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17 第一回ハーレムキャンセルされた人のその後と、キャンセルした人たちの道行き
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ドーリスは、とある男爵家の娘である。
治療魔法が使えたため、妙なところへ嫁入りするよりは稼ぎもいいだろうと貴族向けの治療院で働いていた。
可愛らしくて治療もできるドーリスは、ケガをしやすい騎士たちにも人気の治療師だった。
そこそこモテるので、もう少し働いたら有望そうな騎士をひっかけて結婚するつもりだったのだ。
そんなある日、父がドーリスに言った。
「勇者が現れた。寄り親の伯爵家から命が下ったから、ドーリスは勇者とパーティを組んで旅をしながら篭絡して、結婚の約束を取り付けるか、いっそ子どもを孕んできてくれ」
むちゃくちゃである。
しかし、それも一つの道ではあるなとドーリスは考えた。
そこで父から情報を貰い、とある町へと向かって勇者と接触を図ったのである。
面と向かった勇者は、ぶっちゃけ好みのタイプだった。
涼し気な目元に甘いマスク、金髪も短くて爽やかで、剣を振るうとわかる筋肉。
騎士にもよくいるタイプだが、彼らよりも実践に特化した感じが特によかった。
だからアピールしようと話しかけたら、パーティメンバーだという黒髪の女の子に邪魔をされた。
魔法を使えるドーリスにはわかった。
彼女は王都の魔法使いのトップと並ぶほど、もしかするとそれ以上の魔法使いだ。
それなのに、大剣も使えるなんてとんだハイブリッドである。
くじけそうになってもなんとか食い下がったものの、勇者に足手まといはいらない、と一刀両断に断られてしまった。
そりゃそうだよな、とドーリスの心は簡単に折れた。
ドーリスは打たれ弱いのである。
しかし、このまま実家に帰るわけにもいかない。
切り替えたドーリスは、ここからは少し離れた、男爵家と関係のない場所へ行って実家と縁を切り、好みの冒険者を引っかけて暮らそうと決めた。
なお、実際にそれなりに理想通りの冒険者を引っかけてパーティを組み、うまく結婚にこぎつけたのは半年後のことだったらしい。
◆◇◆◇◆◇
女性魔法使いに道を邪魔されたあとから挙動不審だったピヒラはしばらくすると復活して、物品の確認もスムーズに済んだ。
それからピヒラは終始上機嫌で、シュネルのブラシをかけているときにも鼻歌を歌っていた。
「よくわからない魔法使いを撃退できたからか」
『合ってるけど合ってないわよ!もおぉ!これだから天然タラシ系は』
「何の話だ。俺は髪が短いし、なにも垂らしてないぞ」
『違うの!でもアタシが言うのも違うの!なんかややこしくなりそうだから、もうトールヴァルドはそのまんまでいいわよ!!』
謎に憤った魔法剣(待機)に、結論として何もしなくていいと言われた。
だったらいちいち言わないでもいいと思う。
次の日は近くの魔物退治にあて、二日後にはその町を発った。
ピヒラを前に乗せてシュネルの手綱を持つと、ピヒラが話しかけてきた。
「ねぇ、トールヴァルドって、勇者だったのね」
「あぁ、そうだ。ピヒラには説明していなくて悪かったな」
『うっかり忘れて、言ったつもりになってたのよねぇ』
ピヒラと話すと魔法や剣のことで夢中になり、お互いの話はそれ以外あまりしていない。
「ううん。全然気にしてないから!ただちょっと、びっくりしちゃった。もしかして、その剣が『勇者の剣』なの?」
ピヒラが、トールヴァルドを軽く振り返って言った。
多分、長剣のことを言っているのだろう。
「いや、こっちはただの十年以上使っている長剣だ。『勇者の剣』はこっちだな。魔法剣(待機)なんだ」
「えっ?そっちの銀の……いえ、銀じゃなさそうね。それって、ものすごく精巧に作りこまれた特殊な魔法の杖じゃなかったの?魔法剣って、刀身がなくても切れるのね。あれ?なら、もしかして『勇者の剣』って本当は『勇者の魔法剣』だったってこと?全然知らなかったわ」
『待ってピヒラちゃん!合ってるから!魔法の杖で合ってるから!丸め込まれないで!あきらめないでぇぇええ!』
馬上で叫ぶ魔法剣(待機)の言葉は、トールヴァルドにスルーされたため誰にも届かなかった。
「そうだな、魔法剣(待機)だ。こいつを使うと魔法の威力が底上げされてしまってな。思い通りにできないからしばらくは使わずに練習しているところなんだ」
「そうだったの?だから使っているところを見てなかったのね。でも、今後『勇者の魔法剣』を使っていくなら、威力増加にも慣れた方がいいんじゃないの?」
ピヒラは純粋に疑問に思ったらしい。
『そうよね?!ピヒラちゃんナイス!普通に考えるなら慣れた方がいいと思うわよね。やっぱりトールヴァルドが変なのよ!』
しかし、トールヴァルドは首を横に振った。
「それが、小さな火球のつもりで使ったら魔物が一瞬で全焼したんだ。底上げというよりは倍増なんだと思う。まだ魔法の制御も甘いから、周囲に甚大な被害が出そうだと思って」
『それを言われると厳しいんだけどぉ』
「あ、そっか。トールヴァルドはまだ魔法を始めて一カ月も経ってないのよね。それなら、慣れるまでは増幅とかの効果はない方がいいかも。うちの村でも、魔力容量が多くて制御が難しい子がいたら、まずは魔法の杖とかそういう補助具を使わずに制御できるように練習するもの」
「これでも魔法初心者だからな」
『んもぉお!それなら、慣れたらちゃんと使ってよね!!』
「あたしも、最初はこの大剣じゃなくて普通の大剣を使ってたわ。慣れてからでないと、剣に振り回されて腕とか足とか切り飛ばす可能性があるからって」
「似たようなものだろうな。俺も、暴走させたら自分までケガをしかねない」
「何でも使いようよね。あ、あっちに魔物がいるわ。集団ね」
ピヒラが、街道から逸れたところになる森の方を見ながら言った。
「ん?あっちか。それじゃあ、資金稼ぎといくか」
「わかったわ」
「シュネル、こっちで待っていてくれ」
『すぐ戻るから、いい子で待っててねぇ』
ピヒラとトールヴァルドはシュネルから降り、木の下で待つように言った。
魔物除けの結界を起動させるだけで、綱はつながない。
もしも魔物に襲われたら逃げられないからだ。
綱をそのままにしていても、シュネルは賢いので勝手に遠くへ行くことはない。
いなくなるとしたら、魔物に襲われたときくらいだろう。
トールヴァルドとピヒラは、武器を準備して魔物の方へ徒歩で向かった。
匂いを感じ取る器官があるのかどうか、風上から近づくよりも風下からの方が気づかれにくい。
二人は少し回り込んだ。
初手はトールヴァルドが少し離れたところから魔法で、ピヒラが接近して大剣で。
三十体を超える魔物がいたものの、難なく討伐できた。
今回はお互いもう少し幅を持とうということで、ピヒラが少し魔法を使い、トールヴァルドも長剣を持って魔物にとどめを刺した。
トールヴァルドが近づけばピヒラが下がり、ピヒラが前に出ればトールヴァルドが下がる。
どちらの陣形でも、特に問題なく動いて魔物を討伐できた。
特に、長剣のトールヴァルドと魔法のピヒラという組み合わせは威力こそ落ちるものの、とても安定していた。
「やっぱりトールヴァルドの長年の修行の成果は裏切らないわね。すごい安心感があるわ」
「ピヒラの魔法はものすごく精密なんだな。俺は大量の魔力によるごり押しなところがあるから、参考になる」
『アンタたち、なんていうか、えぐいわ』
褒め合う二人に対して、魔法剣(待機)は若干引いていた。
失礼極まりない。
一通り討伐した後、二人は街道の方へ戻ってシュネルと合流した。
魔道具を回収してきちんと同じ場所で待っていたシュネルに乗り、次の村へ向かう。
少し北よりの方向に行けば、緩やかな登りになっていた。
治療魔法が使えたため、妙なところへ嫁入りするよりは稼ぎもいいだろうと貴族向けの治療院で働いていた。
可愛らしくて治療もできるドーリスは、ケガをしやすい騎士たちにも人気の治療師だった。
そこそこモテるので、もう少し働いたら有望そうな騎士をひっかけて結婚するつもりだったのだ。
そんなある日、父がドーリスに言った。
「勇者が現れた。寄り親の伯爵家から命が下ったから、ドーリスは勇者とパーティを組んで旅をしながら篭絡して、結婚の約束を取り付けるか、いっそ子どもを孕んできてくれ」
むちゃくちゃである。
しかし、それも一つの道ではあるなとドーリスは考えた。
そこで父から情報を貰い、とある町へと向かって勇者と接触を図ったのである。
面と向かった勇者は、ぶっちゃけ好みのタイプだった。
涼し気な目元に甘いマスク、金髪も短くて爽やかで、剣を振るうとわかる筋肉。
騎士にもよくいるタイプだが、彼らよりも実践に特化した感じが特によかった。
だからアピールしようと話しかけたら、パーティメンバーだという黒髪の女の子に邪魔をされた。
魔法を使えるドーリスにはわかった。
彼女は王都の魔法使いのトップと並ぶほど、もしかするとそれ以上の魔法使いだ。
それなのに、大剣も使えるなんてとんだハイブリッドである。
くじけそうになってもなんとか食い下がったものの、勇者に足手まといはいらない、と一刀両断に断られてしまった。
そりゃそうだよな、とドーリスの心は簡単に折れた。
ドーリスは打たれ弱いのである。
しかし、このまま実家に帰るわけにもいかない。
切り替えたドーリスは、ここからは少し離れた、男爵家と関係のない場所へ行って実家と縁を切り、好みの冒険者を引っかけて暮らそうと決めた。
なお、実際にそれなりに理想通りの冒険者を引っかけてパーティを組み、うまく結婚にこぎつけたのは半年後のことだったらしい。
◆◇◆◇◆◇
女性魔法使いに道を邪魔されたあとから挙動不審だったピヒラはしばらくすると復活して、物品の確認もスムーズに済んだ。
それからピヒラは終始上機嫌で、シュネルのブラシをかけているときにも鼻歌を歌っていた。
「よくわからない魔法使いを撃退できたからか」
『合ってるけど合ってないわよ!もおぉ!これだから天然タラシ系は』
「何の話だ。俺は髪が短いし、なにも垂らしてないぞ」
『違うの!でもアタシが言うのも違うの!なんかややこしくなりそうだから、もうトールヴァルドはそのまんまでいいわよ!!』
謎に憤った魔法剣(待機)に、結論として何もしなくていいと言われた。
だったらいちいち言わないでもいいと思う。
次の日は近くの魔物退治にあて、二日後にはその町を発った。
ピヒラを前に乗せてシュネルの手綱を持つと、ピヒラが話しかけてきた。
「ねぇ、トールヴァルドって、勇者だったのね」
「あぁ、そうだ。ピヒラには説明していなくて悪かったな」
『うっかり忘れて、言ったつもりになってたのよねぇ』
ピヒラと話すと魔法や剣のことで夢中になり、お互いの話はそれ以外あまりしていない。
「ううん。全然気にしてないから!ただちょっと、びっくりしちゃった。もしかして、その剣が『勇者の剣』なの?」
ピヒラが、トールヴァルドを軽く振り返って言った。
多分、長剣のことを言っているのだろう。
「いや、こっちはただの十年以上使っている長剣だ。『勇者の剣』はこっちだな。魔法剣(待機)なんだ」
「えっ?そっちの銀の……いえ、銀じゃなさそうね。それって、ものすごく精巧に作りこまれた特殊な魔法の杖じゃなかったの?魔法剣って、刀身がなくても切れるのね。あれ?なら、もしかして『勇者の剣』って本当は『勇者の魔法剣』だったってこと?全然知らなかったわ」
『待ってピヒラちゃん!合ってるから!魔法の杖で合ってるから!丸め込まれないで!あきらめないでぇぇええ!』
馬上で叫ぶ魔法剣(待機)の言葉は、トールヴァルドにスルーされたため誰にも届かなかった。
「そうだな、魔法剣(待機)だ。こいつを使うと魔法の威力が底上げされてしまってな。思い通りにできないからしばらくは使わずに練習しているところなんだ」
「そうだったの?だから使っているところを見てなかったのね。でも、今後『勇者の魔法剣』を使っていくなら、威力増加にも慣れた方がいいんじゃないの?」
ピヒラは純粋に疑問に思ったらしい。
『そうよね?!ピヒラちゃんナイス!普通に考えるなら慣れた方がいいと思うわよね。やっぱりトールヴァルドが変なのよ!』
しかし、トールヴァルドは首を横に振った。
「それが、小さな火球のつもりで使ったら魔物が一瞬で全焼したんだ。底上げというよりは倍増なんだと思う。まだ魔法の制御も甘いから、周囲に甚大な被害が出そうだと思って」
『それを言われると厳しいんだけどぉ』
「あ、そっか。トールヴァルドはまだ魔法を始めて一カ月も経ってないのよね。それなら、慣れるまでは増幅とかの効果はない方がいいかも。うちの村でも、魔力容量が多くて制御が難しい子がいたら、まずは魔法の杖とかそういう補助具を使わずに制御できるように練習するもの」
「これでも魔法初心者だからな」
『んもぉお!それなら、慣れたらちゃんと使ってよね!!』
「あたしも、最初はこの大剣じゃなくて普通の大剣を使ってたわ。慣れてからでないと、剣に振り回されて腕とか足とか切り飛ばす可能性があるからって」
「似たようなものだろうな。俺も、暴走させたら自分までケガをしかねない」
「何でも使いようよね。あ、あっちに魔物がいるわ。集団ね」
ピヒラが、街道から逸れたところになる森の方を見ながら言った。
「ん?あっちか。それじゃあ、資金稼ぎといくか」
「わかったわ」
「シュネル、こっちで待っていてくれ」
『すぐ戻るから、いい子で待っててねぇ』
ピヒラとトールヴァルドはシュネルから降り、木の下で待つように言った。
魔物除けの結界を起動させるだけで、綱はつながない。
もしも魔物に襲われたら逃げられないからだ。
綱をそのままにしていても、シュネルは賢いので勝手に遠くへ行くことはない。
いなくなるとしたら、魔物に襲われたときくらいだろう。
トールヴァルドとピヒラは、武器を準備して魔物の方へ徒歩で向かった。
匂いを感じ取る器官があるのかどうか、風上から近づくよりも風下からの方が気づかれにくい。
二人は少し回り込んだ。
初手はトールヴァルドが少し離れたところから魔法で、ピヒラが接近して大剣で。
三十体を超える魔物がいたものの、難なく討伐できた。
今回はお互いもう少し幅を持とうということで、ピヒラが少し魔法を使い、トールヴァルドも長剣を持って魔物にとどめを刺した。
トールヴァルドが近づけばピヒラが下がり、ピヒラが前に出ればトールヴァルドが下がる。
どちらの陣形でも、特に問題なく動いて魔物を討伐できた。
特に、長剣のトールヴァルドと魔法のピヒラという組み合わせは威力こそ落ちるものの、とても安定していた。
「やっぱりトールヴァルドの長年の修行の成果は裏切らないわね。すごい安心感があるわ」
「ピヒラの魔法はものすごく精密なんだな。俺は大量の魔力によるごり押しなところがあるから、参考になる」
『アンタたち、なんていうか、えぐいわ』
褒め合う二人に対して、魔法剣(待機)は若干引いていた。
失礼極まりない。
一通り討伐した後、二人は街道の方へ戻ってシュネルと合流した。
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