癒しと毒の融合愛◆◆心の逃げ場だけでいいのか?久遠の愛を誓う物語◆◆ 【完結】

まぁ

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part 8-4

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「うまそ。食っていいか?」
「あっ…いいけど…」
「ん?」
「大葉があったから、巻いても美味しいと思う…大葉苦手なら海苔」
「洗うの面倒だから、ここの海苔」

俺もカッコつける気はない。面倒なものは面倒だと言う。すぐ後ろにある焼き海苔を出して握り飯に巻くと

「いただきます」

言い終わるかどうかでかぶり付いた。

「…ぅっまっ、紗栄子…才能あるんじゃね?うまい」

俺が続けて二口目を口にすると、紗栄子は不思議なものを見るかのような視線で俺を見上げる。

「…ここのお米のおかげ?…普通のおにぎりなんだけど…どうなったんだろ…」

ああ…料理を誉められたことがないんだな、母親以外から。

「おっはよー、起きてた?って…龍、立ち食いしてんの?何?」

手に何かぶら下げた舞生と、その後ろから福嶋が入って来た。

「おはようございます、福嶋さん、舞生さん」

俺は、大葉を洗いながら挨拶した紗栄子の手から1枚大葉を抜き取り、みっつめを食う。

「たくさん食うワケじゃない…って言ってたけど…龍之介…みっつめ…」
「美味しそうですね、紗栄子さん。ひとつ頂いても?」
「どうぞ…あっちへ座って、どうぞ。炊いてあったのを全部握ったから…」
「ボクももらう。これはお土産ってことで、紗栄ちゃんに」
「何…?」
「朝に食べるかなって、芋栗小豆の秋食パンがベーカリーで出てたから」
「ありがと…いいのかな?」

中身を覗いてから俺を見た紗栄子の眼差しは、やはり純粋過ぎるほどで吸い込まれそうだ。

「ん。昼でも軽食でも。気に入ったらベーカリーは近い」

そのあたりも今からだ。自由に動いていいと言われても、いきなり遠出は出来ないだろう。周辺の環境を教えてやらないとな。

「これは…アイデアがすごいですね、紗栄子さん。才能があるんでしょうね、残ったたくあんがこれですから…次は海苔で巻いていただきます」
「海苔もめちゃめちゃ合うよ、兄貴っ…龍が4個も食べるはずだよ。紗栄ちゃん、神っ」

福嶋と舞生をボーッと見ながらゆっくりと自分も食べる紗栄子は、誉められる事態を把握出来ないままだ。昨日起きられたばかりだから仕方ない。

毎日紗栄子の心に刻んでいく…紗栄子が人を笑顔にすると。

俺を癒すのだと。
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