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61、イザベラ視点1
しおりを挟む朝からルミリオが来たと思えば、リアムを預かりたいだなんてどういう風の吹き回しよ。
聞けば、私が休めるようにしたいから、なんて言うけど、本心で言ってるのかしら。あの女に興味を持ち始めてからは、わかり易いほどに私の事を気にかけて居なかったのに。
そのおかげでギルバートと会う頻度を多く出来たり、お茶会であの女の悪評を広めることが前より簡単に出来から良かったけど。今更なんなの。
寝込んでいると伝えてからすでに二週間近くもなるのに、リアムを預かりたいだなんて。昨日のパーティでギルバートにリアムが毒を盛られたと言ってもらったけど…もしかして何かルミリオが勘づいた?
いえ、ルミリオが私の事を疑うわけが無いわ。だって、そうなる様に私は彼の傍でずっと優しい幼馴染を演じてきたんだから。
それなら、誰かに言われてここに来たのかしら。だったら、誰がそんな事を言ったのかしら…。
まさか、あの女が…?
昨晩、ルミリオがあの女の部屋に行っていたことは報告されていたから、もしかしてその時にリアムを私から引き離して欲しいとでも言ったのかしら。
皇女を産んでからは私の想い通りに全く動かなくなったあの女なら、ルミリオにそう言ってもおかしくは無い。最近のあの女はバカみたいに私のことを良い人だと思っていそうに見えて少し油断したけど、あの女の思い通りにはさせないわ。
「私の事を考えて下さりありがとうございます。ですが、リアムの事が心配ですので、あの子が回復するまでは共にいたいのです」
そう伝えれば、バカなルミリオはすぐにでも引くはず。と、思っていたのに、別室に隔離するのは、あの女からリアムを守る為でもある、と言われて少し悩んでしまう。
リアムを守るためだなんて、あの女の入れ知恵?それとも、昨日のギルバートの言葉を信じてあの女をまた疑い始めたの?
あの女の入れ知恵ならリアムを絶対に渡せない。だけど、昨夜あの女の部屋から出てきたルミリオの表情は、とても険しいものだったと聞いたし…あの女をまた疑い始めたと言う可能性も捨てきれない。
あの女を疑い始めたのなら、あの女に恐怖を覚えている演技をした方がルミリオもあの女を更に疑い、前の様に距離を置くようになるはず。
だけど、そうでなかった場合、リアムが意識を取り戻して、慕っているあの女に毒の真相を話すかもしれない…。
他の人間ならともかく、あの女への懐きようか異常だから、いつ私の事を話されるか分からない。
全く…ここまであの子をあの女に懐く前に止めなかったメリーには心底怒りを覚える。あの子がしっかりと見ていないからこんな事になるのよ。
リアムの事を管理するために付けたのに、本当に役立たずだわ。あの子にはまだ使い道があるから、これから私に逆らわないように今は罰を与えているけど、本当に無能な子だわ。
あそこまであの子が使えない子だとは思わなかったわ。私の見る目もまだまだみたいね。今度は間違わないように、ルミリオにリアムを預けてもいいかしっかりと見極めないといけないわ。
…………あの女から守るため、ねぇ?
もし本当にルミリオがそう思っているのなら、リアムを預けた方がいいわね。あまり断れば、逆に私のことを怪しまれるかもしれないし。
だけど、嘘だった場合は私が不利になる。
さて、どうしましょうか。
「今まで皇后とばかり過ごしていて悪かった。リアムの事で不安に思っている君を1人にしてしまっていた。これからは、皇后とは会わずにリアムが回復するまで君の話を聞くようにする」
「…本当、ですか…?」
「ああ、もちろんだ」
………嘘を言っているようには見えないわ。
不愉快ではあったけど、共に居た時間が長いから、嘘をついているかどうか位はわかる。
あの女に会わないという事は本当なのだろうけど、ルミリオの表情が不本意そうなのが気に掛るわね。もしかして、会いに来るなとあの女から言われたのかしら…。
「あの…もしかして……ルビア様と何かありましたか…?急に会わないだなんて…」
「いや、そうではない……。そうでは無いが……彼女がリアムに毒を飲ませようとしたかもしれないのなら、警戒すべきだと思っただけだ」
あの女に会いたいけど、リアムの事があるから会うわけにはいかないと思っているのかしら。信じたくてもギルバートの言葉を聞いて少し距離を置こうと思ったのなら、ここは素直にルミリオの提案に乗っほうが良さそうね。
「私は決してルビア様が行ったことではないと思っています…。ただ…犯人が見つかるまでは、誰にもリアムには会わせたくないのです…」
「分かっている。リアムを預かっていは間は、医者以外には会わせないと約束する。だから、私にリアムを預けてくれないか」
「………わかりました」
正直、リアムと一緒にいるのは苦痛で仕方なかった。なので、預かってくれるのなら清々するわ。あの女に会わせる気も無さそうだし、預けても問題無さそうね。
本当に、ルミリオとの子だと言うだけであの子が不愉快で仕方ないわ。リアムがいなくなるのな、今日もまたギルバートと会おうかしら。
ルミリオがあの女の事をまた疑い始めたのなら、計画も順調に進められるだろうし、ギルバートと隠れて会わなくても済むようなるわね。
あの女のせいで狂ってしまった計画も、やっと終わりが見えてきて嬉しくなる。ルミリオに否定的な貴族も味方につけたし、後はあの女とルミリオをこの城から追い出して、私とギルバートが皇后と皇帝になれるように後押ししてもらうだけだわ。
ああ、その日をどんなに待ち望んだことか…。
だけど、もうすぐ私の思い描いていた通りになる。お母様が亡くなって…お母様からの手紙を読んだ日から誓った復讐を遂げれるわ。
見ていて下さい、お母様。
私がお母様の必ず屈辱を晴らして差し上げますから。
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