さまよう綸◆◆若頭からの求愛…迷惑だわ◆◆ 【完結】

まぁ

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第八話 2

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 朝、仕事を始める時に言われていたんだ‘今は我慢するが夜は覚悟しておけよ’って。

 まだ仕事が残っているのにそんな声で囁いてはいけない。彼の腕をすり抜けて階段を駆け下りると、セツさんがちらし寿司とお吸い物が作ってあるからと言って帰る。すぐ食べられるようにしてあるのか…とにかくもう少し仕事しようとパソコンの前に座ると、潤と駿が仕事を手に入って来た。そして

「綸ちゃん、それ今日中に出来なくても大丈夫だよ」

 とニヤニヤしながら言うからいたたまれない。無視することにして黙々と作業を進めた。

 夕飯はとても美味しく頂き、食後の片付けは私がする。今までは置いていたらしいが、私のやりたいようにと正宗に言ってもらったので出来ることはする。そして今夜はまだ時間が早いのに潤と駿は帰って行ってしまった。

「珈琲、飲む?」
「いや、こっち来い」

 何となく離れていたのだが、立ち上がり階段の下から呼ばれる。

「…すごく恥ずかしいんだけど」
「綸、恥ずかしかろうが何だろうが今日は我慢しない。風呂一緒に入るぞ」
「えっ、無理」
「せめて考えるふりしてから答えろよ」
「…ごめんなさい…無理です」

 彼は私の脇の下に手を入れ、私を階段の一段目に立たせると

「綸、好きだから抱きたい。好きだから抱く。今までは…誉められたもんじゃないが、もう綸しかいらない」

 そう言い私の髪を一撫ですると髪に口づけ、続けた。

「上で入って来い、俺は下の風呂使う。あまり待たせないでくれよ」
 
 頷くと同時に階段を足早に上がる。

 決して急いで抱いて欲しいなんてことではなく、恥ずかしいやり取りをこれ以上続けられると身が持たない。

 私は部屋で着替えを適当に掴むと、広いバスルームへ飛び込んだ。

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