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part 14-10
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「福嶋さんたちにも蓮があるの?」
百貨店からマンションへ帰る車は、来た時と同じく龍之介の車で舞生さんの運転、助手席に福嶋さんだ。
「ボクは痛いのが嫌だから入れたいと思ったことがないんだよね。兄貴は般若面に桜の厳ついのがある」
「厳ついかはどうでしょう?普通ですが、若の彫りが女性でも背負えそうなほどスタイリッシュですからね。それと比べると厳ついのかもしれません」
確かに龍之介の蓮は背中一面でもなく、カラーも淡く美しい。
「代々藤堂が蓮を背負っておられるので、知っている者は同じ蓮は入れていませんね。似たような花として蓮華を描いてる者は何人かいます」
憧れ、崇拝、気概、決意など人それぞれに意味があるのだろう。蓮は藤堂にぴったりだと改めて思う。
「芦田は菩薩、空雅は釈迦、松居は千手観音」
「わっ…私…お釈迦様や観音様に囲まれてるの?虎とか蛇じゃないんだ…」
「姐さんが蛇」
「そうなんだ」
「紗栄ちゃんも入れたいの?」
龍之介と私の声が途切れるのを待っていた舞生さんが駐車場に車を入れながら聞く。
「ううん、私も痛いの嫌」
「だよね、ボクとお揃い」
ゴンッ…
「気持ち悪い言い方するな」
龍之介が舞生さんの座る運転席を蹴った。今日も仲良しだね。
百貨店からマンションへ帰る車は、来た時と同じく龍之介の車で舞生さんの運転、助手席に福嶋さんだ。
「ボクは痛いのが嫌だから入れたいと思ったことがないんだよね。兄貴は般若面に桜の厳ついのがある」
「厳ついかはどうでしょう?普通ですが、若の彫りが女性でも背負えそうなほどスタイリッシュですからね。それと比べると厳ついのかもしれません」
確かに龍之介の蓮は背中一面でもなく、カラーも淡く美しい。
「代々藤堂が蓮を背負っておられるので、知っている者は同じ蓮は入れていませんね。似たような花として蓮華を描いてる者は何人かいます」
憧れ、崇拝、気概、決意など人それぞれに意味があるのだろう。蓮は藤堂にぴったりだと改めて思う。
「芦田は菩薩、空雅は釈迦、松居は千手観音」
「わっ…私…お釈迦様や観音様に囲まれてるの?虎とか蛇じゃないんだ…」
「姐さんが蛇」
「そうなんだ」
「紗栄ちゃんも入れたいの?」
龍之介と私の声が途切れるのを待っていた舞生さんが駐車場に車を入れながら聞く。
「ううん、私も痛いの嫌」
「だよね、ボクとお揃い」
ゴンッ…
「気持ち悪い言い方するな」
龍之介が舞生さんの座る運転席を蹴った。今日も仲良しだね。
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