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81、ピクニック!
しおりを挟む「お母様、どこにする?」
「うーん。リアムは何処がいい?」
「えっと、あっち!」
指をさしながら、繋いだ私の手を引っ張って歩くリアムについて行けばーー。
「ここって…」
「うん!お母様と散歩していた時に、初めてお父様と会った時に座ったベンチ!」
今では懐かしく感じる場所に案内された。
そういえば、あの日から、皇帝と散歩をしたり話すようになったんだっけ…。
最近はここに来ていなかったから、なんだかすごく懐かしい。あの時は私が皇帝を避けていたのに、まさか今では真逆の気持ちになるなんて思わなかったな…。
イザベラ様の事や、城のことも落ち着いたから会ってもらえるかと思ったけど、未だに会うことが出来ない。今回のピクニックもアレックスさんを通して誘ってみたけど、返事は『楽しんできて下さい』だけだった。
リアムもアイリも居るから、参加してくれるかもしれないと期待していた分、伝えられた言葉に胸がチクリと傷んだ。それに、いつも通りの皇帝の敬語にも、なんだか距離が感じられて寂しくなった。
もしかしてルビアもこんな気持ちだったのかな…。
私以外に敬語なんか使わないのに…なんて、思考がどんどん暗くなっていくのに気付いてハッとする。
顔を上げると、心配そうにこちらを見上げるリアムと目が合う。
「ここで食べるの嫌だった?」
「あ、ううん!あの日から色々あったなって思っただけ。ここで食べるのが嫌なわけじゃないよ」
「そう?それなら良かった!じゃあ、ここで食べよ!」
「うん。だけど、このベンチに全員は座れないから、後ろの芝生に布を広げようか」
「うん!」
無意識に考えてしまった皇帝の事を振り払うように、リアムと一緒にレジャーシート代わりの布を広げる。そして、その上にマーガレット達が運んでくれたお弁当達を置いてもらう。
「うわぁ~美味しそう!」
「いっぱい作ったから好きなだけ食べてね。マーガレットにジェーンもミリアナも遠慮せずに食べてね」
そう3人に声をかければ、ジェーン、ミリアナ、マーガレットの順で感謝を述べてくれる。
「ありがとうございます!では、遠慮なく!」
「ありがとうございます。頂きます」
「私達の分まで用意して下さりありがとうございます。ルビア様のお料理を頂けるなんて嬉しく思います」
「…味はそこまで期待しないでね?」
感激したように感謝されると、一応前世で献立を立てたり、人が足りない時に調理場に立って仕事をしていたとはいえ、味が大丈夫か心配になる。一応味見はしたけど、口に合わなかったらどうしよう…。
「口に合わなかったら残してくれていいからね」
「そんな!ルビア様が作って下さったのに残すわけがありません!」
「そうです。それに、ルビア様のお料理はいつも美味しので心配はいりませんよ」
「そう?」
ジェーンとミリアナはそう言ってくれるけど、やっぱり心配にはなってしまうよね…。
「お母様のご飯が美味しいのは、僕とアイリが1番知ってるから大丈夫だよ。それに、みんなが残しても僕が1人で食べちゃうから大丈夫!」
「え、それはずるいですよリアム様!私だって食べるのを楽しみにしていたんですからね!」
「そう?でも、絶対僕の方が楽しみにしてたよ!」
「そんな事はありません!私だって!」
リアムの言葉にジェーンが反応して、2人でわちゃわちゃとお弁当を開けて、競うように食べ始める。そんな2人を笑いながら、ミリアナもマーガレットも食べ始めてくれる。
「美味しいです」
「本当?良かった…」
「もしルビア様がお店を開かれれば行列間違いなしですね!」
「それは言い過ぎだよ」
「あうー!」
「ほら、アイリ様もそうだって言ってますよ」
なんてみんなで笑いながら食べていると、リアムがポツリと呟く。
「父上とメリーも、一緒だったら良かったな…」
皇帝も一応は誘ったけど、仕事が忙しいとの事で断られたし、メリーは…目は覚ましたけど、ここに来れる状態ではなかったから誘えなかったんだよね…。
だけど、リアムにとって2人とも大切な人だから、一緒に楽しい時間を過ごしたかっただろうな。
「……今回は来れなかったけど、次は来てもらうように一緒にお願いしてみようか?」
「僕ができるの?メリーにも?」
「もちろん。どうして出来ないと思ったの?」
「だって、メリーは僕が嫌いになって家に帰っちゃったんでしょ?」
「え…?」
そんなことあるはずがない。そもそも、メリーがあんな状態になっていたのも、リアムを助けようとしたからなのに。一体誰がそんなことを…って、そんな嘘を教えのはあの人しか居ないよね…。
「イザベラ様がそう言っていたの?」
「うん…。僕が馬から落ちて部屋に戻った時に、メリーが僕の事を嫌いになって出て行ったって…」
そんなことあるはずがないのに…。
「嘘だって思ったけど、メリーの部屋に物がなくなってて、他のメイドも同じこと言ってたから…。だけど、違うの?メリーは僕のこと嫌いになってない?」
「嫌いになんてなるはずがないよ」
前の使用人達は全員何かしらの刑や罰を下されたけど、リアムに対して心に傷を作るような事を言っていたって知ってたら、どの人が言ったかを調べ上げて皇帝にキツイ罰を与えてもらえるように進言したのに…!
リアムにありえない嘘を言って傷付けた人達を、今からでも探し出して追加で罰を与えてやろうか…。
前の使用人達にもふつふつと怒りが湧いてくる。
だけど、今はリアムに本当のことを知ってもらう方が先なので、一旦心を落ち着かせてリアムに話をする。
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