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完璧美少女とラッキースケベがしたい!

デートの朝って早く起きるか遅く起きるかが最初の分岐点なのかな?

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今日は待ち待った日曜日。窓のカーテンの隙間から射す心地よい太陽光で朝8時頃に目が覚めた。いつもならエロゲやラノベで幸せな1日を過ごすことになる俺だが、今日は別の意味で幸せになる予感。

 そう、今日こそ神崎と自宅デート(仮)をする日なのだ。昨日神崎本人からお誘いを受けて以来、俺の心は全てこのビックイベントで満たされていた。

 そんなわけで、必要な服とかリュック、お土産は全て昨日の夜までに準備が完了している状態。当日に焦ったりしなくていいってこった。ただ、朝食や着替えとかを済ませると、約束の時間までやることがなくなってしまい手持ち無沙汰になってしまう。

 神崎とのデートシミュレーションは既に30回以上はやったし、どうしよう?とか思ってると、目に留まる新作エロゲ。

 これこの前買ったきりプレイできてないやつだ。そう思い手に取ったが最後、怒涛の展開で時間を忘れてプレイ。

 気づいた時には、神崎との待ち合わせ時間をオーバーすること30分。青ざめる俺。連絡を取ろうとするも、神崎の連絡先がないマイスマホ。

 やべぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!

脱兎の如く俺は家を飛び出した。頼むまだいてくれ。



 待ち合わせ場所の井の頭公園駅についたのは、更に15分後。ざわざわしている改札口周辺を見渡すも、女神の姿は見当たらない。俺はその場に崩れ落ちる。なんだよ!一世一代のチャンスがこんな形で終わるなんてあんまりじゃないか。昨日の感謝を返せよ、マイゴッド!

 そこで、俺の脇腹をつついてくる存在に気づく。目を向けてみるとセミロングの眠たげな目をした美少女が俺の傍にしゃがみこんでいた。

「・・・・遅い・・・・待ちくたびれた」

なんとなく責められている気がしたが、どうやら俺に関係ない話のようだ。神崎と待ち合わせこそしているが、この少女(確か奈々だっけ?)とはそんな約束していない。

 俺は再び視線を地面に落とす。そんな俺の腹部に先ほどより若干強めの刺激が生まれる。地味に痛い。ほっといてくれよ、そんな抗議のため投げやりな表情で奈々を見返す。

「・・・・早く・・起きて・・・・藍様が・・待ってる」

藍様?それって神崎のことか?聞き間違いじゃないのか?奈々の両肩に手をのせ問いかける。

「神崎の代わりに君が俺を待っていてくれたってことか?」

こくりと頷く少女。よっしゃあぁぁぁ。首の皮が繋がったわ。

「ありがとうございます!それに悪いな、随分待たせちゃって」

「・・・・・大丈夫・・・・私も・・・藍様の連絡先・・・・・渡すの・・忘れてた」

「いいやつだな。恩に着るよ」

俺は感動の涙を流しながらも、立ち上がる。続けて少女もそれに従う。

「そういや、何で神崎さんの代わりに、えーと・・なんとか奈々さん?・・がいるんだ?」

この少女の苗字何だっけ?とか思いつつも、疑問をぶつける。

「私は・・・・西原・・・奈々。・・・・藍様が・・・・・男の人と一緒にいるのを・・・・他の人にみられると・・・まずいから」

なるほど。神崎レベルにもなると、プライベートでもそういうの気にしないといけないのか。もう人気アイドルとか女優の領域だな。そんな人にこれから会えるなんて、俺は幸せ者だなぁ。

 幸せな気分に満ちていると、服をクイクイ引っ張られる。おっと話の途中だった。いっけね。

「そっか。それで、昨日も神崎との仲介役に入ってくれてたんだな。ほんとありがとな。恋のキューピッド様」

西原は俺の発言にそっぽを向き、動くように促す。恥ずかしがり屋さんのようだな。かわいいやつめ。

 動き出そうとすると、前の方から黒のスーツに身を固めた筋肉質の男が3人、俺たちの方向に近づいてくる。なんでこっち来んだ?めっちゃ嫌な気がする。そんな予感は案の上的中。男たちが俺の目の前に来て喋りかけてきた。

「山田健太だな?」

低い重みのある声で問いかけてくる男A。こえぇぇぇ。何で俺の名前知ってんだよ?

「え、えっと、、どちら、、さまで?」

勇気を振り絞って尋ねてみるも、男たちはスルー。話も通じないし、ヤバい人たちに絡まれちまったぁぁ。俺の不安をよそに、男Bが西原の目の前に立ちはだかる。その時、西原が俺の服をより一層強く掴んでいることに気付いてしまった。

 そしたら、俺のハートに火が付いちまったよ。めらめらと燃え上がる炎が。か弱い女の子が怯えているのなら、男が安心させてやらないとな。



「す、すいません。俺たち、、、、用事が、、ある、ありまふので」



・・・・今チキン野郎とか思ったやつ。一回表出なさい。だって怖いじゃん。あんなムキムキな男の人相手に俺が敵うわけないじゃん。

 俺は西原の手を掴んで、その場を脱出しようとする。だが、西原は動けないようだった。引っ張ろうとするも、動かない。怖くて足がすくんでしまったのかもしれない。このまま西原を置いて俺だけ逃げることは可能だが、そこまで俺もへなちょこではない。

 ふー。呼吸を整える。そして覚悟を決めると、3人組に向き直る。やっぱりガツンと言わないといけないみたいだな。俺の雄姿を見ておけ。

 そんな覚悟をよそに、怯えていた様子の西原が眠そうな声で一言。

「・・・・確保・・・」

西原の言葉を合図に俺は為す術もなく、男たちに取り押さえられた。

どうなっちゃうの俺?

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