神様に加護2人分貰いました

琳太

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Web連載

255話 人化

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「ナビゲーター。パラメーター表記が消えてなくなってるんだけど」
「イエスマスター。では能力値についてご説明します』

 となんだか初歩の辺りから説明された。

『HPとMPは生命力とスキルに使用可能な体内の保有魔力を数値化したものです。HPは生命維持に使っている魔素量を数値化しているため、0イコール死ではなく、あくまでも目安でしかありません』

 HPが残っていても死ぬときは死ぬし、0でもまだ死んでないってことか。

『神人族は《自己再生》で多少の怪我は修復されるため、HPの数値化も無意味となります』

 HPが多少減ってもすぐ回復するから必要ないってこと? 

『HPとMPの魔素は別なので、生物は体内に蓄積したMP用の魔素を使用しスキルを発動しますが、神人族は環境魔素を集積し使用するため、体内魔素を使わないため数値化する必要が合いません。』

 それって、無尽蔵、無限ってこと?

『限度はあります。環境魔素がなくなれば使えるエネルギーがありませんから。ですが余程のことがない限り、環境魔素がなくなるということは自然では起こり得ません』

 ちょっとそのフラグっぽい台詞はヤメテ。何らかのスキルで妨害されたり、結界的なもので遮断されることはあり得るってこと?

『イエス、マスター』

 そう言われても目安になるものがなくなるのは……って、カンストしてインフレ起こしてたからそもそも数値を気にしたことなかったわ。
 じゃあパラメーターが消えてるのも?

 『イエス、マスター。パラメーターは体内保有魔素量によって上昇しますが、マスターの身体能力は【アビリティ】の《強化》で上げられます。体内魔素量は関係ありません』

 今まで単純にレベルが上がったら、パラメーターの数値が上がるって思ってた。その仕組みとか考えたことなかったけど、体内に蓄積できる魔素が増えたから身体能力が上昇してたってことか。
 種族レベルが上がれば魔素保有量が上がるから強くなるんだ。
 あれ? じゃあHPが減少したら身体能力も低下する……うんするな。ゲガしたりしてHP減ったら能力も落ちるわ。

『注意するべきはMPが不足しているのにスキルを無理に使おうとした場合、HP生命保持用魔素を使う場合があります』

 もしかして、俺が初めて《メディカルポッド》を使った時って……

『イエス、マスター。スキルとして使用できるMPが枯渇して、HP生命保持用魔素を使用しました。種族レベルに相応する体内魔素量が減少すると命に影響があるため、レベルダウンで対応しました』

 そっか。ん? じゃあ俺ってもうああいうことは起こらないってことか。
 スキルについてはアビリティ化した時に色々集約されたっぽい。
 身体能力全てが《強化》で上げられる。力とか速度だけじゃあなく暗視能力とかもだから《夜目》とかなくなったってことか。個別表示の必要がないってこと? それに強化するための魔素はいくらでも取り込めばいいから制限なしになるのか。

『《マップ》は《世界地図》へ、《サーチ》は《感知》へ、《回復術》と《治療術》は《治癒》のように統合集積されています。《鑑定》だけは《看破》と《分析》に分かれましたがその能力は比較にならないほど上がっています』
 スキルの項目はまるっとまとめられて《技巧》《武術》《魔法》《耐性》になったのか。

 スキルもいくつか残っているけどレベル表示がないし、《ゲート》が増えてる。

『神人族の種族特性にはスキルにレベルという概念はなく、無か全かです』

 持っている時点でレベルマックスってことか。
 レベルとか関係ないって言われてもなあ。まあ追々使っていけばわかるか。

『また、マスターが仮呼びしていたものが《ゲート》として確立されました。以降グラゼアに存在するスキルとなります」

 じゃあ雪音とかも覚えられるってことか。

『習得条件として《空間魔法》《アクティブマップ》《鑑定》を取得している必要がある様です。さらに距離により使用するMPが膨大となるためマスターのような遠距離は難しいでしょう』

 そっか。でもスキルとして確立されたなら、魔道具とか作れるかも。

 まあスキルはそれとして、最後は【加護】と【称号】だよ。
 《アドミラネス神の加護》が増えているんだが、一つ思い当たる節があった。
 うつろな意識の中〝神界と現界の狭間〟で聞こえてきたあの声。俺が地球の神様かと勘違いしたフェスティリカ神とは別の神様の声。

『イエス、マスター。かの方がこの世界の上級神であられる始神アドミラネス様です。あの時マスターはアドミラネス神から加護を付与されました』

 俺、アドミラネス神から加護を授かるようなこと何かしたっけ?

『マスターが何かしたというより、帰還条件を達成できるようにとの理由でした』

 そっか~。あの時になあ。
 でも《アドミラネス神の加護》はいいとして、見覚えのない加護がもう一つあるんだけど。あと称号も変わってるんだよ。いや称号だけじゃあないけど、どういうこと?

『《精霊王の加護》は領都エンテスで多くの精霊を救ったことに、精霊王が感謝してフェスティリカ神を通して付与授されたようです。〝神界と現顔の狭間〟でフェスティリカ神から付与されました』

〝調整する〟と言っていたけどそれだけじゃあなかったのか。
 神様三柱に精霊王からって、俺加護もらいすぎな気がするんだけど、そのあたりどうなんだろう。
     
この世界グラゼアで上級神、さらに複数の管理神から加護をもらった存在はおりません』

 えー、地球の神様がせっついたせいかもしれないけど、なんで俺だけ?

『マスター以外は〝神域〟に到達しておりません。その為雪音嬢方を神々は認識できないのです』

 俺はマーキングされてるっぽい。他はアリの巣から一匹見つけろというようなものか。だからって俺にばっかりも悪い気がする。チート度がですね、爆上がりしてる感が否めない。
 種族も進化して〝神人族〟かあ。なんだか知られたらやばい気がする。〝神人族〟ってモンスターでいえばSランク相当な感じがするなあ。

『当たらずとも遠からず、でしょうか。アドミラネス神の加護の効果で、マスターの存在進化は《上位人族》《魔人族》を通り越して《神人族》に至りましたから』

 俺って、三階級特進だったよ!

『現在地上には、種族としての《神人族》は存在しておりません。魔族の中から存在進化によって魔人族に至るものはいますが、神人族に至ったものもわずかです。現在の魔国の王が《魔人族》ですね』

 魔族と魔人族は別種族か。魔王様は頑張ったら神人族になれそうかな。

『神人族は伝説上の種族、もしくは絶滅したと考えられております。マスターは〝生き神〟のような立ち位置にいることになります。けれどそこで《人化》が有効になります』

《人化》で人に化けるってことか。

『イエス、マスター。私自身【ユニークスキル】から【アビリティ】に進化したことで、マスターのアビリティも使用することができます。【ユニークスキル】のままでしたら【アビリティ】は使用できませんでした。マスター、《人化》の使用許可をいただけますか』
「え、アクティブマップや鑑定みたいに? いいけど?」

 俺を《人化》してくれるのかと思ったんだけど。立ってた方がいいのかな、と言葉を続けようとしたが、口を開けたまま目の前を凝視することになった。
 ぼんやりとした光が目前に集約していく。これは環境魔素が集まっているのか。

「人化完了です。マスター」

 目の前にはなぜか幼稚園児の俺が立っていた。

「「ええええ~~~!」」



        ◇  ◇  ◇

 


「スキマがないくらい、みんなくっついてるね」

 雪音はカナちゃんの隣、椅子代わりの倒木に座ってお茶を飲んだ。ミントティーのようなスッとした喉越しのお茶だ。せっかくチャチャちゃんが入れてくれたけど、風舞輝は飲む間がないみたい。

「羨ましすぎるモフモフ天国」

 ジライヤちゃんたちに囲まれる風舞輝を見て、カナちゃんがそんな感想を漏らした。
 カップ越しにジライヤちゃんたちに混じるルーナちゃんを見る。チャチャちゃんに大丈夫と言われ普通に振る舞っていたルーナちゃんも、本当はかなり心配していたみたい。私が心配して風舞輝についていたから譲ってくれたんだね。
 カナちゃんは風舞輝にではなく、自分がモフモフまみれになりたそうにしていたけど、それは無理だよ。カナちゃんって本当、黙っていればお嬢様に見えるのにね。でもそうゆうところが大好きだよ。カナちゃんと一緒で本当に良かったと思う。

「チャチャちゃんが心配ないって言ってくれたけど、みんな心配してたから」
「私としては風舞輝が進化してになったのか早く知りたいわね」

 こちらの世界はモンスターだけでなく人間も進化するらしい。実際ルーナちゃんが豹獣族から上位獣族になったんだとか。地球人の私たちが進化したら一体何人になるんだろう? 
 見た目は何も変わっていない風舞輝だけど、種族が変わってしまっても地球に帰って問題はないのかな。

「あら、なんだか黙り込んでしまったわ」
「自分のステータスを確認してるんじゃあないの?」

 ルーナちゃんたちも、先ほどと違ってじっと静かに風舞輝を見つめている。

「風舞輝は眷属のステータスが見れるって言ってたけど、反対はできないのよね」
「うん、ルーナちゃんもツナデちゃんも見えないって言ってた」

 風舞輝が倒れた時、私とカナちゃんの《鑑定》では風舞輝の状態が見れなかったから、眷属ならステータスが見れるんじゃあないかってお願いしてみた。
 でも二人とも風舞輝のステータスは見れないって言ってたもの。ただ眷属として繋がっているから無事だってことは感じたみたいで、それは教えてくれた。
 だからって心配はやめられなかったけど。

 風舞輝は子供の頃からあんまり病気もしたことがなくって、寝込んでるところって、サスケちゃんがなくなった時くらいしか知らない。
 高校二年生になって学校に来なくなったのは、ただの登校拒否な引きこもりだし。
 ルーナちゃんが風舞輝から離れてこっちにやってきた。
 チャチャちゃんがすかさず、ホットミルクの入ったカップを差し出す。
 本当に風舞輝のいう通り、超優秀な精霊さんだ。

「時々独り言言ってるみたいだけど」

 カナちゃんが風舞輝の様子を見て、ルーナちゃんに尋ねる。

「うん。ナビゲーターと話してるみたい」
「だったらルーナちゃんたちにも聴こえているの?」
「ううん、ルーナたちに聴こえない。二人で内緒話だね」

 ルーナちゃんはカップ越しに風舞輝たちを見る。ジライヤちゃんたちは会話に混ざれなくとも、ひっついているだけで幸せそう。
 何も知らない人が見れば一人考え事をしているように見えたけど、その言葉は私たちにもはっきり聞こえた。

「え、アクティブマップや鑑定みたいに? いいけど?」

 無言だった風舞輝が声を出した。ずっとナビゲーターさんと念話で話してたのかな。
 突然風舞輝の前に光が集まり出した。

「なに?」

 カナちゃんが立ち上がる。あれってモンスターななの?
 私もカップを置いて槍を手に立ち上がる。

「人化完了です。マスター」

 光が集まって現れたのは、モンスターではなく……小さな子供。

「え、あれってもしかして」

 見覚えのある幼稚園のスモック姿。間違いない。あれは。

「子供……幼稚園のスモックかしら。としたら地球人? まさか異世界召喚って、わけじゃあないわよね」

 カナちゃんがその服装から判断したみたい。地球人と言えば地球人なのかな? 見た目はそうかも。

「うん、あの姿って幼稚園の時の風舞輝だよ」
「「ええええ~~~!」」

 カナちゃんだけでなく、風舞輝も同じ様に声を上げていた。

┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ 
 前回ウソつきました。9巻の範囲まだ残っているので発売日が2月20日ごろなので、今週中にアップします。

 読める期間が短めになってしまい 申し訳ありません。
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