8 / 15
最弱勇者と軍神の娘
しおりを挟む
「うふぅはあぁぁぁ…マナー遅い…」
今現在、マナーが変態に襲われていることなど梅雨知らず、カグラは長々と気持ち悪いため息を吐いた。
あれからもう2時間以上経っている。
流石にイライラしてくる頃だ。
「はぁ…退屈だ…」
ため息を再度吐き、カグラは周りを見渡した。
「おあー、そういや俺の目、今何とかレンズ入ってるんだったなー」
カグラは自分の目に解析レンズが入っていることを思い出して、少し悪戯な笑みを浮かべる。
「よし、マナーを探しに行くついでに少しこいつで遊んでやろう」
カグラはガタッと雑貨屋にあった椅子から立ち上がり、店から出て行った。
◇
「よし、最初は冒険者登録所に行ってみよう」
マナーも賑やかな場所にいそうだしぁ……誰かに連れ去られたりしてそうだな。
と、雑貨屋からほんの少し歩くと、すぐ人が沢山いる煩い場所を見つけた。
ここは冒険者登録所。
色んなところからやってきた壮大な野望を持つ冒険者が新たな出会い求めてやって来る出会いの場だ。
基本ここではその名のとおり新参者の冒険者を正式な冒険者として、国に登録することができる場所となっているが、実は他にもいろんなことをすることができる場所でもある。
例えばギルドを作ったり、職業を決めたりすることもでき、さらにはただ酒を飲む場所にすることもできるのだ。
柄の悪い冒険者達は自分のパーティやギルドの成功を祝って朝から騒ぎまくっている。
どんな日でも年がら年中うるさいので住民からはとても不評で、登録所の周りには何一つとして住宅がたっていない。
あるのは武器屋や、防具屋など冒険者の客目当てで店を構えているところだけだ。
ふむふむ、と、少し冒険者達を凝視して見る。
すると見る見るうちに冒険者達の頭上に何かゲージのような物が出てきた。
「うーん、流石は五大都市アルティカーナ、冒険者のレベルもたけぇな」
ざっと見ただけでも平均50レベルは上回ってそうだ。
特定の国で冒険者登録をしている冒険者は、戦争などで傭兵として軍に雇われることが多く、強い国の冒険者は強いと言う方程式が成り立っている。
ここで冒険者達を見ながら気づいたことがあるが、ゲームの世界に入ってしまったと言うのに、知っているプレイヤーが一人もいなかった。
現世の人間はこのもう何人も《自由な世界》をプレイしているはずなのになぁ……
「まぁ良いか」
何がどうであれ俺はこの世界から出るだけだ。
それさえ考えとけば良い。
俺はそう結論づけてマナーの捜索を始めた。
それからというもの、マナーを探して登録所内を歩き回っていたのだが、人ごみに押されるだけで体力が5ずつ減って行ったので恐怖に駆られ早急に出て行った。
◇
「こらぁ~マナ~…どこ行った……」
あれからいろんなところに行って見たが、どこにもマナーはおらず絶賛グロッキー状態だ。
よく考えてれば食べ物を食べに行ったのに食べ物が無い場所にマナーがいるはずも無く、それに気づいた俺は屋台の方に行ったのだが、人に押されるわ潰されるわで冗談抜きで死にかけた。
体力がみるみる内に減って行くもんだからプレッシャーで発狂した。
しかけたんじゃない、したんだ。
まぁそんなこんなでおでんのような物を出してる屋台で項垂れているわけだが、マナーのことが頭から離れなかった。
「誰かに連れて行かれたりしてないかなぁ……本当、食べ物とかに絶対釣られるもんなぁ……」
事実マナーは、俺がパンをやっただけで俺について来るようになっている。
食物に釣られる可能性は十分にあるのだ。
「あぁ…マナー……心配だぁ…」
いつもは、カグラッ!とかいっ……あん?
「カグラ~!」
「マナァァァァ!バカ!お前どこほっつき歩いてたんだ!心配したんだぞ!」
「うわぁぁん!ごめんカグラ~!」
「よしよし許す許す!だからもうこんなに心配させないでくれよ!」
「わかったぁ~!」
わんわん泣いているマナーの頭を優しく撫でる。
至福の時。
こんなに感動したのは初めてだ。
これが子供を持つ親の気持ちか……いかん、涙出てきた。
「うわぁぁん!マナー!」
「カグラー!」
「良かったですね」
「あぁ!やっと本当の家族になれた気がする!出会ってまだ二日もたってないけど!」
「うん!」
「そうなんですか」
「おお!」
話のわかる子だな!可愛いし!
ん?
「え?君だれ?え?」
「私ですか?私の名前はシェイミー・アルバレア。マナーちゃんを変態から助けました」
「この人ね、変態って言う人殺しちゃったの…びぃえぇぇぇ」
「峰打ちです!」
「うーん、そうかそうか…ありがとな、マナーを助けてくれて。アルバレアさん………アルバレア?」
「え」
アルバレア…アルバレアってあの……
「ス、スルト・アルバレアって知ってる?」
「あ、はい。私の父です」
「……ッ!?」
驚きすぎて言葉も出ない。
あのレベル300の軍神の子供……
「えっと、どうかしましたか?」
「え、いや、今日の宿どこにしよっかなーって」
思わず嘘をついた。
何も悪いことしてないのに。
「冒険者の方なんですか?」
「はい」
まだ登録してないけど、まぁいずれするつもりだったし嘘じゃない。
「そうなんですか……泊まる宿は決まってるんですか?」
「いや、まだ…」
あれ、この流れはなんだか良くないような……
「じゃあ私の泊まってる宿に来ますか?」
「い、いや、いいですよ迷惑になりますし」
「い、いえ!是非泊まって行ってください!」
「いやいやいや!恐れ多いです!」
アルバレアさんは、いや、アルバレア様は少し顔を赤く染め、
「マ、マナーちゃんとも仲良くなりたいですし……」
「…ど、どうする?マナー?」
「この人怖い……」
「あ、あの!宿のケーキ美味しかったですよ!」
「行く!」
「やっぱりか……」
こいつは避けられなさそうだ。
今現在、マナーが変態に襲われていることなど梅雨知らず、カグラは長々と気持ち悪いため息を吐いた。
あれからもう2時間以上経っている。
流石にイライラしてくる頃だ。
「はぁ…退屈だ…」
ため息を再度吐き、カグラは周りを見渡した。
「おあー、そういや俺の目、今何とかレンズ入ってるんだったなー」
カグラは自分の目に解析レンズが入っていることを思い出して、少し悪戯な笑みを浮かべる。
「よし、マナーを探しに行くついでに少しこいつで遊んでやろう」
カグラはガタッと雑貨屋にあった椅子から立ち上がり、店から出て行った。
◇
「よし、最初は冒険者登録所に行ってみよう」
マナーも賑やかな場所にいそうだしぁ……誰かに連れ去られたりしてそうだな。
と、雑貨屋からほんの少し歩くと、すぐ人が沢山いる煩い場所を見つけた。
ここは冒険者登録所。
色んなところからやってきた壮大な野望を持つ冒険者が新たな出会い求めてやって来る出会いの場だ。
基本ここではその名のとおり新参者の冒険者を正式な冒険者として、国に登録することができる場所となっているが、実は他にもいろんなことをすることができる場所でもある。
例えばギルドを作ったり、職業を決めたりすることもでき、さらにはただ酒を飲む場所にすることもできるのだ。
柄の悪い冒険者達は自分のパーティやギルドの成功を祝って朝から騒ぎまくっている。
どんな日でも年がら年中うるさいので住民からはとても不評で、登録所の周りには何一つとして住宅がたっていない。
あるのは武器屋や、防具屋など冒険者の客目当てで店を構えているところだけだ。
ふむふむ、と、少し冒険者達を凝視して見る。
すると見る見るうちに冒険者達の頭上に何かゲージのような物が出てきた。
「うーん、流石は五大都市アルティカーナ、冒険者のレベルもたけぇな」
ざっと見ただけでも平均50レベルは上回ってそうだ。
特定の国で冒険者登録をしている冒険者は、戦争などで傭兵として軍に雇われることが多く、強い国の冒険者は強いと言う方程式が成り立っている。
ここで冒険者達を見ながら気づいたことがあるが、ゲームの世界に入ってしまったと言うのに、知っているプレイヤーが一人もいなかった。
現世の人間はこのもう何人も《自由な世界》をプレイしているはずなのになぁ……
「まぁ良いか」
何がどうであれ俺はこの世界から出るだけだ。
それさえ考えとけば良い。
俺はそう結論づけてマナーの捜索を始めた。
それからというもの、マナーを探して登録所内を歩き回っていたのだが、人ごみに押されるだけで体力が5ずつ減って行ったので恐怖に駆られ早急に出て行った。
◇
「こらぁ~マナ~…どこ行った……」
あれからいろんなところに行って見たが、どこにもマナーはおらず絶賛グロッキー状態だ。
よく考えてれば食べ物を食べに行ったのに食べ物が無い場所にマナーがいるはずも無く、それに気づいた俺は屋台の方に行ったのだが、人に押されるわ潰されるわで冗談抜きで死にかけた。
体力がみるみる内に減って行くもんだからプレッシャーで発狂した。
しかけたんじゃない、したんだ。
まぁそんなこんなでおでんのような物を出してる屋台で項垂れているわけだが、マナーのことが頭から離れなかった。
「誰かに連れて行かれたりしてないかなぁ……本当、食べ物とかに絶対釣られるもんなぁ……」
事実マナーは、俺がパンをやっただけで俺について来るようになっている。
食物に釣られる可能性は十分にあるのだ。
「あぁ…マナー……心配だぁ…」
いつもは、カグラッ!とかいっ……あん?
「カグラ~!」
「マナァァァァ!バカ!お前どこほっつき歩いてたんだ!心配したんだぞ!」
「うわぁぁん!ごめんカグラ~!」
「よしよし許す許す!だからもうこんなに心配させないでくれよ!」
「わかったぁ~!」
わんわん泣いているマナーの頭を優しく撫でる。
至福の時。
こんなに感動したのは初めてだ。
これが子供を持つ親の気持ちか……いかん、涙出てきた。
「うわぁぁん!マナー!」
「カグラー!」
「良かったですね」
「あぁ!やっと本当の家族になれた気がする!出会ってまだ二日もたってないけど!」
「うん!」
「そうなんですか」
「おお!」
話のわかる子だな!可愛いし!
ん?
「え?君だれ?え?」
「私ですか?私の名前はシェイミー・アルバレア。マナーちゃんを変態から助けました」
「この人ね、変態って言う人殺しちゃったの…びぃえぇぇぇ」
「峰打ちです!」
「うーん、そうかそうか…ありがとな、マナーを助けてくれて。アルバレアさん………アルバレア?」
「え」
アルバレア…アルバレアってあの……
「ス、スルト・アルバレアって知ってる?」
「あ、はい。私の父です」
「……ッ!?」
驚きすぎて言葉も出ない。
あのレベル300の軍神の子供……
「えっと、どうかしましたか?」
「え、いや、今日の宿どこにしよっかなーって」
思わず嘘をついた。
何も悪いことしてないのに。
「冒険者の方なんですか?」
「はい」
まだ登録してないけど、まぁいずれするつもりだったし嘘じゃない。
「そうなんですか……泊まる宿は決まってるんですか?」
「いや、まだ…」
あれ、この流れはなんだか良くないような……
「じゃあ私の泊まってる宿に来ますか?」
「い、いや、いいですよ迷惑になりますし」
「い、いえ!是非泊まって行ってください!」
「いやいやいや!恐れ多いです!」
アルバレアさんは、いや、アルバレア様は少し顔を赤く染め、
「マ、マナーちゃんとも仲良くなりたいですし……」
「…ど、どうする?マナー?」
「この人怖い……」
「あ、あの!宿のケーキ美味しかったですよ!」
「行く!」
「やっぱりか……」
こいつは避けられなさそうだ。
0
あなたにおすすめの小説
異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。
お小遣い月3万
ファンタジー
異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。
夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。
妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。
勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。
ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。
夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。
夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。
その子を大切に育てる。
女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。
2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。
だけど子どもはどんどんと強くなって行く。
大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
神の加護を受けて異世界に
モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。
その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。
そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
無能と言われた召喚士は実家から追放されたが、別の属性があるのでどうでもいいです
竹桜
ファンタジー
無能と呼ばれた召喚士は王立学園を卒業と同時に実家を追放され、絶縁された。
だが、その無能と呼ばれた召喚士は別の力を持っていたのだ。
その力を使用し、無能と呼ばれた召喚士は歌姫と魔物研究者を守っていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる