30 / 42
花村という生徒。
しおりを挟む
花村というヤツについて。
彼は東北地方の出身らしい。
彼の祖父は「マタギ」だったそうで、孫の誕生日に「空気銃」をプレゼントして、嫁にこってり叱られた事があるとか?
らしいと言えばとてもらしいのだが?
有る時、大きな地震が有り土砂崩れで家を無くして、母親の実家が有る「東京」に家族全員で移り住んだそうだ。
もちろん、祖父が町中で猟銃を撃つ様な事は無い。
程なく、新たな生き甲斐を見つけた祖父、側で応援する孫。
そんな祖父が不慮の事故で亡くなった。
祖父の死後はプレゼントされた空気銃でカラスを撃っていたらしい?
山代の高等部に入学して、舞華に告白したのは「川原田」の直ぐ後らしい?
『…って、トコロまでは割と簡単に調べられたぜ、
でな、ヤツの祖父さんがどうも「何か」に凝り出した様でさ…ん、どした?』
『なぁ、池の字よ?』
『何だよ、舞斗?』
『そう言うの、何処で調べてくるのさ?』
『コツがあんのよ、でな、別に花村は特別ヤバい奴って訳でも無いぞ?
ただ、クセが強いって感じかな、都会の風に馴染めない「田舎っぺ大しょう」みたいな?』
ココは池本くんち、以前は時々ここに来て「ワクワク!アニマル天国‼︎」なる野生動物の観察DVDを鑑賞していた。
内容は楽しげなタイトルからは想像し難い「お食事シーン」マシマシで、池本くんが家族とこのマンションで同居を始めてからは一度も見ていない。
いや、見せられない!
『まーくん、遊ぼ!』
『まーくんちのニャンコさんはロボットなんでしょ⁈
見たい抱きたいお話ししたいの!』
この愛らしい池本くんの異母兄妹に見せるにはあの衝撃映像は何とも難ありなのだ⁈
せめてライオンさんがホイップクリームたっぷりかけたパンケーキでも食べているとか、ハイエナさんが皆んなでタコパしてる映像なら良かったのだが?
『でよ、池の字?』
『ん、まだ質問か?』
『お前にあんな大きな妹サンが居るとは知らなかったさ?』
『おっきな妹?』
『ちがうよ、まーくん!
しいなちゃんはお兄ちゃんのお嫁さんだお!』
『さいですか。』
なるほど、おっきなお胸の妹さんの正体、
後輩の椎名くんが台所で池本くんのママさんと楽しく夕食の支度をしている。
『まじ?』
色々コメントに困る舞斗、悪友に聞き返すと、
『お前、何で山王院と付き合ってるんだって聞かれたら、なんて答える?』
『成る程、そう言う事か。』
好きに理由は無い。
『そんなとこだ。』
いや、池本くんはお胸のおっきな子が好きって、初期設定があるのよ。
『なになに、なんのお話し?』
チビっ子達がお兄ちゃん二人の周りでキャッキャッとはしゃいでいる。
『今日の晩ご飯はカレーかなぁって話しだお。』
舞斗がチビちゃんたちの口調を真似して答えると、
『きいてきてあげるね!』
利発で元気な四歳の妹ちゃんが台所にかけて行った。
『彼女、良く来るのか?』
『ん、チビたちがすっかり懐くは、あの人も気に入って毎回晩飯に誘うは、あと親父が怪しい?』
『怪し?』
『今、クソ親父な、北海道にいるらしい、
彼女、北海道から山代に通学する為に安アパートで一人暮しをしているんだが…』
あ、なんかもうわかったかも?
『それ、もしかして「お嬢さんをウチの息子の嫁にくれないか!」的な事なんじゃないか?』
『かな?いやしかし?』
『お前のオヤジさんはウチのオヤジとある意味、同類だ、無くは無いぞ?』
すると、
『まーくん、あのね!今日ね!ハヤシライスだって‼︎』
『おーい、舞斗くんも食べていってね~!』
『は~い。』
子供の頃からの顔見知りでもある池の字のママさん。
ウチの両親とも古くからの知り合いだから、親戚のお姉さんみたいな感じだ。
『話しは戻るが、花村って別段ふざけたヤローでは無いな?
猫を撃とうしたってのは事実なのか?』
『ソレは本当だ…と思う?
モデルガンを二葉に向けていたのを見て、ワンパンかましたのは覚えている。』
『猫を撃っていたトコロは見てないのか?』
『俺はな。
二葉が見ているだろ、リリや他の娘も一緒にいたハズだから。』
『…なぁ、花村のヤツ、誰かに利用されてないか?』
『何でさ?』
『花村の祖父さんが生き甲斐を見つけたのって「保護猫活動」だぜ。』
『ん?
なぁ、花村は「ロボット」に何か思い入れが有るのか?
例えば、亡くなったおじいちゃんとの思い出とか?』
『ソレな。
そっちサイドから調べ直すわ?』
『おう。
…で、椎名くんにはもう手を出したんだな?』
『何でだよ!』
『お前のオヤジさん、自分の若い頃に置き換えて対処してるとか?
「娘さんを息子がチョメチョメしてしまい、責任取ります」的な?』
ぱり~ん!
『あっ!すいません!』
『いいのよ、そのくらい!
それこそ椎名ちゃん、大丈夫?指とか切ってない?
嫁入り前のお嬢さんを傷モノしたら大変だものネ!』
台所から何やら聞こえてきた?
皿でも割ったか?
(今の話し、聞こえたのかな?)
学園祭で猫の譲渡会をする事はほぼ決まった。
「森猫」が懇意にしている保護猫活動のボランティアさんに快諾いただけたのだ。
他にも学園祭の企画が徐々に決まってきた。
外部のご協力枠で、駅前商店街からも何か模擬店参加したいと申し出があった。
商店街店主には卒業生もいるので、ギリOKかな?
『さて、錦織さんから何やら「レポート」が提出されたけど、界君の差し金?』
『いえ、彼女のやる気の現れでは?』
レポートのタイトルは、
「学園祭参加希望団体の許容出来ないデメリットについて」
『…目を通すの、躊躇っちゃうんだけど?』
『コチラに要点を簡潔にまとめたモノを作成しました。
ご覧になりますか?』
『…錦織さんのやる気を見てから、ソチラも目を通すわ。』
私が起業したら、界君も絶対スカウトしないと!
そう誓う華、将来どんな会社を作るやら?
無駄になが…ゴホッゴホッ、では無くて、とても山盛りなやる気のレポートに目を通した後、一度休憩を挟んでから界が要約した「解読書」を見る。
アレ、お父さんが好きなアニメでこんな感じなやり取り有った様な?
まあいいけど、さてっと?
『こう言うのって「トトカルチョ」って言わない?
食券と言えど、金銭的なモノが絡んでくると「賭博」行為よ。
コレって実行委員会に提出された参加申し込み書には記入されてない事よね?』
他にも幾つか提出された参加申し込み書に記入せれてない「デメリット」が取り上げている。
そのどれもが「賭博的」な要素が大きい、バレれば捕まるよマジでみたいな話しだ。
おそらくだか、実際には「食券」では無く、金銭での支払いになるのだろう。
「一口缶コーヒー1本」とか、直接表現しないだけで、大体の金額が換算できる様にしている辺り、グレーゾーンが黒寄りだ。
当人たちも当然分かっている様だ。
『界君、風紀委員を連れて、この方々を取り締まってもらえるかしら?』
『はい、早速。』
こんな警察ゴッコでどうにかなるなら、コレも学園祭の恒例行事なのかも?
まさか、他にも「賭け試合」的な事を行おうとしている人達がいるとは⁈
ただ、今回はあからさまに他者を陥れて、目的を遂げようとしている輩がいる。
『この犯行、舞華の性癖を知ってての事なのかしら?』
女子幼児用パンツを手に、ウットリップしてる親友の写真入り中傷ビラを眺めている生徒会長の華。
『あの子、中身にしか興味ないからなぁ、リリちゃん達の下着だって舞華より私が洗濯する事の方が多いのよ。』
ソレを言われて、
『会長、僕にどんな答えを期待してます?
例えば「家庭的なんですね、良いお嫁さんになれますよ。」ですか?』
なんて答えると、大抵ドギマギするハズなんだが?
『家のお洗濯くらいで良いお嫁さんとか、世の中の「良いお嫁さん」と「洗濯屋さん」に申し訳ないわ。』
と、更に応答に困る?
普段、やり過ぎて免疫が出来たかな?
『ねぇ界君、「ロボ研」なんていつからあるの?
「工学部」や「科学部」では無いのよね?
もしかして、「部」じゃなくて「同好会」じゃなくて?』
確かに「ロボット研究部」と言う名称の部活動は存在していない様だ?
同好会の登録もない。
『活動場所は第二工作室になっていますが、ココは工学部の活動場所ですね、
「ダミー」かも?』
『だとしたら、かなり怪しいわよ?』
急にウチらしく無い、悪質な雰囲気がしてきた?
『悪ノリが過ぎると言う感じでは無くなりましたね、直接風紀委員会長と話しをしませんか?』
『そうしましょう、剣崎さんをコチラにお呼びして!』
本来なら、全部の参加希望を許可してあげたいのだけど、みんな平等に篩にかけて決めている訳なのに、コ○ケのダミーサークルの様な参加の仕方は認めるわけには行かない。
ピ~ン ポ~ン パ~ン ポ~~ン
「生徒会および学園祭実行委員からお知らせです。
本日、放課後、学園祭参加予定団体への事前説明会を行います。
現在、学園祭への参加申請を行っている団体の代表者は~ 」
なんて校内放送が流れた。
まだ、参加受付は締め切っていないが、毎年参加している運動部や文化部は場所取りが少しでも有利にする為に早々に申し込んでいる。
クラス参加は同教室、部活動なら普段の活動場所や部室として使っている場所を学園祭で利用出来る。
学園祭に参加しないクラスの教室はそう言った場所を持たない参加予定団体には優良物件なので早いモノ勝ちになってしまう。
今回の事前説明会はその辺りの話し合いだろう、そう思って校内放送を聴いている全校生徒たち。
指定されて集まった会議室には、福祉部の美波や読書部、新体操部などの代表者らが集まっていた。
申請をした団体の大体は来ている様だが、
『サバゲー部(同好会)とジャグリング部、そして紙芝居同好会がまだ来て居ませんが、まぁあの連中は場所を必要としていませんから。』
と、涼しい顔の界君。
『サバゲーは何をするつもりなの!』
と、疑問符の舞華さん。
『緑化運動とかで、花の種入りの自作の粘土製BB弾を訪問販売で手売りするそうです。
ちなみに園芸部と華道部が応援しているらしいです。
部員同士仲が良いらしいですよ。』
と、パトリシアさん。
『紙芝居同好会は自転車が停められて、人の動線を遮らない場所なら突発的に始めるっスよ。飴を買わなくても見ていいっス。』
と、紙芝居の制作に協力しているマミちゃん。
でもそこに「ロボット研」の代表者は現れなかった。
彼は東北地方の出身らしい。
彼の祖父は「マタギ」だったそうで、孫の誕生日に「空気銃」をプレゼントして、嫁にこってり叱られた事があるとか?
らしいと言えばとてもらしいのだが?
有る時、大きな地震が有り土砂崩れで家を無くして、母親の実家が有る「東京」に家族全員で移り住んだそうだ。
もちろん、祖父が町中で猟銃を撃つ様な事は無い。
程なく、新たな生き甲斐を見つけた祖父、側で応援する孫。
そんな祖父が不慮の事故で亡くなった。
祖父の死後はプレゼントされた空気銃でカラスを撃っていたらしい?
山代の高等部に入学して、舞華に告白したのは「川原田」の直ぐ後らしい?
『…って、トコロまでは割と簡単に調べられたぜ、
でな、ヤツの祖父さんがどうも「何か」に凝り出した様でさ…ん、どした?』
『なぁ、池の字よ?』
『何だよ、舞斗?』
『そう言うの、何処で調べてくるのさ?』
『コツがあんのよ、でな、別に花村は特別ヤバい奴って訳でも無いぞ?
ただ、クセが強いって感じかな、都会の風に馴染めない「田舎っぺ大しょう」みたいな?』
ココは池本くんち、以前は時々ここに来て「ワクワク!アニマル天国‼︎」なる野生動物の観察DVDを鑑賞していた。
内容は楽しげなタイトルからは想像し難い「お食事シーン」マシマシで、池本くんが家族とこのマンションで同居を始めてからは一度も見ていない。
いや、見せられない!
『まーくん、遊ぼ!』
『まーくんちのニャンコさんはロボットなんでしょ⁈
見たい抱きたいお話ししたいの!』
この愛らしい池本くんの異母兄妹に見せるにはあの衝撃映像は何とも難ありなのだ⁈
せめてライオンさんがホイップクリームたっぷりかけたパンケーキでも食べているとか、ハイエナさんが皆んなでタコパしてる映像なら良かったのだが?
『でよ、池の字?』
『ん、まだ質問か?』
『お前にあんな大きな妹サンが居るとは知らなかったさ?』
『おっきな妹?』
『ちがうよ、まーくん!
しいなちゃんはお兄ちゃんのお嫁さんだお!』
『さいですか。』
なるほど、おっきなお胸の妹さんの正体、
後輩の椎名くんが台所で池本くんのママさんと楽しく夕食の支度をしている。
『まじ?』
色々コメントに困る舞斗、悪友に聞き返すと、
『お前、何で山王院と付き合ってるんだって聞かれたら、なんて答える?』
『成る程、そう言う事か。』
好きに理由は無い。
『そんなとこだ。』
いや、池本くんはお胸のおっきな子が好きって、初期設定があるのよ。
『なになに、なんのお話し?』
チビっ子達がお兄ちゃん二人の周りでキャッキャッとはしゃいでいる。
『今日の晩ご飯はカレーかなぁって話しだお。』
舞斗がチビちゃんたちの口調を真似して答えると、
『きいてきてあげるね!』
利発で元気な四歳の妹ちゃんが台所にかけて行った。
『彼女、良く来るのか?』
『ん、チビたちがすっかり懐くは、あの人も気に入って毎回晩飯に誘うは、あと親父が怪しい?』
『怪し?』
『今、クソ親父な、北海道にいるらしい、
彼女、北海道から山代に通学する為に安アパートで一人暮しをしているんだが…』
あ、なんかもうわかったかも?
『それ、もしかして「お嬢さんをウチの息子の嫁にくれないか!」的な事なんじゃないか?』
『かな?いやしかし?』
『お前のオヤジさんはウチのオヤジとある意味、同類だ、無くは無いぞ?』
すると、
『まーくん、あのね!今日ね!ハヤシライスだって‼︎』
『おーい、舞斗くんも食べていってね~!』
『は~い。』
子供の頃からの顔見知りでもある池の字のママさん。
ウチの両親とも古くからの知り合いだから、親戚のお姉さんみたいな感じだ。
『話しは戻るが、花村って別段ふざけたヤローでは無いな?
猫を撃とうしたってのは事実なのか?』
『ソレは本当だ…と思う?
モデルガンを二葉に向けていたのを見て、ワンパンかましたのは覚えている。』
『猫を撃っていたトコロは見てないのか?』
『俺はな。
二葉が見ているだろ、リリや他の娘も一緒にいたハズだから。』
『…なぁ、花村のヤツ、誰かに利用されてないか?』
『何でさ?』
『花村の祖父さんが生き甲斐を見つけたのって「保護猫活動」だぜ。』
『ん?
なぁ、花村は「ロボット」に何か思い入れが有るのか?
例えば、亡くなったおじいちゃんとの思い出とか?』
『ソレな。
そっちサイドから調べ直すわ?』
『おう。
…で、椎名くんにはもう手を出したんだな?』
『何でだよ!』
『お前のオヤジさん、自分の若い頃に置き換えて対処してるとか?
「娘さんを息子がチョメチョメしてしまい、責任取ります」的な?』
ぱり~ん!
『あっ!すいません!』
『いいのよ、そのくらい!
それこそ椎名ちゃん、大丈夫?指とか切ってない?
嫁入り前のお嬢さんを傷モノしたら大変だものネ!』
台所から何やら聞こえてきた?
皿でも割ったか?
(今の話し、聞こえたのかな?)
学園祭で猫の譲渡会をする事はほぼ決まった。
「森猫」が懇意にしている保護猫活動のボランティアさんに快諾いただけたのだ。
他にも学園祭の企画が徐々に決まってきた。
外部のご協力枠で、駅前商店街からも何か模擬店参加したいと申し出があった。
商店街店主には卒業生もいるので、ギリOKかな?
『さて、錦織さんから何やら「レポート」が提出されたけど、界君の差し金?』
『いえ、彼女のやる気の現れでは?』
レポートのタイトルは、
「学園祭参加希望団体の許容出来ないデメリットについて」
『…目を通すの、躊躇っちゃうんだけど?』
『コチラに要点を簡潔にまとめたモノを作成しました。
ご覧になりますか?』
『…錦織さんのやる気を見てから、ソチラも目を通すわ。』
私が起業したら、界君も絶対スカウトしないと!
そう誓う華、将来どんな会社を作るやら?
無駄になが…ゴホッゴホッ、では無くて、とても山盛りなやる気のレポートに目を通した後、一度休憩を挟んでから界が要約した「解読書」を見る。
アレ、お父さんが好きなアニメでこんな感じなやり取り有った様な?
まあいいけど、さてっと?
『こう言うのって「トトカルチョ」って言わない?
食券と言えど、金銭的なモノが絡んでくると「賭博」行為よ。
コレって実行委員会に提出された参加申し込み書には記入されてない事よね?』
他にも幾つか提出された参加申し込み書に記入せれてない「デメリット」が取り上げている。
そのどれもが「賭博的」な要素が大きい、バレれば捕まるよマジでみたいな話しだ。
おそらくだか、実際には「食券」では無く、金銭での支払いになるのだろう。
「一口缶コーヒー1本」とか、直接表現しないだけで、大体の金額が換算できる様にしている辺り、グレーゾーンが黒寄りだ。
当人たちも当然分かっている様だ。
『界君、風紀委員を連れて、この方々を取り締まってもらえるかしら?』
『はい、早速。』
こんな警察ゴッコでどうにかなるなら、コレも学園祭の恒例行事なのかも?
まさか、他にも「賭け試合」的な事を行おうとしている人達がいるとは⁈
ただ、今回はあからさまに他者を陥れて、目的を遂げようとしている輩がいる。
『この犯行、舞華の性癖を知ってての事なのかしら?』
女子幼児用パンツを手に、ウットリップしてる親友の写真入り中傷ビラを眺めている生徒会長の華。
『あの子、中身にしか興味ないからなぁ、リリちゃん達の下着だって舞華より私が洗濯する事の方が多いのよ。』
ソレを言われて、
『会長、僕にどんな答えを期待してます?
例えば「家庭的なんですね、良いお嫁さんになれますよ。」ですか?』
なんて答えると、大抵ドギマギするハズなんだが?
『家のお洗濯くらいで良いお嫁さんとか、世の中の「良いお嫁さん」と「洗濯屋さん」に申し訳ないわ。』
と、更に応答に困る?
普段、やり過ぎて免疫が出来たかな?
『ねぇ界君、「ロボ研」なんていつからあるの?
「工学部」や「科学部」では無いのよね?
もしかして、「部」じゃなくて「同好会」じゃなくて?』
確かに「ロボット研究部」と言う名称の部活動は存在していない様だ?
同好会の登録もない。
『活動場所は第二工作室になっていますが、ココは工学部の活動場所ですね、
「ダミー」かも?』
『だとしたら、かなり怪しいわよ?』
急にウチらしく無い、悪質な雰囲気がしてきた?
『悪ノリが過ぎると言う感じでは無くなりましたね、直接風紀委員会長と話しをしませんか?』
『そうしましょう、剣崎さんをコチラにお呼びして!』
本来なら、全部の参加希望を許可してあげたいのだけど、みんな平等に篩にかけて決めている訳なのに、コ○ケのダミーサークルの様な参加の仕方は認めるわけには行かない。
ピ~ン ポ~ン パ~ン ポ~~ン
「生徒会および学園祭実行委員からお知らせです。
本日、放課後、学園祭参加予定団体への事前説明会を行います。
現在、学園祭への参加申請を行っている団体の代表者は~ 」
なんて校内放送が流れた。
まだ、参加受付は締め切っていないが、毎年参加している運動部や文化部は場所取りが少しでも有利にする為に早々に申し込んでいる。
クラス参加は同教室、部活動なら普段の活動場所や部室として使っている場所を学園祭で利用出来る。
学園祭に参加しないクラスの教室はそう言った場所を持たない参加予定団体には優良物件なので早いモノ勝ちになってしまう。
今回の事前説明会はその辺りの話し合いだろう、そう思って校内放送を聴いている全校生徒たち。
指定されて集まった会議室には、福祉部の美波や読書部、新体操部などの代表者らが集まっていた。
申請をした団体の大体は来ている様だが、
『サバゲー部(同好会)とジャグリング部、そして紙芝居同好会がまだ来て居ませんが、まぁあの連中は場所を必要としていませんから。』
と、涼しい顔の界君。
『サバゲーは何をするつもりなの!』
と、疑問符の舞華さん。
『緑化運動とかで、花の種入りの自作の粘土製BB弾を訪問販売で手売りするそうです。
ちなみに園芸部と華道部が応援しているらしいです。
部員同士仲が良いらしいですよ。』
と、パトリシアさん。
『紙芝居同好会は自転車が停められて、人の動線を遮らない場所なら突発的に始めるっスよ。飴を買わなくても見ていいっス。』
と、紙芝居の制作に協力しているマミちゃん。
でもそこに「ロボット研」の代表者は現れなかった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる