さまよう綸◆◆若頭からの求愛…迷惑だわ◆◆ 【完結】

まぁ

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まだまだspecial thanks

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「タオルはここにあるぞ。巻いてやろうか?」
「まく。いとといっしょ」
「ん」

 綸の座っていたところに吉宗の着替えとタオルが数枚ある。その中から薄いガーゼのタオルを見つけてそれを吉宗の頭に巻いてやる。

「できたぞ」

 吉宗はそっと頭に手をやり満足そうに笑った。

「よし、それで吉宗も手伝いだ。あっちからビール取ってきてくれ」

 火と反対側にあるクーラーボックスを指さすと

「ん」

 俺と同じように返事する吉宗に言う。

「返事は短く‘はい’じゃないのか?くくっ…」

 吉宗が両手で缶ビールを持ちこちらへ向っていると

「おう、吉宗。配達か?それくれ」

 と組員から声が掛かる。吉宗が生まれた時、組員たちは吉宗を丁重に扱い‘吉宗さん’‘吉宗くん’と呼ぼうとしていたのだが俺と綸は皆に

「腫れ物を触るように接するな。子どもは子どもだ。呼び捨てで、もちろん叱りつけも歓迎する」

 そう伝えた。組を継ぐかどうかもわからないんだ。継ぐにしても子どもは子ども。他の組では生まれた時から大事に若様扱いのところが多いようだ。しかし高須では、親父の年代の組員はいまだに俺のことも呼び捨てる。もちろん外部の人間のまえでは‘若’と呼ぶがな。ここで出来る普通には限りがあるが、出来るだけ普通でいいという俺たちの願い通り、皆、自分の子どもや孫のように遠慮なく吉宗を呼び叱る。

 一瞬迷ったあと組員にビールを手渡した吉宗は、もう一度ビールを取りに戻りこちらへ向かうが、またしても組員にビールを渡してしまう。数回繰り返しクーラーボックスの前で少し考える様子の吉宗に伊東が近づき目線を合わせると何やら言っている。吉宗が頭のタオルを取り伊東に渡すところまでは見えたがあとは伊東の体の陰になりよくわからない。

 そのまま綸に視線をやっていると隣に親父が座った。
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