嫌われ皇后は子供が可愛すぎて皇帝陛下に構っている時間なんてありません。

しあ

文字の大きさ
61 / 99

61、イザベラ視点1

しおりを挟む



朝からルミリオが来たと思えば、リアムを預かりたいだなんてどういう風の吹き回しよ。


聞けば、私が休めるようにしたいから、なんて言うけど、本心で言ってるのかしら。あの女に興味を持ち始めてからは、わかり易いほどに私の事を気にかけて居なかったのに。


そのおかげでギルバートと会う頻度を多く出来たり、お茶会であの女の悪評を広めることが前より簡単に出来から良かったけど。今更なんなの。


寝込んでいると伝えてからすでに二週間近くもなるのに、リアムを預かりたいだなんて。昨日のパーティでギルバートにリアムが毒を盛られたと言ってもらったけど…もしかして何かルミリオが勘づいた?


いえ、ルミリオが私の事を疑うわけが無いわ。だって、そうなる様に私は彼の傍でずっと優しい幼馴染を演じてきたんだから。


それなら、誰かに言われてここに来たのかしら。だったら、誰がそんな事を言ったのかしら…。


まさか、あの女が…?


昨晩、ルミリオがあの女の部屋に行っていたことは報告されていたから、もしかしてその時にリアムを私から引き離して欲しいとでも言ったのかしら。


皇女を産んでからは私の想い通りに全く動かなくなったあの女なら、ルミリオにそう言ってもおかしくは無い。最近のあの女はバカみたいに私のことを良い人だと思っていそうに見えて少し油断したけど、あの女の思い通りにはさせないわ。


「私の事を考えて下さりありがとうございます。ですが、リアムの事が心配ですので、あの子が回復するまでは共にいたいのです」


そう伝えれば、バカなルミリオはすぐにでも引くはず。と、思っていたのに、別室に隔離するのは、あの女からリアムを守る為でもある、と言われて少し悩んでしまう。


リアムを守るためだなんて、あの女の入れ知恵?それとも、昨日のギルバートの言葉を信じてあの女をまた疑い始めたの?


あの女の入れ知恵ならリアムを絶対に渡せない。だけど、昨夜あの女の部屋から出てきたルミリオの表情は、とても険しいものだったと聞いたし…あの女をまた疑い始めたと言う可能性も捨てきれない。


あの女を疑い始めたのなら、あの女に恐怖を覚えている演技をした方がルミリオもあの女を更に疑い、前の様に距離を置くようになるはず。


だけど、そうでなかった場合、リアムが意識を取り戻して、慕っているあの女に毒の真相を話すかもしれない…。


他の人間ならともかく、あの女への懐きようか異常だから、いつ私の事を話されるか分からない。


全く…ここまであの子をあの女に懐く前に止めなかったメリーには心底怒りを覚える。あの子がしっかりと見ていないからこんな事になるのよ。


リアムの事を管理するために付けたのに、本当に役立たずだわ。あの子にはまだ使い道があるから、これから私に逆らわないように今は罰を与えているけど、本当に無能な子だわ。


あそこまであの子が使えない子だとは思わなかったわ。私の見る目もまだまだみたいね。今度は間違わないように、ルミリオにリアムを預けてもいいかしっかりと見極めないといけないわ。


…………あの女から守るため、ねぇ?


もし本当にルミリオがそう思っているのなら、リアムを預けた方がいいわね。あまり断れば、逆に私のことを怪しまれるかもしれないし。


だけど、嘘だった場合は私が不利になる。
さて、どうしましょうか。


「今まで皇后とばかり過ごしていて悪かった。リアムの事で不安に思っている君を1人にしてしまっていた。これからは、皇后とは会わずにリアムが回復するまで君の話を聞くようにする」
「…本当、ですか…?」
「ああ、もちろんだ」


………嘘を言っているようには見えないわ。


不愉快ではあったけど、共に居た時間が長いから、嘘をついているかどうか位はわかる。


あの女に会わないという事は本当なのだろうけど、ルミリオの表情が不本意そうなのが気に掛るわね。もしかして、会いに来るなとあの女から言われたのかしら…。


「あの…もしかして……ルビア様と何かありましたか…?急に会わないだなんて…」
「いや、そうではない……。そうでは無いが……彼女がリアムに毒を飲ませようとしたかもしれないのなら、警戒すべきだと思っただけだ」


あの女に会いたいけど、リアムの事があるから会うわけにはいかないと思っているのかしら。信じたくてもギルバートの言葉を聞いて少し距離を置こうと思ったのなら、ここは素直にルミリオの提案に乗っほうが良さそうね。


「私は決してルビア様が行ったことではないと思っています…。ただ…犯人が見つかるまでは、誰にもリアムには会わせたくないのです…」
「分かっている。リアムを預かっていは間は、医者以外には会わせないと約束する。だから、私にリアムを預けてくれないか」
「………わかりました」


正直、リアムと一緒にいるのは苦痛で仕方なかった。なので、預かってくれるのなら清々するわ。あの女に会わせる気も無さそうだし、預けても問題無さそうね。


本当に、ルミリオとの子だと言うだけであの子が不愉快で仕方ないわ。リアムがいなくなるのな、今日もまたギルバートと会おうかしら。


ルミリオがあの女の事をまた疑い始めたのなら、計画も順調に進められるだろうし、ギルバートと隠れて会わなくても済むようなるわね。


あの女のせいで狂ってしまった計画も、やっと終わりが見えてきて嬉しくなる。ルミリオに否定的な貴族も味方につけたし、後はあの女とルミリオをこの城から追い出して、私とギルバートが皇后と皇帝になれるように後押ししてもらうだけだわ。


ああ、その日をどんなに待ち望んだことか…。


だけど、もうすぐ私の思い描いていた通りになる。お母様が亡くなって…お母様からの手紙を読んだ日から誓った復讐を遂げれるわ。


見ていて下さい、お母様。
私がお母様の必ず屈辱を晴らして差し上げますから。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】記憶喪失の令嬢は無自覚のうちに周囲をタラシ込む。

ゆらゆらぎ
恋愛
王国の筆頭公爵家であるヴェルガム家の長女であるティアルーナは食事に混ぜられていた遅延性の毒に苦しめられ、生死を彷徨い…そして目覚めた時には何もかもをキレイさっぱり忘れていた。 毒によって記憶を失った令嬢が使用人や両親、婚約者や兄を無自覚のうちにタラシ込むお話です。

【完結】転生したら悪役継母でした

入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。 その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。 しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。 絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。 記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。 夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。 ◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆ *旧題:転生したら悪妻でした

悪女役らしく離婚を迫ろうとしたのに、夫の反応がおかしい

廻り
恋愛
第18回恋愛小説大賞にて奨励賞をいただきました。応援してくださりありがとうございました!  王太子妃シャルロット20歳は、前世の記憶が蘇る。  ここは小説の世界で、シャルロットは王太子とヒロインの恋路を邪魔する『悪女役』。 『断罪される運命』から逃れたいが、夫は離婚に応じる気がない。  ならばと、シャルロットは別居を始める。 『夫が離婚に応じたくなる計画』を思いついたシャルロットは、それを実行することに。  夫がヒロインと出会うまで、タイムリミットは一年。  それまでに離婚に応じさせたいシャルロットと、なぜか様子がおかしい夫の話。

〖完結〗死にかけて前世の記憶が戻りました。側妃? 贅沢出来るなんて最高! と思っていたら、陛下が甘やかしてくるのですが?

藍川みいな
恋愛
私は死んだはずだった。 目を覚ましたら、そこは見知らぬ世界。しかも、国王陛下の側妃になっていた。 前世の記憶が戻る前は、冷遇されていたらしい。そして池に身を投げた。死にかけたことで、私は前世の記憶を思い出した。 前世では借金取りに捕まり、お金を返す為にキャバ嬢をしていた。給料は全部持っていかれ、食べ物にも困り、ガリガリに痩せ細った私は路地裏に捨てられて死んだ。そんな私が、側妃? 冷遇なんて構わない! こんな贅沢が出来るなんて幸せ過ぎるじゃない! そう思っていたのに、いつの間にか陛下が甘やかして来るのですが? 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi(がっち)
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

【完結済】隣国でひっそりと子育てしている私のことを、執着心むき出しの初恋が追いかけてきます

鳴宮野々花@書籍4作品発売中
恋愛
 一夜の過ちだなんて思いたくない。私にとって彼とのあの夜は、人生で唯一の、最良の思い出なのだから。彼のおかげで、この子に会えた────  私、この子と生きていきますっ!!  シアーズ男爵家の末娘ティナレインは、男爵が隣国出身のメイドに手をつけてできた娘だった。ティナレインは隣国の一部の者が持つ魔力(治癒術)を微力ながら持っており、そのため男爵夫人に一層疎まれ、男爵家後継ぎの兄と、世渡り上手で気の強い姉の下で、影薄く過ごしていた。  幼いティナレインは、優しい侯爵家の子息セシルと親しくなっていくが、息子がティナレインに入れ込みすぎていることを嫌う侯爵夫人は、シアーズ男爵夫人に苦言を呈す。侯爵夫人の機嫌を損ねることが怖い義母から強く叱られ、ティナレインはセシルとの接触を禁止されてしまう。  時を経て、貴族学園で再会する二人。忘れられなかったティナへの想いが燃え上がるセシルは猛アタックするが、ティナは自分の想いを封じ込めるように、セシルを避ける。  やがてティナレインは、とある商会の成金経営者と婚約させられることとなり、学園を中退。想い合いながらも会うことすら叶わなくなった二人だが、ある夜偶然の再会を果たす。  それから数ヶ月。結婚を目前に控えたティナレインは、隣国へと逃げる決意をした。自分のお腹に宿っていることに気付いた、大切な我が子を守るために。  けれど、名を偽り可愛い我が子の子育てをしながら懸命に生きていたティナレインと、彼女を諦めきれないセシルは、ある日運命的な再会を果たし────  生まれ育った屋敷で冷遇され続けた挙げ句、最低な成金ジジイと結婚させられそうになったヒロインが、我が子を守るために全てを捨てて新しい人生を切り拓いていこうと奮闘する物語です。 ※いつもの完全オリジナルファンタジー世界の物語です。全てがファンタジーです。 ※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。

【完結】2番目の番とどうぞお幸せに〜聖女は竜人に溺愛される〜

雨香
恋愛
美しく優しい狼獣人の彼に自分とは違うもう一人の番が現れる。 彼と同じ獣人である彼女は、自ら身を引くと言う。 自ら身を引くと言ってくれた2番目の番に心を砕く狼の彼。 「辛い選択をさせてしまった彼女の最後の願いを叶えてやりたい。彼女は、私との思い出が欲しいそうだ」 異世界に召喚されて狼獣人の番になった主人公の溺愛逆ハーレム風話です。 異世界激甘溺愛ばなしをお楽しみいただければ。

処理中です...