積極的なタイプではなかったですよね?これも新しい遊び…にしてはふざけてる様子もないし、そういう気分だったとか?
もう本当に意味がわからない!!


そして次の日からも、私はルシオ先輩の変わりように顔を赤にするやら真っ赤にするやら…ずっとドキドキさせられっぱなしで心臓が持たない…!


朝は部屋までお迎えに来てくれて、当たり前のように恋人繋ぎで食堂まで行って朝食を一緒に摂る。食べてる間もアーンされたり、アーン(ルシオ先輩に流されて)したり、口元が少しでも汚れたら優しく拭ってくれるし、飲み物も無くなれば取ってきてくれる。


授業は学年が違うから校舎も教室も違うのに、ギリギリまで一緒にいて、去り際に額にキスをして去っていく。しかも毎時間。私の時間割をどうして知っているのかは謎だし、リアが意味深な顔でニヤニヤとこっちを見てくるのも謎。


ランチは当然のように食堂に連れて行ってくれるし、放課後は前まで通り勉強をみてくれる。
たまに気分が乗らない時は庭を一緒に散歩したり、街に遊びに行ったりもした。

帰りは部屋までしっかりと送ってくれる。
休日は互いの予定がなければ必ず会いに来てくれて、街に出たり、そうじゃない時はどちらかの部屋に行って過ごしていた。


初めはその生活に戸惑いを感じていたけど、気付けばそれが当たり前になって、一日中囁かれる愛の言葉にも顔を赤くすることが少なくなっていた。
その頃には、私に対するルシオ先輩の気持ちが本物だということをしっかりと伝わっていた。


因みに、ルシオ先輩と私の関係は賭けが始まった時から途切れず恋人という関係を継続させていた。
始まりは賭けであっても、今では誰が見ても私達は恋人同士。というか、学校一有名なカップルとして知られているかもしれない。恥ずかしいけど。


何故こうなったのかは、主にルシオ先輩の私への態度のせい。
周りに誰がいようと愛を囁くし、甲斐甲斐しく私の面倒を見て、いつもご機嫌そうにニコニコしているから。


だけど、それだけじゃなく、私がルシオ先輩と釣り合わないと言って危害を加えたり、加えようとした人達にルシオ先輩がキッチリ話をつけに行っていたから。
もちろん手は出していないそうだけど、次にその人達と会った時には、顔を真っ青にして全力で走って逃げられてしまった。一体ルシオ先輩は何をしたのか…。


その他にも、私が男子生徒と話していると必ず現れて冷え切った笑みを彼らに向けるものだから、男子生徒は誰も私に近寄ってこなくなった。
ただ話しているだけだから、そんなことはしないで欲しいと伝えても、しょぼんとした顔で「だって、オレもリディアと話したいのにずるいじゃん」なんて言われたら怒るに怒れない。
これが惚れた弱みというのか、どうしても強く出れなくて許してしまう。


そんな学校一有名なカップルの彼氏は、今日この学校を旅立つ。
学校でルシオ先輩と会うのは今日が最後になる。



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